基礎問題集
数学2 三角関数「三角関数」の問題107 解説
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解説
方針・初手
三角形の内角なので
$$ A+B+C=180^\circ $$
である。したがって、まず加法定理を使って角の和を処理するのが自然である。
また、後で
$$ \tan(A+B+C)=\tan 180^\circ=0 $$
を用いると、$\tan A,\tan B,\tan C$ の間に整数の方程式が得られる。これを使って候補を絞る。
解法1
**(1)**
$A+B+C=180^\circ$ より
$$ B+C=180^\circ-A $$
であるから、
$$ \tan(B+C)=\tan(180^\circ-A)=-\tan A $$
となる。
---
**(2)**
$\tan C$ は整数であるから、$C\neq 90^\circ$ である。
ここで、$C>90^\circ$ と仮定して矛盾を導く。
$\triangle ABC$ の内角で $A<B<C$ だから、$A,B<90^\circ$ であり、したがって $\tan A,\tan B>0$ である。一方、$90^\circ<C<180^\circ$ なら $\tan C<0$ である。
$x=\tan A,\ y=\tan B,\ z=\tan C$ とおくと、加法定理より
$$ \tan(A+B+C) =\frac{x+y+z-xyz}{1-xy-yz-zx} $$
である。左辺は $\tan 180^\circ=0$ なので、
$$ x+y+z=xyz $$
を得る。
ここで $z<0$ だから、$z=-n\ (n>0)$ とおくと
$$ x+y-n=-xyn $$
すなわち
$$ x+y=n(1-xy) $$
である。
しかし、$x=\tan A,\ y=\tan B$ は正の整数で、しかも $A<B$ より $x<y$ である。したがって
$$ x\ge 1,\quad y\ge 2 $$
より
$$ xy\ge 2 $$
である。すると
$$ 1-xy\le -1 $$
だから、右辺 $n(1-xy)$ は負である。一方、左辺 $x+y$ は正である。これは矛盾である。
よって $C>90^\circ$ は不可能であり、さらに $C\neq 90^\circ$ であるから
$$ C<90^\circ $$
が示された。
---
**(3)**
再び
$$ x=\tan A,\quad y=\tan B,\quad z=\tan C $$
とおく。
(2) より $A<B<C<90^\circ$ であるから、$\tan\theta$ は $0^\circ<\theta<90^\circ$ で単調増加であることより
$$ 0<x<y<z $$
であり、しかも $x,y,z$ は整数だから
$$ 1\le x<y<z $$
である。
また、先ほどと同様に
$$ x+y+z=xyz $$
が成り立つ。これを $z$ について解くと
$$ z=\frac{x+y}{xy-1} $$
となる。
ここで $x\ge 2$ とすると、$x<y<z$ より $y\ge 3$ である。このとき
$$ xy-1-(x+y)=xy-x-y-1=(x-1)(y-1)-2\ge 0 $$
となるので
$$ xy-1\ge x+y $$
である。したがって
$$ z=\frac{x+y}{xy-1}\le 1 $$
となるが、これは $z>y\ge 3$ に反する。
よって
$$ x=1 $$
でなければならない。
$x=1$ を
$$ x+y+z=xyz $$
に代入すると
$$ 1+y+z=yz $$
すなわち
$$ yz-y-z=1 $$
である。両辺に $1$ を加えると
$$ (y-1)(z-1)=2 $$
となる。
$y,z$ は正の整数で、しかも $y<z$ であるから、
$$ (y-1,\ z-1)=(1,\ 2) $$
しかない。よって
$$ y=2,\quad z=3 $$
である。
したがって
$$ (\tan A,\tan B,\tan C)=(1,2,3) $$
を得る。
解説
この問題の本質は、三角形の内角の和 $A+B+C=180^\circ$ と三角関数の加法定理を結びつけることである。
特に
$$ \tan(A+B+C)=0 $$
から
$$ \tan A+\tan B+\tan C=\tan A\tan B\tan C $$
という整数方程式が得られるのが決定的である。
(2) では、$C$ が鈍角だと $\tan C<0$ になる一方、$\tan A,\tan B$ は正の整数であることを使えば、符号だけで矛盾が出る。
(3) では、方程式を
$$ z=\frac{x+y}{xy-1} $$
と変形して、$x\ge 2$ が不可能であることを示すのが典型的な絞り方である。そこから $x=1$ に落として因数分解すると一意に決まる。
答え
**(1)**
$$ \tan(B+C)=-\tan A $$
**(2)**
$$ C<90^\circ $$
**(3)**
$$ (\tan A,\tan B,\tan C)=(1,2,3) $$
である。