基礎問題集
数学2 積分法「面積・接線」の問題59 解説
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解説
方針・初手
点 (P,Q) を
$$ P=(p,p),\qquad Q=(q,-q) $$
とおくと,条件 (OP+OQ=\sqrt2) は
$$ \sqrt2,|p|+\sqrt2,|q|=\sqrt2 $$
より
$$ |p|+|q|=1 $$
となる。
つぎに,点 (R=(x,y)) が線分 (PQ) 上にある条件を式に直し,領域 (S) を表す不等式を得る。そのうえで断面を見て面積を積分で求める。
解法1
点 (R=(x,y)) が線分 (PQ) 上にあるとする。すると,ある (t\in[0,1]) が存在して
$$ R=tP+(1-t)Q $$
と書けるから,
$$ x=t p+(1-t)q,\qquad y=t p-(1-t)q $$
である。よって
$$ x+y=2tp,\qquad x-y=2(1-t)q $$
を得る。
したがって (0<t<1) のとき
$$ \frac{|x+y|}{2t}+\frac{|x-y|}{2(1-t)} =|p|+|q|=1 $$
である。
逆に,ある (t\in(0,1)) について
$$ \frac{|x+y|}{2t}+\frac{|x-y|}{2(1-t)}=1 $$
が成り立てば,
$$ p=\frac{x+y}{2t},\qquad q=\frac{x-y}{2(1-t)} $$
とおくことで (P,Q) を作れる。したがって,(R=(x,y)) が (S) に属するための必要十分条件は,ある (t\in(0,1)) が存在して
$$ \frac{|x+y|}{2t}+\frac{|x-y|}{2(1-t)}=1 $$
となることである。
ここで
$$ f(t)=\frac{|x+y|}{2t}+\frac{|x-y|}{2(1-t)} $$
とおくと,(0<t<1) で連続であり,(t\to0,\ 1) で (f(t)\to\infty) となる。また
$$ f(t)\ge \frac{\left(\sqrt{|x+y|}+\sqrt{|x-y|}\right)^2}{2} $$
であり,等号は
$$ t=\frac{\sqrt{|x+y|}}{\sqrt{|x+y|}+\sqrt{|x-y|}} $$
のときに成り立つ。よって (f(t)=1) となる (t) が存在するための必要十分条件は
$$ \frac{\left(\sqrt{|x+y|}+\sqrt{|x-y|}\right)^2}{2}\le1 $$
すなわち
$$ \sqrt{|x+y|}+\sqrt{|x-y|}\le\sqrt2 \tag{*} $$
である。
(1) 直線 (x=a) との交点の (y) 座標の最大値
まず対称性より,最大値は (a) を (-a) に変えても同じであるから,(0\le a\le1) としてよい。
このとき,実際に
$$ P=\left(\frac{1+a}{2},\frac{1+a}{2}\right),\qquad Q=\left(-\frac{1-a}{2},\frac{1-a}{2}\right) $$
をとると (|p|+|q|=1) であり,線分 (PQ) 上の点
$$ R=\frac{1+a}{2}P+\frac{1-a}{2}Q $$
は
$$ x=a,\qquad y=\frac{1+a^2}{2} $$
を満たす。したがって最大値は少なくとも (\dfrac{1+a^2}{2}) である。
よって最大値を (Y) とすると,(Y\ge \dfrac{1+a^2}{2}\ge a) であるから,((*)) において (|a+Y|=a+Y,\ |a-Y|=Y-a) となり,
$$ \sqrt{a+Y}+\sqrt{Y-a}\le\sqrt2 $$
である。両辺を2乗すると
$$ 2Y+2\sqrt{Y^2-a^2}\le2 $$
すなわち
$$ Y+\sqrt{Y^2-a^2}\le1 $$
となる。よって (\sqrt{Y^2-a^2}\le1-Y) であるから,
$$ Y^2-a^2\le(1-Y)^2 $$
となり,
$$ 2Y\le1+a^2 $$
を得る。したがって
$$ Y\le\frac{1+a^2}{2} $$
である。
以上より,最大値は
$$ \frac{1+a^2}{2} $$
である。これは (a<0) の場合も同じなので,
$$ \boxed{\text{最大値 }=\frac{1+a^2}{2}} $$
となる。
(2) 領域 (S) を不等式で表す
(1) より,各 (x) に対して (y) の上端は
$$ y=\frac{1+x^2}{2} $$
である。また ((*)) は (y) を (-y) に変えても不変だから,下端は
$$ y=-\frac{1+x^2}{2} $$
である。
さらに ((*)) は (x,y) を入れ替えても不変であるから,同様に各 (y) に対して (x) は
$$ -\frac{1+y^2}{2}\le x\le \frac{1+y^2}{2} $$
を満たす。
したがって
$$ S=\left\{(x,y)\ \middle|\ |y|\le\frac{1+x^2}{2},\ |x|\le\frac{1+y^2}{2}\right\} $$
である。これは同値変形して
$$ \boxed{ S=\left\{(x,y)\ \middle|\ 2|y|-1\le x^2,\ 2|x|-1\le y^2\right\} } $$
と表せる。
(3) 領域 (S) の面積
領域 (S) は (x) 軸,(y) 軸について対称であるから,第1象限部分の面積を (A_1) とすると,全体の面積は (4A_1) である。
第1象限では
$$ y\le\frac{1+x^2}{2},\qquad x\le\frac{1+y^2}{2} $$
である。後者は
$$ y^2\ge2x-1 $$
すなわち
$$ y\ge\sqrt{2x-1}\qquad \left(\frac12\le x\le1\right) $$
となる。
よって第1象限での断面は,
(i) (0\le x\le \dfrac12) のとき
$$ 0\le y\le\frac{1+x^2}{2} $$
(ii) (\dfrac12\le x\le1) のとき
$$ \sqrt{2x-1}\le y\le\frac{1+x^2}{2} $$
である。したがって
$$ A_1= \int_0^{1/2}\frac{1+x^2}{2},dx +\int_{1/2}^{1}\left(\frac{1+x^2}{2}-\sqrt{2x-1}\right),dx $$
となる。
それぞれ計算すると,
$$ \int_0^{1/2}\frac{1+x^2}{2},dx =\left[\frac{x}{2}+\frac{x^3}{6}\right]_0^{1/2} =\frac{13}{48} $$
であり,
$$ \int_{1/2}^{1}\frac{1+x^2}{2},dx =\left[\frac{x}{2}+\frac{x^3}{6}\right]_{1/2}^{1} =\frac{19}{48} $$
また
$$ \int_{1/2}^{1}\sqrt{2x-1},dx =\frac12\int_0^1\sqrt{u},du =\frac13 $$
であるから,
$$ A_1=\frac{13}{48}+\frac{19}{48}-\frac13 =\frac13 $$
となる。
ゆえに求める面積は
$$ 4A_1=4\cdot\frac13=\frac43 $$
である。
解説
この問題の核心は,点 (P,Q) を
$$ P=(p,p),\qquad Q=(q,-q) $$
とおいて条件を (|p|+|q|=1) に落とすことである。これにより,線分 (PQ) 上の点 (R=(x,y)) を表す条件が
$$ \sqrt{|x+y|}+\sqrt{|x-y|}\le\sqrt2 $$
という形に整理できる。
(1) ではこの条件から断面の上端を求め,(2) では対称性を用いて領域全体を不等式で表す。(3) では第1象限に限定して,(x=\dfrac12) を境に積分区間を分ければよい。
見落としやすいのは,第1象限でも (x\ge\dfrac12) になると中央部分が抜けることである。ここを入れ忘れると面積を誤る。
答え
**(1)**
直線 (x=a) と線分 (PQ) の交点の (y) 座標の最大値は
$$ \boxed{\frac{1+a^2}{2}} $$
**(2)**
領域 (S) は
$$ \boxed{ S=\left\{(x,y)\ \middle|\ 2|y|-1\le x^2,\ 2|x|-1\le y^2\right\} } $$
で表される。
**(3)**
領域 (S) の面積は
$$ \boxed{\frac43} $$