基礎問題集
数学2 積分法「面積・接線」の問題69 解説
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解説
方針・初手
放物線を
$$ f(x)=-x^2+2x+1 $$
直線を
$$ g(x)=mx $$
とおく。
すると $A,B$ は $f(x)=0$ の解、$P,Q$ は $f(x)=g(x)$ の解である。 与えられた左右の面積条件を積分で表して整理すると、
$$ \int_a^b {f(x)-g(x)},dx=\int_\alpha^\beta f(x),dx $$
に帰着する。 あとは、下に開く2次関数をその2つの零点の間で積分した面積が、零点間の距離の3乗だけで決まることを使えばよい。
解法1
まず、$A(\alpha,0),B(\beta,0)$ は $x$ 軸との共有点なので、
$$ -x^2+2x+1=0 $$
より
$$ x=1\pm \sqrt{2} $$
である。したがって
$$ \alpha=1-\sqrt{2},\qquad \beta=1+\sqrt{2} $$
であり、
$$ \beta-\alpha=2\sqrt{2} $$
となる。
次に、$P(a,ma),Q(b,mb)$ は放物線 $C$ と直線 $y=mx$ の共有点だから、
$$ -x^2+2x+1=mx $$
すなわち
$$ x^2+(m-2)x-1=0 $$
の2解が $a,b$ である。よって
$$ a+b=2-m,\qquad ab=-1 $$
である。
ここで、左側の面積を $S_1$、右側の面積を $S_2$ とする。
**(i)**
$m>0$ のときは $a<\alpha<0<b<\beta$ となるので、
$$ S_1=\int_a^\alpha {f(x)-g(x)},dx+\int_\alpha^0 {-g(x)},dx $$
$$ S_2=\int_0^b g(x),dx+\int_b^\beta f(x),dx $$
である。したがって $S_1=S_2$ は
$$ \int_a^b {f(x)-g(x)},dx=\int_\alpha^\beta f(x),dx $$
と同値である。
**(ii)**
$m<0$ のときは $\alpha<a<0<\beta<b$ となるので、
$$ S_1=\int_\alpha^a f(x),dx+\int_a^0 g(x),dx $$
$$ S_2=-\int_0^\beta g(x),dx+\int_\beta^b {f(x)-g(x)},dx $$
である。この場合も整理すると、やはり
$$ \int_a^b {f(x)-g(x)},dx=\int_\alpha^\beta f(x),dx $$
を得る。
したがって、面積条件は結局
$$ \int_a^b {f(x)-g(x)},dx=\int_\alpha^\beta f(x),dx $$
である。
ここで
$$ f(x)-g(x)=-x^2+(2-m)x+1=-(x-a)(x-b), $$
$$ f(x)=-(x-\alpha)(x-\beta) $$
である。
一般に、$r<s$ に対して
$$ -(x-r)(x-s)=\left(\frac{s-r}{2}\right)^2-\left(x-\frac{r+s}{2}\right)^2 $$
だから、$d=\dfrac{s-r}{2}$ とおけば
$$ \int_r^s -(x-r)(x-s),dx =\int_{-d}^{d}(d^2-t^2),dt =\frac{4}{3}d^3 =\frac{(s-r)^3}{6} $$
となる。
これを用いると、
$$ \int_a^b {f(x)-g(x)},dx=\frac{(b-a)^3}{6}, \qquad \int_\alpha^\beta f(x),dx=\frac{(\beta-\alpha)^3}{6} $$
であるから、面積条件より
$$ \frac{(b-a)^3}{6}=\frac{(\beta-\alpha)^3}{6} $$
すなわち
$$ b-a=\beta-\alpha=2\sqrt{2} $$
を得る。
一方、$a,b$ は
$$ x^2+(m-2)x-1=0 $$
の2解だから、
$$ b-a=\sqrt{(m-2)^2+4} =\sqrt{m^2-4m+8} $$
である。よって
$$ \sqrt{m^2-4m+8}=2\sqrt{2} $$
より
$$ m^2-4m+8=8 $$
$$ m(m-4)=0 $$
となる。条件 $m\ne 0$ より、
$$ m=4 $$
である。
解説
面積そのものを直接計算しようとすると、$m>0$ と $m<0$ で図形の位置関係が変わるため煩雑になりやすい。
しかし、どちらの場合も最終的には
$$ \int_a^b {f(x)-g(x)},dx=\int_\alpha^\beta f(x),dx $$
にまとまる。ここまで来れば、どちらも「下に開く2次関数を2つの零点の間で積分した面積」であり、面積が零点間距離の3乗に比例することを使うのが本筋である。
この問題の要点は、個々の面積を無理に展開することではなく、面積条件を零点間距離の比較に落とすことである。
答え
$$ m=4 $$