基礎問題集
数学2 三角関数「三角関数」の問題92 解説
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解説
方針・初手
与えられた差積公式を用いて,$\sin x=\sin y$ や $\cos s=\cos t$ を積が $0$ になる形に直す。すると,三角関数の等式が一次式の条件に帰着する。
(2) は (1) の結果をそのまま適用すればよく,(3) はまず $\cos s=\cos t$ から $s,t$ の関係を決め,その後 $\sin5s=\sin5t$ を処理する。
解法1
**(1)**
与えられた公式より,
$$ \sin x-\sin y=2\cos\frac{x+y}{2}\sin\frac{x-y}{2} $$
である。$\sin x=\sin y$ のとき左辺は $0$ であるから,
$$ 2\cos\frac{x+y}{2}\sin\frac{x-y}{2}=0 $$
したがって,
$$ \cos\frac{x+y}{2}=0 \quad\text{または}\quad \sin\frac{x-y}{2}=0 $$
が成り立つ。
まず,
$$ \sin\frac{x-y}{2}=0 $$
より,
$$ \frac{x-y}{2}=n\pi \quad (n\in\mathbb{Z}) $$
すなわち,
$$ y=x-2n\pi $$
である。$n$ は任意の整数であるから,これは
$$ y=x+2n\pi \quad (n\in\mathbb{Z}) $$
と書いてよい。
次に,
$$ \cos\frac{x+y}{2}=0 $$
より,
$$ \frac{x+y}{2}=\frac{\pi}{2}+n\pi \quad (n\in\mathbb{Z}) $$
したがって,
$$ y=\pi-x+2n\pi \quad (n\in\mathbb{Z}) $$
となる。
よって,
$$ y=x+2n\pi \quad\text{または}\quad y=\pi-x+2n\pi \qquad (n\in\mathbb{Z}) $$
である。
**(2)**
$\sin2s=\sin(3s+1)$ に (1) の結果を適用する。
よって,
$$ 3s+1=2s+2n\pi \quad\text{または}\quad 3s+1=\pi-2s+2n\pi \qquad (n\in\mathbb{Z}) $$
である。
前者から,
$$ s=2n\pi-1 $$
を得る。$0\leqq s<2\pi$ より,これは $n=1$ のときだけ許され,
$$ s=2\pi-1 $$
である。
後者から,
$$ 5s=\pi-1+2n\pi $$
したがって,
$$ s=\frac{\pi-1+2n\pi}{5} $$
となる。ここで $0\leqq s<2\pi$ より,$n=0,1,2,3,4$ が許される。
以上より,求める $s$ は
$$ s=2\pi-1,\ \frac{\pi-1}{5},\ \frac{3\pi-1}{5},\ \frac{5\pi-1}{5},\ \frac{7\pi-1}{5},\ \frac{9\pi-1}{5} $$
である。
**(3)**
まず $\cos s=\cos t$ を用いる。与えられた公式より,
$$ \cos s-\cos t=-2\sin\frac{s+t}{2}\sin\frac{s-t}{2} $$
であるから,
$$ -2\sin\frac{s+t}{2}\sin\frac{s-t}{2}=0 $$
すなわち,
$$ \sin\frac{s+t}{2}=0 \quad\text{または}\quad \sin\frac{s-t}{2}=0 $$
である。
ここで $0\leqq s<t<2\pi$ だから,
$$ -\pi<\frac{s-t}{2}<0 $$
であり,この範囲で $\sin\frac{s-t}{2}=0$ となるのは $\frac{s-t}{2}=0$ のときだけであるが,これは $s=t$ となって条件に反する。したがって,
$$ \sin\frac{s-t}{2}=0 $$
は不可能である。
よって,
$$ \sin\frac{s+t}{2}=0 $$
でなければならない。さらに $0\leqq s<t<2\pi$ より $0<s+t<4\pi$ であるから,
$$ \frac{s+t}{2}=\pi $$
すなわち,
$$ s+t=2\pi $$
を得る。したがって,
$$ t=2\pi-s $$
である。
これを $\sin5s=\sin5t$ に代入すると,
$$ \sin5s=\sin(10\pi-5s) $$
となる。ところが,
$$ \sin(10\pi-5s)=-\sin5s $$
であるから,
$$ \sin5s=-\sin5s $$
すなわち,
$$ \sin5s=0 $$
となる。よって,
$$ 5s=n\pi \quad (n\in\mathbb{Z}) $$
すなわち,
$$ s=\frac{n\pi}{5} $$
である。
また $s<t$ かつ $s+t=2\pi$ より $s<\pi$ であるから,$n=0,1,2,3,4$ が候補である。しかし $n=0$ だと $s=0,\ t=2\pi$ となり,$t<2\pi$ に反するので不適である。
したがって,
$$ n=1,2,3,4 $$
であり,
$$ (s,t)=\left(\frac{\pi}{5},\frac{9\pi}{5}\right),\ \left(\frac{2\pi}{5},\frac{8\pi}{5}\right),\ \left(\frac{3\pi}{5},\frac{7\pi}{5}\right),\ \left(\frac{4\pi}{5},\frac{6\pi}{5}\right) $$
である。
解説
$\sin\alpha=\sin\beta$ や $\cos\alpha=\cos\beta$ は,それぞれ差積公式を使うと積が $0$ になる式に変形できる。この処理により,「どちらか一方が $0$」という形に落とし込めるのが基本である。
(2) は (1) の結果をそのまま使う典型問題である。角の条件を一般式で出したあと,範囲 $0\leqq s<2\pi$ で整数 $n$ を絞る流れが重要である。
(3) はまず $\cos s=\cos t$ から $s+t=2\pi$ を導くのが核心である。ここで $s=t$ の可能性を条件 $s<t$ によって排除することが必要である。その後は $t=2\pi-s$ を代入すれば,$\sin5t$ が $-\sin5s$ に変わり,一気に解ける。
答え
**(1)**
$$ y=x+2n\pi \quad\text{または}\quad y=\pi-x+2n\pi \qquad (n\in\mathbb{Z}) $$
**(2)**
$$ s=2\pi-1,\ \frac{\pi-1}{5},\ \frac{3\pi-1}{5},\ \frac{5\pi-1}{5},\ \frac{7\pi-1}{5},\ \frac{9\pi-1}{5} $$
**(3)**
$$ (s,t)=\left(\frac{\pi}{5},\frac{9\pi}{5}\right),\ \left(\frac{2\pi}{5},\frac{8\pi}{5}\right),\ \left(\frac{3\pi}{5},\frac{7\pi}{5}\right),\ \left(\frac{4\pi}{5},\frac{6\pi}{5}\right) $$