基礎問題集
数学2 積分法「面積・接線」の問題28 解説
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解説
方針・初手
2つのグラフの差を
$$ h(x)=g(x)-f(x)=x^3-(ax^2+bx+c) $$
とおく。
点 $P$ では2つのグラフが接しているので、$P$ の $x$ 座標を $p$ とすると $h(p)=0,\ h'(p)=0$ が成り立つ。したがって $p$ は $h(x)$ の重解である。
もう一方の共通点 $Q$ の $x$ 座標を $q$ とすると、$h(x)$ は3次式であるから
$$ h(x)=(x-p)^2(x-q) $$
と表せる。これを用いて、接線条件と面積を $p,q$ で表し、最後に最小化する。
解法1
$h(x)=x^3-f(x)$ より
$$ f(x)=x^3-(x-p)^2(x-q) $$
である。右辺は3次の項が打ち消し合うので、確かに2次式になる。
接線条件を式にする
$g(x)=x^3$ だから
$$ g'(x)=3x^2 $$
である。
また
$$ h'(x)=g'(x)-f'(x) $$
であるから、$x=q$ において
$$ f'(q)=g'(q)-h'(q) $$
となる。
ここで
$$ h(x)=(x-p)^2(x-q) $$
より
$$ h'(q)=(q-p)^2 $$
であるから、
$$ f'(q)=3q^2-(q-p)^2 $$
を得る。
点 $Q$ で2つの接線が直交するので、傾きの積は $-1$ である。よって
$$ g'(q),f'(q)=-1 $$
すなわち
$$ 3q^2\bigl(3q^2-(q-p)^2\bigr)=-1 $$
である。整理すると
$$ (q-p)^2=3q^2+\frac{1}{3q^2} $$
を得る。ただし右辺に $q$ が分母で現れるので $q\neq 0$ である。
面積 $S$ を求める
2つのグラフの差は
$$ g(x)-f(x)=(x-p)^2(x-q) $$
である。
共通点は $x=p,\ q$ の2点であり、区間の長さだけが面積に効く。$d=|q-p|$ とおく。
このとき、囲まれた部分の面積は
$$ S=\int_{\min{p,q}}^{\max{p,q}} |(x-p)^2(x-q)|,dx $$
である。
例えば $p<q$ とすると
$$ S=\int_p^q (x-p)^2(q-x),dx $$
となる。ここで $t=x-p,\ q-p=d$ とおけば
$$ S=\int_0^d t^2(d-t),dt $$
であるから、
$$ \begin{aligned} S &=\int_0^d (dt^2-t^3),dt \\ &=d\cdot \frac{d^3}{3}-\frac{d^4}{4} \\ &=\frac{d^4}{12}. \end{aligned} $$
したがって一般に
$$ S=\frac{|q-p|^4}{12}=\frac{d^4}{12} $$
である。
最小化する
先ほど得た条件より
$$ d^2=(q-p)^2=3q^2+\frac{1}{3q^2}. $$
ここで $3q^2>0$ なので、相加相乗平均より
$$ 3q^2+\frac{1}{3q^2}\geqq 2 $$
であり、等号成立は
$$ 3q^2=\frac{1}{3q^2} $$
すなわち
$$ 3q^2=1 $$
のときである。
よって
$$ d^2\geqq 2 $$
だから
$$ S=\frac{d^4}{12}\geqq \frac{2^2}{12}=\frac13. $$
したがって最小値は
$$ \frac13 $$
である。
なお、$q=\pm \frac{1}{\sqrt3}$ とし、さらに $|q-p|=\sqrt2$ となるように $p$ を取れば等号が成立するので、この値は実際に達成される。
解説
この問題の本質は、2曲線の差
$$ h(x)=g(x)-f(x) $$
を見ることである。
点 $P$ で接線が一致するという条件は、単に共通点であるだけでなく、その点が重解になることを意味する。これにより差の3次式が
$$ (x-p)^2(x-q) $$
と因数分解でき、面積も接線条件も $p,q$ だけで扱えるようになる。
また、面積が最終的に $|q-p|^4/12$ となるため、問題は実質的に $|q-p|$ の最小化に帰着する。直交条件から出る
$$ (q-p)^2=3q^2+\frac{1}{3q^2} $$
に対して相加相乗平均を使うのが典型処理である。
答え
$$ S_{\min}=\frac13 $$