基礎問題集
数学2 三角関数「三角関数」の問題116 解説
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解説
方針・初手
各点は原点中心の単位円上にあり,反射や原点対称をしても単位円上にとどまる。したがって,各 $P_i$ はある角 $t_i$ を用いて
$$ P_i=(\cos t_i,\sin t_i) $$
と表せる。
そこで,点の座標を直接追うのではなく,偏角 $t_i$ を追う。
偏角 $\theta$ の点を,原点を通る直線 $y=(\tan \alpha)x$ に関して対称移動すると,偏角は
$$ \theta \mapsto 2\alpha-\theta \pmod{2\pi} $$
となる。また,原点に関する対称移動は
$$ \theta \mapsto \theta+\pi \pmod{2\pi} $$
である。
本問では
$$ \ell_1:\alpha=\frac{\pi}{3},\qquad \ell_2:\alpha=-\frac{\pi}{3},\qquad \ell_3:\alpha=0 $$
であるから,これを順に用いて $t_i$ を求めればよい。
解法1
まず,$P_0=(\cos t_0,\sin t_0)$ に対して各操作を順に行う。
$\ell_1$ に関する対称より,
$$ t_1=\frac{2\pi}{3}-t_0 $$
である。
次に原点対称より,
$$ t_2=t_1+\pi=\frac{5\pi}{3}-t_0 $$
である。
次に $\ell_2$ に関する対称を行う。$\ell_2$ は偏角 $-\frac{\pi}{3}$ の直線であるから,
$$ t_3\equiv 2\left(-\frac{\pi}{3}\right)-t_2 = -\frac{2\pi}{3}-t_2 \pmod{2\pi} $$
であり,$t_2=\frac{5\pi}{3}-t_0$ を代入すると,
$$ t_3\equiv -\frac{2\pi}{3}-\left(\frac{5\pi}{3}-t_0\right) =t_0-\frac{7\pi}{3}\equiv t_0+\frac{5\pi}{3}\pmod{2\pi} $$
となる。$0\le t_0\le \frac{\pi}{3}$ だから $t_0+\frac{5\pi}{3}$ は $\left[\frac{5\pi}{3},2\pi\right]$ に入るので,
$$ t_3=t_0+\frac{5\pi}{3} $$
とおける。
さらに原点対称より,
$$ t_4\equiv t_3+\pi=t_0+\frac{8\pi}{3}\equiv t_0+\frac{2\pi}{3}\pmod{2\pi} $$
であり,$0\le t_0\le \frac{\pi}{3}$ なので
$$ t_4=t_0+\frac{2\pi}{3} $$
である。
次に $\ell_3:y=0$,すなわち $x$ 軸に関する対称をとると,偏角は $\theta\mapsto -\theta$ となるから,
$$ t_5\equiv -t_4\equiv 2\pi-t_4 =2\pi-\left(t_0+\frac{2\pi}{3}\right) =\frac{4\pi}{3}-t_0 $$
である。
最後に原点対称より,
$$ t_6\equiv t_5+\pi =\frac{4\pi}{3}-t_0+\pi =\frac{7\pi}{3}-t_0 \equiv \frac{\pi}{3}-t_0 \pmod{2\pi} $$
となる。しかも $0\le t_0\le \frac{\pi}{3}$ だから
$$ 0\le \frac{\pi}{3}-t_0\le \frac{\pi}{3} $$
であり,
$$ t_6=\frac{\pi}{3}-t_0 $$
である。
以上を用いて各問に答える。
**(1)**
$t_0=\frac{\pi}{4}$ のとき,
$$ t_1=\frac{2\pi}{3}-\frac{\pi}{4} =\frac{8\pi-3\pi}{12} =\frac{5\pi}{12} $$
また,
$$ t_2=t_1+\pi=\frac{5\pi}{12}+\pi=\frac{17\pi}{12} $$
である。
(2) すでに求めたように,
$$ t_6=\frac{\pi}{3}-t_0 $$
である。$0\le t_0\le \frac{\pi}{3}$ より
$$ 0\le t_6\le \frac{\pi}{3} $$
が成り立つ。
$P_6=(\cos t_6,\sin t_6)$ と書けるから,その座標を $(x,y)$ とすると
$$ x=\cos t_6,\qquad y=\sin t_6 $$
である。$0\le t_6\le \frac{\pi}{3}$ なので,$\cos t_6>0,\ \sin t_6\ge 0$ であるから
$$ y\ge 0 $$
が成り立つ。
また,$0\le t_6\le \frac{\pi}{3}$ より $\tan t_6\le \sqrt3$ であり,$\cos t_6>0$ だから両辺に $\cos t_6$ を掛けて
$$ \sin t_6\le \sqrt3\cos t_6 $$
すなわち
$$ y\le \sqrt3 x $$
を得る。
よって
$$ 0\le y\le \sqrt3 x $$
であり,$P_6$ は不等式 $0\le y\le \sqrt3 x$ の表す領域の点である。
(3) (2) により $0\le t_6\le \frac{\pi}{3}$ であるから,$P_6$ から再び同じ操作 $\ell_1$,原点,$\ell_2$,原点,$\ell_3$,原点 を行うと,全く同じ計算がそのまま使える。
したがって,
$$ t_{12}=\frac{\pi}{3}-t_6 $$
である。ここに $t_6=\frac{\pi}{3}-t_0$ を代入すると,
$$ t_{12}=\frac{\pi}{3}-\left(\frac{\pi}{3}-t_0\right)=t_0 $$
となる。
ゆえに,
$$ P_{12}=(\cos t_{12},\sin t_{12})=(\cos t_0,\sin t_0)=P_0 $$
であり,
$$ P_{12}=P_0 $$
が示された。
解説
この問題の要点は,対称移動を座標計算で追うのではなく,単位円上の偏角の変化として処理することである。
直線 $\alpha$ に関する反射が $\theta\mapsto 2\alpha-\theta$,原点対称が $\theta\mapsto \theta+\pi$ になることを使えば,操作全体を角の一次式として整理できる。本問では 6 回の操作全体が
$$ t_0\mapsto \frac{\pi}{3}-t_0 $$
という非常に簡単な変換になっている。したがって,もう 6 回同じ操作を行えば
$$ t_6\mapsto \frac{\pi}{3}-t_6=t_0 $$
となり,$P_{12}=P_0$ が直ちに従う。
答え
**(1)**
$$ t_1=\frac{5\pi}{12},\qquad t_2=\frac{17\pi}{12} $$
**(2)**
$$ t_6=\frac{\pi}{3}-t_0 $$
また,$0\le t_6\le \frac{\pi}{3}$ より $P_6$ は
$$ 0\le y\le \sqrt3 x $$
の表す領域の点である。
**(3)**
$$ t_{12}=t_0 $$
したがって,
$$ P_{12}=P_0 $$
である。