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数学2 三角関数「三角関数」の問題49 解説

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解説

方針・初手

点 $A,B,C,P$ はすべて半径 $1$ の同一円周上にあるので、弦の長さは円周角を使って表すのが自然である。

まず、$\angle PAB=\theta$ から弦 $PB$ を求める。次に、$\angle APB,\angle APC,\angle BAC$ などの円周角を用いて $PA,PC$ を表す。

そのうえで、$PA+PB+PC$ は三角関数の加法定理でまとめ、$PA^2+PB^2+PC^2$ はベクトル的に処理すると一気に求まる。

解法1

点 $P$ は弧 $BC$ 上を $B$ から $C$ まで動くので、

$$ 0 \le \theta \le \angle CAB $$

である。弧 $BC$ は点 $A$ を含まない弧であり、その大きさは

$$ \angle BOC = \frac{2\pi}{3} $$

だから、

$$ \angle BAC=\frac{1}{2}\angle BOC=\frac{\pi}{3} $$

である。したがって

$$ 0\le \theta \le \frac{\pi}{3} $$

となる。

(1) $PA,PB,PC$ の表示

まず、$\angle PAB=\theta$ は弦 $PB$ に対する円周角であるから、対応する中心角は $2\theta$ である。半径 $1$ の円において、中心角 $\alpha$ に対する弦の長さは $2\sin\dfrac{\alpha}{2}$ なので、

$$ PB=2\sin\theta $$

となる。

次に、弧 $AB$ に対する円周角はどこでも一定であるから、

$$ \angle APB=\angle ACB=\frac{\pi}{3} $$

である。よって三角形 $APB$ において、

$$ \angle PBA=\pi-\theta-\frac{\pi}{3}=\frac{2\pi}{3}-\theta $$

である。再び同一円の弦の長さの公式より、

$$ PA=2\sin\angle PBA =2\sin\left(\frac{2\pi}{3}-\theta\right) =2\sin\left(\theta+\frac{\pi}{3}\right) $$

となる。

また、点 $P$ は角 $\angle BAC$ の内部にあるので、

$$ \angle PAC=\angle BAC-\angle PAB=\frac{\pi}{3}-\theta $$

である。三角形 $APC$ で、弦 $PC$ は角 $\angle PAC$ に対する辺だから、

$$ PC=2\sin\angle PAC =2\sin\left(\frac{\pi}{3}-\theta\right) =2\sin\left(-\theta+\frac{\pi}{3}\right) $$

となる。

以上より、

$$ PA=2\sin\left(\theta+\frac{\pi}{3}\right),\qquad PB=2\sin\theta,\qquad PC=2\sin\left(-\theta+\frac{\pi}{3}\right) $$

である。

(2) $PA+PB+PC$ の最大値

$$ \begin{aligned} PA+PB+PC &=2\sin\left(\theta+\frac{\pi}{3}\right)+2\sin\theta+2\sin\left(\frac{\pi}{3}-\theta\right) \\ &=2\sin\theta+2\left\{\sin\left(\theta+\frac{\pi}{3}\right)+\sin\left(\frac{\pi}{3}-\theta\right)\right\} \end{aligned} $$

ここで、

$$ \sin u+\sin v =2\sin\frac{u+v}{2}\cos\frac{u-v}{2} $$

を用いると、

$$ \sin\left(\theta+\frac{\pi}{3}\right)+\sin\left(\frac{\pi}{3}-\theta\right) =2\sin\frac{\pi}{3}\cos\theta =\sqrt{3}\cos\theta $$

であるから、

$$ PA+PB+PC=2\sin\theta+2\sqrt{3}\cos\theta $$

となる。これをひとつの正弦で表すと、

$$ 2\sin\theta+2\sqrt{3}\cos\theta =4\sin\left(\theta+\frac{\pi}{3}\right) $$

である。

したがって

$$ PA+PB+PC=4\sin\left(\theta+\frac{\pi}{3}\right) $$

となる。

ここで $0\le \theta\le \dfrac{\pi}{3}$ より、

$$ \frac{\pi}{3}\le \theta+\frac{\pi}{3}\le \frac{2\pi}{3} $$

である。この範囲で $\sin$ が最大になるのは

$$ \theta+\frac{\pi}{3}=\frac{\pi}{2} $$

すなわち

$$ \theta=\frac{\pi}{6} $$

のときであり、その最大値は

$$ 4\sin\frac{\pi}{2}=4 $$

である。

(3) $PA^2+PB^2+PC^2$ の値

$\vec{OA},\vec{OB},\vec{OC},\vec{OP}$ をそれぞれ $\mathbf{a},\mathbf{b},\mathbf{c},\mathbf{p}$ とおく。いずれも単位円上の点なので、

$$ |\mathbf{a}|=|\mathbf{b}|=|\mathbf{c}|=|\mathbf{p}|=1 $$

である。

また、

$$ A(1,0),\quad B\left(-\frac12,\frac{\sqrt3}{2}\right),\quad C\left(-\frac12,-\frac{\sqrt3}{2}\right) $$

より、

$$ \mathbf{a}+\mathbf{b}+\mathbf{c}=\mathbf{0} $$

である。

ここで、

$$ PA^2=|\mathbf{p}-\mathbf{a}|^2=|\mathbf{p}|^2+|\mathbf{a}|^2-2\mathbf{p}\cdot\mathbf{a}=2-2\mathbf{p}\cdot\mathbf{a} $$

同様に、

$$ PB^2=2-2\mathbf{p}\cdot\mathbf{b},\qquad PC^2=2-2\mathbf{p}\cdot\mathbf{c} $$

であるから、

$$ \begin{aligned} PA^2+PB^2+PC^2 &=6-2\mathbf{p}\cdot(\mathbf{a}+\mathbf{b}+\mathbf{c}) \\ &=6 \end{aligned} $$

となる。

解説

この問題の本質は、同一円周上の4点を見たら「弦の長さは円周角で表せる」と見ることである。

(1) では、$PB$ を $\angle PAB=\theta$ から直接出し、$PA,PC$ は三角形の内角や固定された円周角 $\dfrac{\pi}{3}$ を使って処理するのが素直である。

(2) は、求めた3本を足して加法定理で1つの正弦にまとめれば終わる。最大値問題としては非常に標準的である。

(3) は三角関数で押してもよいが、$A+B+C=\mathbf{0}$ という配置の対称性に気づけば一瞬で決まる。ここが最も見落としやすい点である。

答え

**(1)**

$$ PA=2\sin\left(\theta+\frac{\pi}{3}\right),\qquad PB=2\sin\theta,\qquad PC=2\sin\left(-\theta+\frac{\pi}{3}\right) $$

したがって、空欄は

$PA=2\sin\left(\theta+\dfrac{\pi}{3}\right)$

$PB=2\sin\theta$

$PC=2\sin\left(-\theta+\dfrac{\pi}{3}\right)$

である。

**(2)**

$$ PA+PB+PC=4\sin\left(\theta+\frac{\pi}{3}\right) $$

よって、空欄は

$4\sin\left(\theta+\dfrac{\pi}{3}\right)$

であり、最大値は

$$ \theta=\frac{\pi}{6} $$

のとき

$$ 4 $$

となる。したがって、空欄は

$\theta=\dfrac{\pi}{6}$

最大値 $4$

である。

**(3)**

$$ PA^2+PB^2+PC^2=6 $$

したがって、空欄は

$6$

である。

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