基礎問題集
数学2 積分法「面積・接線」の問題9 解説
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解説
方針・初手
まず、曲線 $y=x^4$ の点 $(t,t^4)$ における接線の方程式を求める。
次に、その接線と放物線 $y=x^2-2x-3$ の交点の $x$ 座標を $\alpha,\beta$ とすると、2曲線で囲まれる面積は
$$ \int_{\alpha}^{\beta} {(\text{接線})-(\text{放物線})},dx $$
で表せる。差が2次式になるので、交点間の距離 $\beta-\alpha$ を用いて面積を簡潔に表すのが有効である。
解法1
曲線 $y=x^4$ の導関数は
$$ y'=4x^3 $$
であるから、点 $(t,t^4)$ における接線は
$$ y-t^4=4t^3(x-t) $$
すなわち
$$ y=4t^3x-3t^4 $$
である。
この接線と放物線 $y=x^2-2x-3$ の交点の $x$ 座標を $\alpha,\beta$ とすると、
$$ 4t^3x-3t^4=x^2-2x-3 $$
より
$$ x^2-(4t^3+2)x+(3t^4-3)=0 $$
を満たす。
したがって、$\alpha,\beta$ はこの2次方程式の2解であり、その判別式を $\Delta$ とすると
$$ \Delta=(4t^3+2)^2-4(3t^4-3) $$
である。計算すると
$$ \Delta=16t^6-12t^4+16t^3+16 =4\left(4t^6-3t^4+4t^3+4\right) $$
となる。
ここで
$$ (\text{接線})-(\text{放物線}) =4t^3x-3t^4-(x^2-2x-3) $$
は、$\alpha,\beta$ を根にもつ2次式であり、$x^2$ の係数が $-1$ だから
$$ (\text{接線})-(\text{放物線})=-(x-\alpha)(x-\beta) $$
と書ける。
よって面積 $S(t)$ は
$$ S(t)=\int_{\alpha}^{\beta} -(x-\alpha)(x-\beta),dx $$
である。ここで $\beta-\alpha=d$ とおけば、積分区間を長さ $d$ の区間とみなして
$$ S(t)=\frac{d^3}{6} $$
となる。しかも2次方程式の2解の差は $\sqrt{\Delta}$ であるから
$$ S(t)=\frac{(\beta-\alpha)^3}{6} =\frac{\Delta^{3/2}}{6} $$
である。
したがって
$$ S(t)=\frac{1}{6}\left[4\left(4t^6-3t^4+4t^3+4\right)\right]^{3/2} =\frac{4}{3}\left(4t^6-3t^4+4t^3+4\right)^{3/2} $$
となる。ゆえに、$S(t)$ を最小にするには
$$ f(t)=4t^6-3t^4+4t^3+4 $$
を最小にすればよい。
$f'(t)$ を求めると
$$ f'(t)=24t^5-12t^3+12t^2 =12t^2(2t^3-t+1) $$
さらに
$$ 2t^3-t+1=(t+1)(2t^2-2t+1) $$
であり、
$$ 2t^2-2t+1=2\left(t-\frac12\right)^2+\frac12>0 $$
だから、
$$ f'(t)=12t^2(t+1)(2t^2-2t+1) $$
の符号は $t+1$ の符号で決まる。ただし $t=0$ では $f'(t)=0$ であるが、符号は変わらない。
したがって、$f(t)$ は
- $t<-1$ で減少
- $t>-1$ で増加
するので、最小値は $t=-1$ のときにとる。
実際、
$$ f(-1)=4-3-4+4=1 $$
であるから
$$ S(-1)=\frac{4}{3}\cdot 1^{3/2}=\frac{4}{3} $$
となる。
よって
$$ S(t)\ge \frac{4}{3} $$
であり、等号は $t=-1$ のときに成り立つ。
解説
面積を直接積分してもよいが、接線と放物線の差が2次式になることに注目すると、交点を $\alpha,\beta$ としたときに
$$ -(x-\alpha)(x-\beta) $$
と因数分解できる。この形なら、面積が交点間の距離 $\beta-\alpha$ だけで決まるため、計算が大きく簡潔になる。
本問の本質は、面積そのものを追うより、まず交点を与える2次方程式の判別式に着目することである。
答え
$$ S(t)\text{ の最小値は }\frac{4}{3} $$
であり、それを与える $t$ の値は
$$ t=-1 $$
である。