基礎問題集
数学2 積分法「面積・接線」の問題82 解説
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解説
方針・初手
2点 $(0,0),(2,2)$ における接線が同一の直線であるから,その接線はこの2点をともに通る。したがってまず共通接線 $\ell$ を求めると,
$$ \ell:\ y=x $$
である。
そこで $f(x)-x$ を考えると,$x=0,2$ で値も微分係数も $0$ になるので,$0,2$ はともに重解である。このことから $f(x)$ を一気に決定できる。
解法1
**(1)**
$f(x)$ を求める。
$\ell$ は $(0,0)$ と $(2,2)$ を通るので,
$$ \ell:\ y=x $$
である。
ここで
$$ g(x)=f(x)-x $$
とおくと,条件より
$$ g(0)=0,\quad g'(0)=0,\quad g(2)=0,\quad g'(2)=0 $$
が成り立つ。よって $x=0,2$ はともに $g(x)$ の重解であるから,
$$ g(x)=k x^2(x-2)^2 $$
と書ける。
$f(x)$ は4次式で,$x^4$ の係数が $1$ であるから,$g(x)=f(x)-x$ も $x^4$ の係数が $1$ の4次式である。したがって $k=1$ である。
ゆえに
$$ f(x)=x+x^2(x-2)^2 $$
すなわち
$$ f(x)=x^4-4x^3+4x^2+x $$
である。
**(2)**
$\ell$ と平行で,$\ell$ と異なる接線 $\ell'$ を求める。
$\ell$ の傾きは $1$ であるから,$\ell'$ も傾き $1$ をもつ。したがって,$C$ 上で接線の傾きが $1$ になる点を調べればよい。
$$ f(x)=x+x^2(x-2)^2 $$
より,
$$ f'(x)=1+\frac{d}{dx}\left(x^2(x-2)^2\right) $$
であり,
$$ \frac{d}{dx}\left(x^2(x-2)^2\right) =2x(x-2)^2+2x^2(x-2) =2x(x-2){(x-2)+x} =4x(x-1)(x-2) $$
だから,
$$ f'(x)=1+4x(x-1)(x-2) $$
となる。
これが $1$ になるのは
$$ 4x(x-1)(x-2)=0 $$
すなわち
$$ x=0,1,2 $$
である。
$x=0,2$ はもとの接線 $\ell$ に対応するので,$\ell'$ は $x=1$ における接線である。
このとき
$$ f(1)=1+1^2(1-2)^2=2 $$
より接点は $(1,2)$ である。したがって
$$ \ell':\ y-2=1(x-1) $$
すなわち
$$ \ell':\ y=x+1 $$
である。
**(3)**
$\ell'$ と $C$ で囲まれた2つの部分の面積の和を求める。
$\ell'$ と $C$ の交点は
$$ f(x)=x+1 $$
より求まる。
$$ x+x^2(x-2)^2=x+1 $$
すなわち
$$ x^2(x-2)^2=1 $$
である。これを変形すると,
$$ x^2(x-2)^2-1=0 $$
$$ {x(x-2)-1}{x(x-2)+1}=0 $$
となるので,
$$ x^2-2x-1=0 \quad \text{または} \quad x^2-2x+1=0 $$
である。よって
$$ x=1\pm\sqrt{2},\quad x=1 $$
を得る。$x=1$ は接点であり,これによって囲まれた部分が2つに分かれる。
面積の和 $S$ は,区間 $[1-\sqrt2,,1+\sqrt2]$ で $\ell'$ が $C$ の上側にあるので,
$$ S=\int_{1-\sqrt2}^{1+\sqrt2}{(x+1)-f(x)},dx $$
である。
ここで $t=x-1$ とおくと,
$$ x^2(x-2)^2={(x-1)^2-1}^2=(t^2-1)^2 $$
であるから,
$$ (x+1)-f(x) =1-x^2(x-2)^2 =1-(t^2-1)^2 =2t^2-t^4 $$
となる。また積分区間は $t=-\sqrt2$ から $t=\sqrt2$ に移る。よって
$$ S=\int_{-\sqrt2}^{\sqrt2}(2t^2-t^4),dt =2\int_0^{\sqrt2}(2t^2-t^4),dt $$
である。
したがって
$$ \begin{aligned} S &=2\left[\frac{2}{3}t^3-\frac{1}{5}t^5\right]_0^{\sqrt2} \\ &=2\left(\frac{2}{3}\cdot 2\sqrt2-\frac{1}{5}\cdot 4\sqrt2\right) \\ &=2\left(\frac{4\sqrt2}{3}-\frac{4\sqrt2}{5}\right) \\ &=\frac{16\sqrt2}{15} \end{aligned} $$
となる。
解説
この問題の要点は,共通接線が $y=x$ と分かった時点で $f(x)-x$ を考えることである。接点では「曲線と接線が接する」ので,値が一致するだけでなく,差が重解をもつ。したがって $f(x)-x$ は $x=0,2$ を重解にもつ4次式となり,すぐに
$$ f(x)-x=x^2(x-2)^2 $$
と決まる。
(2) では「$\ell$ と平行」という条件が「接線の傾きが $1$」という条件に言い換わるので,$f'(x)=1$ を解けばよい。
(3) では $\ell'$ と $C$ の差が $x=1$ を中心とする偶関数の形になり,積分が対称性で簡単になる。
答え
**(1)**
$$ f(x)=x+x^2(x-2)^2=x^4-4x^3+4x^2+x $$
**(2)**
$$ \ell':\ y=x+1 $$
**(3)**
面積の和は
$$ \frac{16\sqrt2}{15} $$
である。