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数学2 三角関数「三角関数」の問題89 解説

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解説

方針・初手

三角形の内角であるから

$$ A+B+C=\pi,\qquad 0<A,B,C<\pi $$

である。$A$ を固定すると $B+C=\pi-A$ が一定になるので,

$$ B=\frac{\pi-A}{2}+x,\qquad C=\frac{\pi-A}{2}-x $$

とおくのが自然である。このとき

$$ -\frac{\pi-A}{2}<x<\frac{\pi-A}{2} $$

が成り立つ。これにより,$\sin B+\sin C$ と $\sin B\sin C$ を $x$ の式に直して最大・最小を調べればよい。

解法1

上の置き方により,

$$ \frac{B+C}{2}=\frac{\pi-A}{2},\qquad \frac{B-C}{2}=x $$

である。

まず和について加法定理を用いると,

$$ \sin B+\sin C =2\sin\frac{B+C}{2}\cos\frac{B-C}{2} =2\sin\frac{\pi-A}{2}\cos x =2\cos\frac{A}{2}\cos x $$

となる。

ここで

$$ -\frac{\pi-A}{2}<x<\frac{\pi-A}{2} $$

であり,$0<\frac{\pi-A}{2}<\frac{\pi}{2}$ だから,$\cos x$ は $x=0$ のとき最大値 $1$ をとり,$x\to \pm \frac{\pi-A}{2}$ のとき最小値 $\cos\frac{\pi-A}{2}=\sin\frac{A}{2}$ に近づくが,端点はとれない。

したがって,

$$ \sin A =2\cos\frac{A}{2}\sin\frac{A}{2} <\sin B+\sin C \le 2\cos\frac{A}{2} $$

である。よって (2) の範囲は

$$ \sin A<\sin B+\sin C\le 2\cos\frac{A}{2} $$

である。

次に積について積和公式を用いると,

$$ \sin B\sin C =\frac{\cos(B-C)-\cos(B+C)}{2} =\frac{\cos 2x-\cos(\pi-A)}{2} =\frac{\cos 2x+\cos A}{2} $$

となる。さらに

$$ \frac{\cos 2x+\cos A}{2} =\cos^2\frac{A}{2}-\sin^2 x $$

であるから,これは $x=0$ のとき最大となり,

$$ \sin B\sin C\le \cos^2\frac{A}{2} $$

である。等号は $x=0$,すなわち $B=C=\frac{\pi-A}{2}$ のときに成り立つ。

また

$$ \sin^2 x<\sin^2\frac{\pi-A}{2}=\cos^2\frac{A}{2} $$

より,

$$ \sin B\sin C=\cos^2\frac{A}{2}-\sin^2 x>0 $$

である。$x\to \pm \frac{\pi-A}{2}$ のとき $\sin B\sin C\to 0$ となるが,端点はとれないので $0$ は含まれない。

したがって (3) の範囲は

$$ 0<\sin B\sin C\le \cos^2\frac{A}{2} $$

である。

最後に (1) は (3) に $A=\frac{\pi}{3}$ を代入すればよい。すると

$$ 0<\sin B\sin C\le \cos^2\frac{\pi}{6}=\frac{3}{4} $$

となる。

解説

$A$ を固定すると,実質的には $B+C$ が一定という条件のもとで和や積の範囲を調べる問題になる。そのため,$B,C$ を平均 $\frac{\pi-A}{2}$ とずれ $x$ で表すのが最も整理しやすい。

最大値はどちらも $B=C$ のときに生じる。これは「和が一定のとき,2つが等しいときに対称な式が最大になりやすい」という典型形である。一方,最小値側は $B$ または $C$ が $0$ に近づく極限で現れるが,三角形の内角は正なので端点は実際にはとれない。このため,下端は不等号が厳密になる点が重要である。

答え

**(1)**

$$ 0<\sin B\sin C\le \frac{3}{4} $$

**(2)**

$$ \sin A<\sin B+\sin C\le 2\cos\frac{A}{2} $$

**(3)**

$$ 0<\sin B\sin C\le \cos^2\frac{A}{2} $$

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