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数学2 三角関数「三角関数」の問題56 解説

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数学2 三角関数 三角関数 問題56の問題画像
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解説

方針・初手

$\sin x+\sin y,\ \cos x+\cos y$ は,加法定理で $x+y,\ x-y$ による式へ直すのが自然である。

和積公式を用いると,不等式の符号判定が 「$\cos\dfrac{x-y}{2}$ の符号」と 「$\sin\dfrac{x+y}{2}-\cos\dfrac{x+y}{2}$ の符号」 の組合せに帰着するので,境界直線 $x-y=\pm\pi,\ x+y=\dfrac{\pi}{2},\ x+y=\dfrac{5\pi}{2}$ で場合を分ければよい。

解法1

和積公式より

$$ \sin x+\sin y=2\sin\frac{x+y}{2}\cos\frac{x-y}{2}, \qquad \cos x+\cos y=2\cos\frac{x+y}{2}\cos\frac{x-y}{2} $$

である。したがって

$$ \sin x+\sin y\ge \cos x+\cos y $$

$$ 2\cos\frac{x-y}{2}\left(\sin\frac{x+y}{2}-\cos\frac{x+y}{2}\right)\ge0 $$

と同値である。

まず,第1因子 $\cos\dfrac{x-y}{2}$ の符号を調べる。

$0\le x\le2\pi,\ 0\le y\le2\pi$ より

$$ -\pi\le \frac{x-y}{2}\le \pi $$

であるから,

$$ \cos\frac{x-y}{2}\ge0 \iff -\frac{\pi}{2}\le \frac{x-y}{2}\le \frac{\pi}{2} \iff -\pi\le x-y\le \pi $$

となる。すなわち

$$ \cos\frac{x-y}{2}\ge0 \iff |x-y|\le\pi $$

である。

次に,第2因子を調べる。

$$ \begin{aligned} \sin\frac{x+y}{2}-\cos\frac{x+y}{2} &= \sqrt2\sin\left(\frac{x+y}{2}-\frac{\pi}{4}\right) \end{aligned} $$

であるから,

$$ \sin\frac{x+y}{2}-\cos\frac{x+y}{2}\ge0 \iff \frac{\pi}{4}\le \frac{x+y}{2}\le \frac{5\pi}{4} $$

すなわち

$$ \sin\frac{x+y}{2}-\cos\frac{x+y}{2}\ge0 \iff \frac{\pi}{2}\le x+y\le \frac{5\pi}{2} $$

である。

よって,不等式が成り立つのは2つの因子の符号が同じとき,すなわち

**(i)**

$\ |x-y|\le\pi$ かつ $\ \dfrac{\pi}{2}\le x+y\le\dfrac{5\pi}{2}$

または

**(ii)**

$\ |x-y|\ge\pi$ かつ $\ x+y\le\dfrac{\pi}{2}$ または $\ x+y\ge\dfrac{5\pi}{2}$

である。

ここで,$x,y\ge0$ だから

$$ |x-y|\le x+y $$

が成り立つ。したがって $x+y\le\dfrac{\pi}{2}$ のもとでは

$$ |x-y|\le x+y\le \frac{\pi}{2}<\pi $$

となり,(ii) のうち $x+y\le\dfrac{\pi}{2}$ は不可能である。

以上より,求める領域は

$$ \left\{ (x,y)\in[0,2\pi]^2 \ \middle| \left(|x-y|\le\pi,\ \frac{\pi}{2}\le x+y\le\frac{5\pi}{2}\right) \ \text{または} \left(|x-y|\ge\pi,\ x+y\ge\frac{5\pi}{2}\right) \right\} $$

である。

図示すると,正方形 $0\le x\le2\pi,\ 0\le y\le2\pi$ の中で,

によって区切られるうち,

(1) 頂点

$$ \left(\frac{\pi}{2},0\right),\ (\pi,0),\ \left(\frac{7\pi}{4},\frac{3\pi}{4}\right),\ \left(\frac{3\pi}{4},\frac{7\pi}{4}\right),\ (0,\pi),\ \left(0,\frac{\pi}{2}\right) $$

をもつ六角形,

および

(2) 頂点

$$ \left(\frac{7\pi}{4},\frac{3\pi}{4}\right),\ \left(2\pi,\frac{\pi}{2}\right),\ (2\pi,\pi) $$

をもつ三角形,

(3) 頂点

$$ \left(\frac{3\pi}{4},\frac{7\pi}{4}\right),\ \left(\frac{\pi}{2},2\pi\right),\ (\pi,2\pi) $$

をもつ三角形

の合併である。境界もすべて含む。

解説

この問題の要点は,$\sin x+\sin y,\ \cos x+\cos y$ をそのまま扱わず,和積公式で $x+y,\ x-y$ に分離することである。

すると,不等式は2つの因子の積の符号判定になる。境界がすべて直線 $x-y=\pm\pi,\ x+y=\dfrac{\pi}{2},\ x+y=\dfrac{5\pi}{2}$ で表されるため,図示が非常にしやすい。

特に,$x+y\le\dfrac{\pi}{2}$ の部分は一見候補に見えるが,$|x-y|\le x+y$ を使うと不可能であることが分かる。この確認を落とさないことが重要である。

答え

求める領域は

$$ \left\{ (x,y)\in[0,2\pi]^2 \ \middle| \left(|x-y|\le\pi,\ \frac{\pi}{2}\le x+y\le\frac{5\pi}{2}\right) \ \text{または} \left(|x-y|\ge\pi,\ x+y\ge\frac{5\pi}{2}\right) \right\} $$

である。

すなわち,正方形 $[0,2\pi]\times[0,2\pi]$ 内で,六角形

$$ \left(\frac{\pi}{2},0\right)\to(\pi,0)\to\left(\frac{7\pi}{4},\frac{3\pi}{4}\right)\to\left(\frac{3\pi}{4},\frac{7\pi}{4}\right)\to(0,\pi)\to\left(0,\frac{\pi}{2}\right) $$

と,2つの三角形

$$ \left(\frac{7\pi}{4},\frac{3\pi}{4}\right),\ \left(2\pi,\frac{\pi}{2}\right),\ (2\pi,\pi) $$

$$ \left(\frac{3\pi}{4},\frac{7\pi}{4}\right),\ \left(\frac{\pi}{2},2\pi\right),\ (\pi,2\pi) $$

の合併であり,境界を含む。

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