基礎問題集
数学2 積分法「面積・接線」の問題36 解説
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解説
方針・初手
点 $P$ は線分 $AQ$ の中点であるから、まず中点の公式を使って $Q$ を $P$ で表すのが最も自然である。
この関係を使えば、(1) は直ちに処理でき、(2) は「放物線 $y=x^2$ の $x=t$ における接線」を用いて接線条件を立てればよい。(3) は $Q$ の座標を媒介変数 $t$ で表してから $t$ を消去し、最後に2曲線の差を積分して面積を求める。
解法1
点 $P$ が線分 $AQ$ の中点であるから、
$$ P=\left(\frac{x_A+x_Q}{2},\frac{y_A+y_Q}{2}\right) $$
である。ここで $A=(-2,2)$ とすると、$P=(x_P,y_P)$ に対して $Q=(x_Q,y_Q)$ は
$$ x_Q=2x_P+2,\qquad y_Q=2y_P-2 $$
と表される。
**(1)**
まず $P=(1,1)$ のとき、直線 $AP$ の傾きは
$$ \frac{1-2}{1-(-2)}=-\frac{1}{3} $$
である。よって、点 $A(-2,2)$ を通ることから
$$ y-2=-\frac{1}{3}(x+2) $$
すなわち
$$ y=-\frac{1}{3}x+\frac{4}{3} $$
である。
また、$P$ は $AQ$ の中点であるから
$$ Q=(2\cdot 1+2,\ 2\cdot 1-2)=(4,0) $$
となる。
次に、一般に $P=(t,t^2)$ とすると、中点の関係より
$$ Q=(2t+2,\ 2t^2-2) $$
である。
**(2)**
$P=(t,t^2)$ における放物線 $C_1:y=x^2$ の接線は
$$ y=2tx-t^2 $$
である。
直線 $AP$ が $C_1$ の接線であるためには、この接線が点 $A(-2,2)$ を通ればよい。したがって
$$ 2=2t(-2)-t^2 $$
すなわち
$$ t^2+4t+2=0 $$
となる。これを解くと
$$ t=-2\pm\sqrt{2} $$
であるから、$x$ 座標の大きい方の点 $P$ は
$$ P=(-2+\sqrt{2},\ (-2+\sqrt{2})^2) $$
である。ここで
$$ (-2+\sqrt{2})^2=6-4\sqrt{2} $$
より
$$ P=(-2+\sqrt{2},\ 6-4\sqrt{2}) $$
となる。
このとき対応する点 $Q$ は
$$ Q=(2t+2,\ 2t^2-2) $$
に $t=-2+\sqrt{2}$ を代入して
$$ Q=(-2+2\sqrt{2},\ 10-8\sqrt{2}) $$
である。
**(3)**
点 $Q$ の座標を $(X,Y)$ とおくと、
$$ X=2t+2,\qquad Y=2t^2-2 $$
である。第1式から
$$ t=\frac{X-2}{2} $$
であるから、これを第2式に代入すると
$$ Y=2\left(\frac{X-2}{2}\right)^2-2 $$
すなわち
$$ Y=\frac{(X-2)^2}{2}-2 $$
となる。よって、点 $Q$ の描く曲線 $C_2$ は
$$ y=\frac{(x-2)^2}{2}-2 $$
すなわち
$$ y=\frac{1}{2}x^2-2x $$
である。
次に、$C_1:y=x^2$ と $C_2:y=\frac12 x^2-2x$ の交点を求める。
$$ x^2=\frac12 x^2-2x $$
より
$$ \frac12 x^2+2x=0 $$
すなわち
$$ x(x+4)=0 $$
であるから、交点の $x$ 座標は
$$ x=-4,\ 0 $$
である。
区間 $-4\le x\le 0$ では
$$ \left(\frac12 x^2-2x\right)-x^2=-\frac12 x^2-2x=-\frac12 x(x+4)>0 $$
となるので、この区間では $C_2$ が上、$C_1$ が下である。
したがって、囲まれた部分の面積 $S$ は
$$ S=\int_{-4}^{0}\left\{\left(\frac12 x^2-2x\right)-x^2\right\}dx $$
$$ =\int_{-4}^{0}\left(-\frac12 x^2-2x\right)dx $$
$$ =\left[-\frac16 x^3-x^2\right]_{-4}^{0} $$
$$ =0-\left(\frac{64}{6}-16\right) =0-\left(\frac{32}{3}-\frac{48}{3}\right) =\frac{16}{3} $$
となる。
解説
この問題の本質は、点 $P$ が中点であるという条件から
$$ Q=2P-A $$
が直ちに出ることである。ここに気づけば、点 $Q$ の座標は $P$ の座標から機械的に求まる。
また、接線条件も、直線 $AP$ を直接求めて放物線と連立するより、放物線 $y=x^2$ の接線
$$ y=2tx-t^2 $$
を使って点 $A$ を代入する方が短く確実である。最後の軌跡も、$Q$ を $t$ で表して消去するだけで済むので、全体として媒介変数処理が中心の問題である。
答え
**(1)**
$$ [ア]\ y=-\frac{1}{3}x+\frac{4}{3},\qquad [イ]\ (4,0),\qquad [ウ]\ (2t+2,\ 2t^2-2) $$
**(2)**
$$ [エ]\ (-2+\sqrt{2},\ 6-4\sqrt{2}),\qquad [オ]\ (-2+2\sqrt{2},\ 10-8\sqrt{2}) $$
**(3)**
$$ C_2:\ y=\frac{1}{2}x^2-2x $$
囲まれた領域の面積は
$$ \frac{16}{3} $$
である。