基礎問題集
数学2 積分法「面積・接線」の問題96 解説
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解説
方針・初手
交点は $x^3=2x^2-ax$ を解けばよいので,まず
$$ x^3-2x^2+ax=x(x^2-2x+a)=0 $$
を考える。
また,囲まれる部分の面積は 2 曲線の差
$$ f(x)=x^3-(2x^2-ax)=x(x^2-2x+a) $$
の符号を見て積分すれば求まる。交点の並び方は $a$ の符号で変わるので,そこを場合分けするのが初手である。
解法1
(1) 異なる 3 つの交点をもつ条件
交点の $x$ 座標は
$$ x(x^2-2x+a)=0 $$
の解であるから,
$$ x=0,\quad x=1\pm \sqrt{1-a} $$
である。
したがって異なる 3 つの実数解をもつための条件は,
- $x^2-2x+a=0$ が異なる 2 実根をもつこと
- その 2 根が $0$ と一致しないこと
の 2 つである。
前者より
$$ (-2)^2-4a>0 $$
すなわち
$$ a<1 $$
である。
後者について,$x^2-2x+a=0$ が $x=0$ を解にもつのは $a=0$ のときに限る。実際,
$$ a=0 \quad \Longleftrightarrow \quad x^2-2x+a=x(x-2) $$
となり,このとき $x=0$ は重解になる。
よって求める条件は
$$ a<1,\quad a\neq 0 $$
である。
(2) 囲まれる 2 つの部分の面積が等しくなる $a$
(1) より,まず
$$ a<1,\quad a\neq 0 $$
のもとで考える。
交点の $x$ 座標を
$$ 0,\quad 1-\sqrt{1-a},\quad 1+\sqrt{1-a} $$
とする。
(i) $0<a<1$ の場合
このとき
$$ 0<1-\sqrt{1-a}<1+\sqrt{1-a} $$
であり,3 つの交点は左から
$$ 0,\quad 1-\sqrt{1-a},\quad 1+\sqrt{1-a} $$
の順に並ぶ。
$f(x)=x(x^2-2x+a)$ の符号は,この 3 点を境に
- $(0,,1-\sqrt{1-a})$ で正
- $(1-\sqrt{1-a},,1+\sqrt{1-a})$ で負
となる。したがって 2 つの部分の面積が等しいことは
$$ \begin{aligned} \int_0^{,1-\sqrt{1-a}} f(x),dx &= -\int_{,1-\sqrt{1-a}}^{,1+\sqrt{1-a}} f(x),dx \end{aligned} $$
と同値であり,
$$ \int_0^{,1+\sqrt{1-a}} f(x),dx=0 $$
と書ける。
ここで
$$ q=1+\sqrt{1-a} $$
とおくと,$q$ は $x^2-2x+a=0$ の解であるから
$$ a=2q-q^2 $$
を満たす。よって
$$ \begin{aligned} \int_0^q f(x),dx &= \left[\frac{x^4}{4}-\frac{2x^3}{3}+\frac{ax^2}{2}\right]_0^q \\ \frac{q^4}{4}-\frac{2q^3}{3}+\frac{aq^2}{2} \end{aligned} $$
に $a=2q-q^2$ を代入すると,
$$ \begin{aligned} \frac{q^4}{4}-\frac{2q^3}{3}+\frac{(2q-q^2)q^2}{2} &= -\frac{q^4}{4}+\frac{q^3}{3} \\ \frac{q^3(4-3q)}{12} \end{aligned} $$
となる。
これが $0$ になるには $q>0$ より
$$ 4-3q=0 $$
すなわち
$$ q=\frac{4}{3} $$
である。したがって
$$ \begin{aligned} a=2q-q^2 &= 2\cdot \frac{4}{3}-\left(\frac{4}{3}\right)^2 \\ \frac{8}{9} \end{aligned} $$
を得る。
(ii) $a<0$ の場合
このとき
$$ 1-\sqrt{1-a}<0<1+\sqrt{1-a} $$
であり,3 つの交点は左から
$$ 1-\sqrt{1-a},\quad 0,\quad 1+\sqrt{1-a} $$
の順に並ぶ。
このとき $f(x)$ の符号は
- $(1-\sqrt{1-a},,0)$ で正
- $(0,,1+\sqrt{1-a})$ で負
となるから,2 つの部分の面積が等しいなら
$$ \int_{,1-\sqrt{1-a}}^{,1+\sqrt{1-a}} f(x),dx=0 $$
でなければならない。
$s=\sqrt{1-a}$ とおき,$x=1+t$ と変数変換すると,積分区間は $t=-s$ から $t=s$ になり,
$$ f(x)=x(x^2-2x+a)=(1+t)(t^2-s^2) $$
である。したがって
$$ \begin{aligned} \int_{1-s}^{1+s} f(x),dx &= \int_{-s}^{s} (1+t)(t^2-s^2),dt \end{aligned} $$
であるが,右辺は
$$ \int_{-s}^{s} (t^2-s^2),dt + \int_{-s}^{s} t(t^2-s^2),dt $$
と分けられる。後者は奇関数の積分なので $0$,前者は
$$ \begin{aligned} 2\int_0^s (t^2-s^2),dt &= 2\left[\frac{t^3}{3}-s^2t\right]_0^s \\ -\frac{4s^3}{3} \end{aligned} $$
となる。これは $s>0$ より $0$ ではない。
したがって $a<0$ の場合には,2 つの部分の面積が等しくなることはない。
以上より,求める $a$ は
$$ a=\frac{8}{9} $$
のみである。
解説
交点は単に方程式を解けばよいが,面積条件では「3 つの交点の並び方」が本質である。ここを見落として一括で処理すると,絶対値の扱いを誤りやすい。
また,$1\pm \sqrt{1-a}$ という 2 つの根は $x=1$ を中心に対称である。この構造を使うと,$a<0$ の場合に面積が等しくならないことを対称性のある積分で簡潔に示せる。
一方,$0<a<1$ の場合は,面積が等しい条件を 1 つの定積分が $0$ になる条件にまとめるのが要点である。その後は,根 $q$ に対して $a=2q-q^2$ を使えば計算が整理される。
答え
**(1)**
2 曲線 $C_1,\ C_2$ が異なる 3 つの交点をもつ条件は
$$ a<1,\quad a\neq 0 $$
である。
**(2)**
2 つの部分の面積が等しくなるのは
$$ a=\frac{8}{9} $$
のときである。