基礎問題集
数学2 積分法「面積・接線」の問題38 解説
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解説
方針・初手
まず
$$ f(x)=x^3-8x^2+20x-16 $$
を因数分解し、$f'(x),f''(x)$ を調べて概形を決める。
(2) は
$$ C':y=-f(-x) $$
を求めて、区間 $0\le x\le 3$ における上下関係を確認してから積分する。
(3) は直線 $y=ax$ との共有点を
$$ \frac{f(x)}{x}=a \qquad (x\neq 0) $$
とみて、関数
$$ \phi(x)=\frac{f(x)}{x} $$
と水平線 $y=a$ の交点個数に帰着する。
解法1
(1) 曲線 $C$ の概形
まず
$$ f(x)=x^3-8x^2+20x-16=(x-2)^2(x-4) $$
である。
したがって $x$ 軸との共有点は
$$ (2,0),\ (4,0) $$
であり、$x=2$ は重解なので $x$ 軸に接する。
次に導関数を求めると、
$$ f'(x)=3x^2-16x+20=(x-2)(3x-10) $$
であるから、
$$ f'(x)>0 \quad (x<2,\ x>\tfrac{10}{3}), $$
$$ f'(x)<0 \quad (2<x<\tfrac{10}{3}) $$
となる。
よって $x=2$ で極大、$x=\dfrac{10}{3}$ で極小をとる。
その値は
$$ f(2)=0, \qquad f\left(\frac{10}{3}\right) =\left(\frac{4}{3}\right)^2\left(-\frac{2}{3}\right) =-\frac{32}{27} $$
である。
さらに
$$ f''(x)=6x-16 $$
より、変曲点は
$$ x=\frac{8}{3} $$
であり、
$$ f\left(\frac{8}{3}\right) =\left(\frac{2}{3}\right)^2\left(-\frac{4}{3}\right) =-\frac{16}{27} $$
だから、変曲点は
$$ \left(\frac{8}{3},-\frac{16}{27}\right) $$
である。
以上より、$C$ は
- $(2,0)$ で $x$ 軸に接して極大をとる
- $\left(\dfrac{10}{3},-\dfrac{32}{27}\right)$ で極小をとる
- $(4,0)$ で $x$ 軸と交わる
- $\left(\dfrac{8}{3},-\dfrac{16}{27}\right)$ で変曲する
という概形である。
(2) 面積
$$ C':y=-f(-x) $$
であるから、
$$ f(-x)=-x^3-8x^2-20x-16 $$
より
$$ C':y=x^3+8x^2+20x+16 $$
となる。
この式を $g(x)$ とおくと、
$$ g(x)-f(x) =(x^3+8x^2+20x+16)-(x^3-8x^2+20x-16) =16x^2+32 $$
であるから、$0\le x\le 3$ では常に $C'$ が $C$ の上側にある。
したがって求める面積 $S$ は
$$ S=\int_0^3 \{g(x)-f(x)\}\,dx =\int_0^3 (16x^2+32)\,dx $$
である。
よって
$$ \begin{aligned} S &=\left[\frac{16}{3}x^3+32x\right]_0^3 \\ &=\frac{16}{3}\cdot 27+96 \\ &=144+96 \\ &=240 \end{aligned} $$
となる。
(3) 共有点の個数
直線 $y=ax$ と曲線 $C$ の共有点は
$$ f(x)=ax $$
を満たす点である。
ここで
$$ f(0)=-16\neq 0 $$
だから、共有点では $x\neq 0$ である。そこで
$$ \phi(x)=\frac{f(x)}{x} =x^2-8x+20-\frac{16}{x} \qquad (x\neq 0) $$
とおくと、共有点の個数は方程式
$$ \phi(x)=a $$
の実数解の個数に一致する。
まず微分すると、
$$ \phi'(x)=2x-8+\frac{16}{x^2} =\frac{2x^3-8x^2+16}{x^2} =\frac{2(x-2)(x^2-2x-4)}{x^2} $$
である。
したがって
$$ \phi'(x)=0 \iff x=2,\ 1-\sqrt5,\ 1+\sqrt5 $$
である。
次に極値を求めると、
$$ \phi(2)=0 $$
$$ \phi(1-\sqrt5)=22+10\sqrt5 $$
$$ \phi(1+\sqrt5)=22-10\sqrt5 $$
である。
また
$$ \lim_{x\to -\infty}\phi(x)=+\infty,\qquad \lim_{x\to 0^-}\phi(x)=+\infty, $$
$$ \lim_{x\to 0^+}\phi(x)=-\infty,\qquad \lim_{x\to +\infty}\phi(x)=+\infty $$
であるから、$\phi(x)$ の概形より、水平線 $y=a$ との交点個数は次の通りである。
$$ \begin{cases} 1\text{個} & \left(a<22-10\sqrt5,\ \ 0<a<22+10\sqrt5\right),\\[2mm] 2\text{個} & \left(a=22-10\sqrt5,\ \ a=0,\ \ a=22+10\sqrt5\right),\\[2mm] 3\text{個} & \left(22-10\sqrt5<a<0,\ \ a>22+10\sqrt5\right). \end{cases} $$
解説
この問題では、まず
$$ f(x)=(x-2)^2(x-4) $$
と因数分解できることが重要である。これにより、$x$ 軸との位置関係がすぐに見える。
また、直線 $y=ax$ との共有点個数は、三次方程式を直接追うよりも
$$ \phi(x)=\frac{f(x)}{x} $$
を考え、水平線との交点個数に読み替えると整理しやすい。$x=0$ が共有点にならないことを最初に確認するのがポイントである。
答え
**(1)**
$C$ は $(2,0)$ で $x$ 軸に接して極大をとり、
$$ \left(\frac{10}{3},-\frac{32}{27}\right) $$
で極小をとる。変曲点は
$$ \left(\frac{8}{3},-\frac{16}{27}\right) $$
であり、$(4,0)$ で $x$ 軸と交わる。
**(2)**
面積は
$$ 240 $$
である。
**(3)**
共有点の個数は
$$ \begin{cases} 1\text{個} & \left(a<22-10\sqrt5,\ \ 0<a<22+10\sqrt5\right),\\[2mm] 2\text{個} & \left(a=22-10\sqrt5,\ \ a=0,\ \ a=22+10\sqrt5\right),\\[2mm] 3\text{個} & \left(22-10\sqrt5<a<0,\ \ a>22+10\sqrt5\right). \end{cases} $$