基礎問題集
数学2 積分法「面積・接線」の問題94 解説
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解説
方針・初手
放物線 $C_1:y=x^2+m^2$ 上の点 $P$ を $P=(t,t^2+m^2)$ とおくと,$C_1$ の接線は簡単に求まる。まずその接線と $C_2:y=x^2$ との交点 $A,B$ を具体的に出す。
次に,$Q=(q,q^2)$ とおいて,放物線 $y=x^2$ とその上の2点を結ぶ弦で囲まれる面積を計算する。これにより $S$ を $q$ の式で表せば,最小値がただちに求まる。
解法1
$P=(t,t^2+m^2)$ とおく。
$C_1:y=x^2+m^2$ の接線の傾きは $2t$ であるから,点 $P$ における接線は
$$ y=2t(x-t)+t^2+m^2=2tx-t^2+m^2 $$
である。
これと $C_2:y=x^2$ との交点の $x$ 座標は
$$ x^2=2tx-t^2+m^2 $$
すなわち
$$ (x-t)^2=m^2 $$
より
$$ x=t-m,\ t+m $$
である。したがって
$$ A=(t-m,(t-m)^2),\quad B=(t+m,(t+m)^2) $$
となる。
ここで $Q$ を $C_2$ 上の $A$ と $B$ の間の点とし,
$$ Q=(q,q^2)\qquad (t-m\le q\le t+m) $$
とおく。
1. 放物線と弦で囲まれる面積
一般に,放物線 $y=x^2$ 上の2点 $(u,u^2),(v,v^2)$ を結ぶ直線の方程式は
$$ y=(u+v)x-uv $$
である。
したがって,その直線と放物線で囲まれる面積は
$$ \int_u^v {(u+v)x-uv-x^2},dx $$
であるが,被積分関数は
$$ (u+v)x-uv-x^2=(x-u)(v-x) $$
と変形できるので,
$$ \int_u^v (x-u)(v-x),dx $$
となる。ここで $x=u+s$ とおくと $0\le s\le v-u$ であり,
$$ \int_0^{v-u} s{(v-u)-s},ds =\frac{(v-u)^3}{6} $$
を得る。
よって,放物線 $y=x^2$ と弦で囲まれる面積は,両端の $x$ 座標の差を $d$ とすると
$$ \frac{d^3}{6} $$
で与えられる。
2. $S$ の式
したがって,
- 直線 $AQ$ と $C_2$ で囲まれる面積は $\displaystyle \frac{(q-(t-m))^3}{6}$
- 直線 $QB$ と $C_2$ で囲まれる面積は $\displaystyle \frac{((t+m)-q)^3}{6}$
であるから,
$$ S=\frac{(q-t+m)^3+(t+m-q)^3}{6} $$
となる。
ここで
$$ a=q-t $$
とおくと $-m\le a\le m$ であり,
$$ S=\frac{(m+a)^3+(m-a)^3}{6} $$
である。展開すると
$$ (m+a)^3+(m-a)^3=2m^3+6ma^2 $$
であるから,
$$ S=\frac{2m^3+6ma^2}{6} =\frac{m^3}{3}+ma^2 $$
を得る。
$m>0$ であるから,$S$ は $a=0$ のとき最小となる。すなわち
$$ q=t $$
のとき最小であり,その最小値は
$$ S_{\min}=\frac{m^3}{3} $$
である。
これは $t$ を含まないので,$P$ のとり方によらない。
解説
この問題の核心は,接線と $C_2$ の交点 $A,B$ の $x$ 座標が $t-m,\ t+m$ となり,間隔が常に $2m$ に固定される点にある。
また,放物線 $y=x^2$ と弦で囲まれる面積が「両端の $x$ 座標の差の3乗」に比例することを使うと,$S$ は左右の長さの3乗和になる。そこで $Q$ を $x=t+a$ とおけば,
$$ S=\frac{m^3}{3}+ma^2 $$
となり,最小値が $a=0$,すなわち $Q$ が $A,B$ のちょうど中間にあるときに達成されることが明確になる。
答え
$P=(t,t^2+m^2)$ とすると,接線と $C_2$ の交点は
$$ A=(t-m,(t-m)^2),\quad B=(t+m,(t+m)^2) $$
である。
$Q=(q,q^2)$ とおくと
$$ S=\frac{(q-t+m)^3+(t+m-q)^3}{6} =\frac{m^3}{3}+m(q-t)^2 $$
となるから,
$$ S_{\min}=\frac{m^3}{3} $$
である。
したがって,$Q$ が $C_2$ 上の $A,B$ の間を動くときの $S$ の最小値は $P$ のとり方によらず,一定であり,
$$ \boxed{\frac{m^3}{3}} $$
である。