基礎問題集
数学2 積分法「面積・接線」の問題40 解説
数学2の積分法「面積・接線」にある問題40の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
(1) は「直線 $y=x$ と接する」という条件を、方程式
$$ (x-p)^2+q=x $$
が重解をもつことに言い換える。
(2) は 2 つの放物線の差をとると $x^2$ の項が消え、一次式になることを見る。
(3) は、まず折れ線 $L$ と共有点をもたない放物線が、長方形 $R$ 内の点を通るためには、実は $x=0,1$ でともに $y>1$ でなければならないことを示す。そのうえで
$$ f(x)=(1-x)f(0)+x f(1)-x(1-x) $$
という形を用いて、通過可能な点の条件を求める。
解法1
(1)
放物線 $y=f(x)$ が直線 $y=x$ と接するとは、
$$ (x-p)^2+q=x $$
すなわち
$$ x^2-(2p+1)x+(p^2+q)=0 $$
が重解をもつことと同値である。
また、$(0,1)$ を通るから
$$ f(0)=p^2+q=1 $$
である。
重解条件より判別式が $0$ だから、
$$ (2p+1)^2-4(p^2+q)=0 $$
すなわち
$$ 4p+1-4q=0 $$
となり、
$$ q=p+\frac14 $$
を得る。これを $p^2+q=1$ に代入すると、
$$ p^2+p+\frac14=1 $$
よって
$$ p^2+p-\frac34=0 $$
であるから、
$$ p=\frac12,\ -\frac32 $$
となる。
接点の $x$ 座標は重解なので
$$ x=\frac{2p+1}{2}=p+\frac12 $$
である。条件より接点は $x>0$ の部分にあるから、
- $p=\dfrac12$ のとき $x=1$
- $p=-\dfrac32$ のとき $x=-1$
となり、後者は不適である。
したがって
$$ p=\frac12,\qquad q=1-p^2=\frac34 $$
であり、接点は
$$ (1,1) $$
である。
(2)
$$ g(x)=f_2(x)-f_1(x) $$
とおくと、
$$ \begin{aligned} g(x) &=(x-p_2)^2+q_2-\bigl((x-p_1)^2+q_1\bigr) \\ &=2(p_1-p_2)x+(p_2^2-p_1^2+q_2-q_1) \end{aligned} $$
となる。したがって $g(x)$ は一次式である。
仮定より
$$ g(\alpha)=f_2(\alpha)-f_1(\alpha)>0,\qquad g(\beta)=f_2(\beta)-f_1(\beta)>0 $$
である。
一次式は区間上でグラフが線分になるから、両端で正なら区間全体で正である。よって、任意の $x\in[\alpha,\beta]$ に対して
$$ g(x)>0 $$
すなわち
$$ f_1(x)<f_2(x) $$
が成り立つ。
(3)
$R$ の点 $(a,b)$ が集合 $T$ に属する、すなわちある放物線
$$ y=f(x)=(x-p)^2+q $$
が $(a,b)$ を通り、しかも折れ線 $L$ と共有点をもたないとする。ここで
$$ 0\le a\le 1,\qquad 0\le b\le 2 $$
である。
まず、$f(0),f(1)$ の符号を調べる。
折れ線 $L$ は $x=0$ 上の線分 $0\le y\le 1$、直線部分 $y=x\ (0\le x\le 1)$、および $x=1$ 上の線分 $0\le y\le 1$ からなるので、共有点をもたないためには
$$ f(0)\notin[0,1],\qquad f(1)\notin[0,1] $$
である。
(i) $f(0)<0,\ f(1)<0$ は不可能
$f(x)$ は上に開く放物線であるから、$0\le x\le1$ に対して
$$ f(x)=(1-x)f(0)+x f(1)-x(1-x) $$
と書ける。したがって $f(0)<0,\ f(1)<0$ なら
$$ f(x)<0\qquad(0\le x\le1) $$
となる。しかし $(a,b)$ は $b\ge0$ を満たすので、$f(a)=b$ に矛盾する。
(ii) $f(0)$ と $f(1)$ が一方は負、一方は $1$ より大きい場合も不可能
たとえば $f(0)<0,\ f(1)>1$ とすると、
$$ h(x)=f(x)-x $$
は連続であり、
$$ h(0)=f(0)<0,\qquad h(1)=f(1)-1>0 $$
である。よって中間値の定理により、ある $c\in(0,1)$ が存在して
$$ h(c)=0 $$
すなわち
$$ f(c)=c $$
となる。これは放物線が直線部分 $y=x\ (0\le x\le1)$ と交わることを意味し、仮定に反する。 $f(0)>1,\ f(1)<0$ も同様に不可能である。
以上より、$R$ 内の点を通り、かつ $L$ と共有点をもたない放物線については必ず
$$ f(0)>1,\qquad f(1)>1 $$
が成り立つ。
ここで再び
$$ f(x)=(1-x)f(0)+x f(1)-x(1-x) $$
を用いると、$(a,b)$ に対して
$$ \begin{aligned} b=f(a) &=(1-a)f(0)+a f(1)-a(1-a) \\ &>(1-a)\cdot1+a\cdot1-a(1-a) \\ &=1-a+a^2 \end{aligned} $$
となる。
したがって
$$ T\subset {(x,y)\in R\mid y>x^2-x+1} $$
である。
次に逆を示す。$(a,b)\in R$ が
$$ b>1-a+a^2 $$
を満たすとする。このとき
$$ c=b-a^2+a $$
とおき、
$$ f(x)=x^2-x+c $$
と定める。すると
$$ f(a)=a^2-a+c=b $$
であり、$(a,b)$ を通る。
さらに
$$ c=b-a^2+a>1 $$
だから、
$$ f(0)=c>1,\qquad f(1)=c>1 $$
である。また
$$ f(x)-x=x^2-2x+c=(x-1)^2+(c-1)>0 $$
より、$0\le x\le1$ で常に $f(x)>x$ が成り立つ。したがってこの放物線は折れ線 $L$ と共有点をもたない。
よって
$$ {(x,y)\in R\mid y>x^2-x+1}\subset T $$
である。
以上から
$$ T={(x,y)\in R\mid y>x^2-x+1} $$
と分かる。したがって
$$ S=R\setminus T={(x,y)\in R\mid 0\le y\le x^2-x+1} $$
である。
境界曲線
$$ y=x^2-x+1 $$
は $(0,1)$、$(1,1)$ を通り、頂点 $\left(\dfrac12,\dfrac34\right)$ をもつ上に開く放物線である。したがって $S$ は、長方形 $R$ の中でこの放物線の下側の部分である。
面積は
$$ \int_0^1 (x^2-x+1),dx =\left[\frac{x^3}{3}-\frac{x^2}{2}+x\right]_0^1 =\frac13-\frac12+1 =\frac56 $$
となる。
解説
(1) は接線条件を「重解」に直すのが基本である。$(0,1)$ を通る条件と合わせると一意に定まる。
(2) の本質は、同じ形の放物線どうしの差をとると二次の項が消えて一次式になることである。一次式は両端で正ならその間でも正である。
(3) では、折れ線 $L$ と交わらない放物線のうち、長方形 $R$ 内の点を通るものは、結局 $x=0,1$ でともに $y>1$ でなければならない。そこから
$$ f(x)=(1-x)f(0)+x f(1)-x(1-x) $$
を使うと、通れる点の条件が
$$ y>x^2-x+1 $$
と一気に出る。逆向きは、具体的に
$$ f(x)=x^2-x+c $$
という放物線を作ればよい。
答え
**(1)**
$$ (p,q)=\left(\frac12,\frac34\right),\qquad \text{接点 }(1,1) $$
**(2)**
区間 $\alpha\le x\le\beta$ のすべての $x$ で
$$ f_1(x)<f_2(x) $$
が成り立つ。
**(3)**
$$ T={(x,y)\in R\mid y>x^2-x+1} $$
したがって
$$ S={(x,y)\mid 0\le x\le1,\ 0\le y\le x^2-x+1} $$
であり、その面積は
$$ \frac56 $$
である。