基礎問題集
数学2 積分法「面積・接線」の問題55 解説
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解説
方針・初手
(1) 3次関数のグラフが $x$ 軸と異なる2点で交わるためには、方程式 $f(x)=0$ が「重解1つと単解1つ」をもてばよい。
したがって、$f(x)$ を
$$ f(x)=2(x-r)^2(x-s) $$
とおいて係数比較する。
(2) (1) で得られた $\alpha,\beta$ を代入し、3つのグラフの上下関係を調べて面積を積分で求める。特に、上側の境界は途中で入れ替わるので、その交点で積分区間を分ける。
解法1
(1) $p,\alpha,\beta$ を求める
$y=f(x)$ のグラフが $x$ 軸と異なる2点で交わるためには、$f(x)=0$ が重解を1つもち、残りに単解を1つもつ。
そこで
$$ f(x)=2(x-r)^2(x-s) $$
とおく。これを展開すると
$$ \begin{aligned} f(x) &=2\left(x^3-(s+2r)x^2+(r^2+2rs)x-r^2s\right) \\ &=2x^3-2(s+2r)x^2+2(r^2+2rs)x-2r^2s \end{aligned} $$
一方、
$$ f(x)=2x^3+2px^2+1 $$
であるから、係数比較により
$$ -2(s+2r)=2p,\qquad 2(r^2+2rs)=0,\qquad -2r^2s=1 $$
を得る。
真ん中の式より
$$ r^2+2rs=r(r+2s)=0 $$
である。ところが $-2r^2s=1$ より $r\neq 0$ だから、
$$ r+2s=0 $$
すなわち
$$ s=-\frac{r}{2} $$
である。
これを $-2r^2s=1$ に代入すると
$$ -2r^2\left(-\frac{r}{2}\right)=1 $$
より
$$ r^3=1 $$
したがって
$$ r=1,\qquad s=-\frac12 $$
である。
よって
$$ f(x)=2(x-1)^2\left(x+\frac12\right) $$
となるので、$x$ 軸との2個の共有点の $x$ 座標は
$$ -\frac12,\ 1 $$
である。条件 $\alpha\leqq\beta$ より
$$ \alpha=-\frac12,\qquad \beta=1 $$
また $x^2$ の係数を比較して
$$ 2p=-2\left(-\frac12+2\right)=-3 $$
だから
$$ p=-\frac32 $$
である。
(2) 図形の面積を求める
(1) より
$$ \alpha=-\frac12,\qquad \beta=1 $$
であるから、3つの関数は
$$ y_1=(x-\alpha)(x-\beta)=\left(x+\frac12\right)(x-1) $$
$$ y_2=2(x-\alpha)^2=2\left(x+\frac12\right)^2 $$
$$ y_3=2(x-\beta)^2=2(x-1)^2 $$
となる。
まず、$\alpha\leqq x\leqq\beta$、すなわち $-\dfrac12\leqq x\leqq 1$ では
$$ \left(x+\frac12\right)(x-1)\leqq 0 $$
であり、$y_2,y_3$ はともに $0$ 以上である。したがって、下側の境界は常に $y_1$ である。
次に、$y_2$ と $y_3$ の大小を調べる。
$$ 2\left(x+\frac12\right)^2=2(x-1)^2 $$
より
$$ \left(x+\frac12\right)^2=(x-1)^2 $$
となる。差をとると
$$ \left(x+\frac12-(x-1)\right)\left(x+\frac12+(x-1)\right)=0 $$
すなわち
$$ \frac32\left(2x-\frac12\right)=0 $$
より
$$ x=\frac14 $$
である。
実際、$x<\dfrac14$ では $y_2<y_3$、$x>\dfrac14$ では $y_3<y_2$ となる。よって、求める面積 $S$ は
$$ S=\int_{-1/2}^{1/4}(y_2-y_1),dx+\int_{1/4}^{1}(y_3-y_1),dx $$
である。
まず
$$ \begin{aligned} y_2-y_1 &=2\left(x+\frac12\right)^2-\left(x+\frac12\right)(x-1) \\ &=x^2+\frac52x+1 \end{aligned} $$
であるから、
$$ \int_{-1/2}^{1/4}(y_2-y_1),dx =\int_{-1/2}^{1/4}\left(x^2+\frac52x+1\right),dx $$
となる。原始関数は
$$ \frac{x^3}{3}+\frac54x^2+x $$
なので、
$$ \begin{aligned} \int_{-1/2}^{1/4}(y_2-y_1),dx &=\left[\frac{x^3}{3}+\frac54x^2+x\right]_{-1/2}^{1/4} \\ &=\frac13-\left(-\frac{11}{48}\right) \\ &=\frac{9}{16} \end{aligned} $$
である。
同様に
$$ \begin{aligned} y_3-y_1 &=2(x-1)^2-\left(x+\frac12\right)(x-1) \\ &=x^2-\frac72x+\frac52 \end{aligned} $$
であるから、
$$ \int_{1/4}^{1}(y_3-y_1),dx =\int_{1/4}^{1}\left(x^2-\frac72x+\frac52\right),dx $$
となる。原始関数は
$$ \frac{x^3}{3}-\frac74x^2+\frac52x $$
なので、
$$ \begin{aligned} \int_{1/4}^{1}(y_3-y_1),dx &=\left[\frac{x^3}{3}-\frac74x^2+\frac52x\right]_{1/4}^{1} \\ &=\frac{13}{12}-\frac{25}{48} \\ &=\frac{9}{16} \end{aligned} $$
である。
したがって
$$ S=\frac{9}{16}+\frac{9}{16}=\frac98 $$
となる。
解説
この問題の要点は、(1) で「3次式が $x$ 軸と異なる2点で交わる」という条件を、**重解と単解をもつ**という代数的条件に言い換えることである。ここで因数分解の形に直して係数比較すれば、$p$ と根が一気に定まる。
(2) では、3つの曲線のうちどれが上側の境界になるかを丁寧に調べることが重要である。特に $2(x-\alpha)^2$ と $2(x-\beta)^2$ は途中で上下が入れ替わるので、その交点で積分区間を分ける必要がある。
答え
**(1)**
$$ p=-\frac32,\qquad \alpha=-\frac12,\qquad \beta=1 $$
**(2)**
囲まれた図形の面積は
$$ \frac98 $$