基礎問題集
数学2 積分法「面積・接線」の問題63 解説
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解説
方針・初手
共通接線をもつという条件から,接点 $A$ では 2 つの曲線が同じ点を通り,かつ傾きも一致する。
したがって,$x=a$ において
$$ f(a)=g(a), \qquad f'(a)=g'(a) $$
を立てれば,$a,m$ と接線 $\ell$ が決まる。
また,(1) は $g(x)=x^3-x$ の増減と軸との交点を調べれば十分に概形が描ける。(3) は (2) で求まる $f(x)$ を因数分解し,符号で積分区間を分ける。
解法1
**(1)**
$y=g(x)=x^3-x$ のグラフを調べる。
まず,
$$ g(x)=x(x-1)(x+1) $$
より,$x$ 軸との交点は $(-1,0),(0,0),(1,0)$ である。
また,
$$ g(-x)=(-x)^3-(-x)=-(x^3-x)=-g(x) $$
であるから,原点対称のグラフである。
さらに導関数は
$$ g'(x)=3x^2-1 $$
であるから,
$$ g'(x)=0 \iff x=\pm \frac{1}{\sqrt{3}} $$
となる。よって増減は
- $x<-\dfrac{1}{\sqrt{3}}$ で増加
- $-\dfrac{1}{\sqrt{3}}<x<\dfrac{1}{\sqrt{3}}$ で減少
- $x>\dfrac{1}{\sqrt{3}}$ で増加
である。
極値は
$$ \begin{aligned} g\left(-\frac{1}{\sqrt{3}}\right) &= -\frac{1}{3\sqrt{3}}+\frac{1}{\sqrt{3}} \\ \frac{2}{3\sqrt{3}}, \end{aligned} $$
$$ \begin{aligned} g\left(\frac{1}{\sqrt{3}}\right) &= \frac{1}{3\sqrt{3}}-\frac{1}{\sqrt{3}} \\ -\frac{2}{3\sqrt{3}} \end{aligned} $$
より,
$$ \left(-\frac{1}{\sqrt{3}},\frac{2}{3\sqrt{3}}\right) $$
で極大,
$$ \left(\frac{1}{\sqrt{3}},-\frac{2}{3\sqrt{3}}\right) $$
で極小をとる。
したがって,原点対称で,$(-1,0),(0,0),(1,0)$ を通る $S$ 字型の三次曲線である。
(2) 共通接線の条件を用いる。
$f(x)=-x^2+mx-3$ なので,
$$ f'(x)=-2x+m $$
である。接点が $x=a$ であるから,
$$ f'(a)=g'(a) $$
より,
$$ -2a+m=3a^2-1 $$
すなわち
$$ m=3a^2+2a-1 $$
を得る。
また,同じ点 $A$ を通るので,
$$ f(a)=g(a) $$
すなわち
$$ -a^2+ma-3=a^3-a $$
である。ここに $m=3a^2+2a-1$ を代入すると,
$$ -a^2+a(3a^2+2a-1)-3=a^3-a $$
$$ 3a^3+a^2-a-3=a^3-a $$
$$ 2a^3+a^2-3=0 $$
となる。これを因数分解すると,
$$ 2a^3+a^2-3=(a-1)(2a^2+3a+3) $$
である。
ここで,
$$ 2a^2+3a+3 $$
の判別式は
$$ 3^2-4\cdot 2\cdot 3=-15<0 $$
であるから,実数解は $a=1$ のみである。
したがって,
$$ a=1 $$
であり,
$$ m=3\cdot 1^2+2\cdot 1-1=4 $$
となる。
よって
$$ f(x)=-x^2+4x-3 $$
であり,接点 $A$ は
$$ A=(1,f(1))=(1,0) $$
である。
接線の傾きは
$$ f'(1)=-2+4=2 $$
だから,接線 $\ell$ の方程式は
$$ y-0=2(x-1) $$
すなわち
$$ y=2x-2 $$
である。
(3) (2) より
$$ f(x)=-x^2+4x-3=-(x-1)(x-3) $$
である。
したがって,区間 $[0,3]$ では
- $0\le x<1$ で $f(x)<0$
- $1<x\le 3$ で $f(x)>0$
となるから,
$$ \begin{aligned} \int_0^3 |f(x)|,dx &= -\int_0^1 f(x),dx+\int_1^3 f(x),dx \end{aligned} $$
である。
$f(x)$ の原始関数を
$$ F(x)=-\frac{x^3}{3}+2x^2-3x $$
とすると,
$$ \begin{aligned} \int_0^1 f(x),dx &= F(1)-F(0) \\ \left(-\frac{1}{3}+2-3\right)-0 \\ -\frac{4}{3} \end{aligned} $$
より,
$$ -\int_0^1 f(x),dx=\frac{4}{3} $$
である。
また,
$$ \begin{aligned} \int_1^3 f(x),dx &= F(3)-F(1) \\ \left(-9+18-9\right)-\left(-\frac{4}{3}\right) \\ \frac{4}{3} \end{aligned} $$
であるから,
$$ \begin{aligned} \int_0^3 |f(x)|,dx &= \frac{4}{3}+\frac{4}{3} \\ \frac{8}{3} \end{aligned} $$
となる。
解説
この問題の中心は,共通接線の条件を正確に式にすることである。接線が共通である以上,接点での $y$ 座標が一致するだけでなく,導関数の値も一致する。この 2 条件から $a,m$ が一気に定まる。
また,(3) では $m$ を先に確定させないと $f(x)$ の符号が読めない。$f(x)=-(x-1)(x-3)$ と因数分解できれば,絶対値を外すための区間分けはすぐにできる。
答え
**(1)**
$y=x^3-x$ は原点対称で,$(-1,0),(0,0),(1,0)$ を通る三次曲線である。
極大点は
$$ \left(-\frac{1}{\sqrt{3}},\frac{2}{3\sqrt{3}}\right) $$
極小点は
$$ \left(\frac{1}{\sqrt{3}},-\frac{2}{3\sqrt{3}}\right) $$
である。
**(2)**
$$ a=1,\qquad m=4 $$
共通接線 $\ell$ は
$$ y=2x-2 $$
である。
**(3)**
$$ \int_0^3 |f(x)|,dx=\frac{8}{3} $$