基礎問題集
数学2 積分法「面積・接線」の問題99 解説
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解説
方針・初手
分配金を売り上げ全体 $16000$ 円で割れば分配率 $a_n$ が出る。そこから累積分配金率 $b_n$ を順に求めれば,ローレンツ曲線の折れ線の頂点が定まる。
あとは,
$$ \begin{aligned} \text{ジニ係数} &= \frac{\text{直線 }y=x\text{ とローレンツ曲線で囲まれる面積}}{\text{直線 }y=x,\ x\text{軸},\ x=1\text{ で囲まれる面積}} \end{aligned} $$
をそのまま使えばよい。分母は一定で
$$ \frac{1}{2} $$
である。
解法1
まず分配 A では
$$ S_1=1000,\quad S_2=3000,\quad S_3=5000,\quad S_4=7000 $$
より,
$$ a_1=\frac{1000}{16000}=\frac{1}{16},\quad a_2=\frac{3000}{16000}=\frac{3}{16},\quad a_3=\frac{5000}{16000}=\frac{5}{16},\quad a_4=\frac{7000}{16000}=\frac{7}{16} $$
である。
したがって累積分配金率は
$$ b_1=a_1=\frac{1}{16} $$
$$ b_2=b_1+a_2=\frac{1}{16}+\frac{3}{16}=\frac{1}{4} $$
$$ b_3=b_2+a_3=\frac{1}{4}+\frac{5}{16}=\frac{9}{16} $$
$$ b_4=1 $$
となる。よって
$$ \text{ア}=\frac{1}{16},\quad \text{イ}=\frac{1}{4},\quad \text{ウ}=\frac{9}{16} $$
である。
ローレンツ曲線の頂点は
$$ (0,0),\ \left(\frac14,\frac1{16}\right),\ \left(\frac12,\frac14\right),\ \left(\frac34,\frac9{16}\right),\ (1,1) $$
である。
この折れ線の下側の面積を台形の和で求めると,
$$ \begin{aligned} \frac14\cdot \frac{0+\frac1{16}}2 +\frac14\cdot \frac{\frac1{16}+\frac14}2 +\frac14\cdot \frac{\frac14+\frac9{16}}2 +\frac14\cdot \frac{\frac9{16}+1}2 &= \frac{1}{128}+\frac{5}{128}+\frac{13}{128}+\frac{25}{128} \\ &= \frac{44}{128} \\ &= \frac{11}{32} \end{aligned} $$
となる。
一方,直線 $y=x$ と $x$ 軸,直線 $x=1$ で囲まれる三角形の面積は
$$
\frac12
$$
であるから,直線 $y=x$ とローレンツ曲線で囲まれる面積は
$$
\frac12-\frac{11}{32}=\frac{5}{32}
$$
である。よって
$$
\text{エ}=\frac{5}{32}
$$
であり,その値を $\frac12$ で割ると
$$
\frac{\frac{5}{32}}{\frac12}=\frac{5}{16}
$$
だから,
$$
\text{オ}=\frac{5}{16}
$$
である。
次に分配 B では
$$
S_1=S_2=S_3=S_4=4000
$$
なので,各人の分配率はすべて $\frac14$ であり,累積分配金率は
$$
b_n=\frac{n}{4}=c_n
$$
となる。したがってローレンツ曲線は直線 $y=x$ そのものであるから,囲まれる面積は $0$,ジニ係数も
$$
\text{カ}=0
$$
である。
分配 C では
$$
S_1=S_2=S_3=0,\quad S_4=16000
$$
であるから,
$$
a_1=a_2=a_3=0,\quad a_4=1
$$
よって
$$
b_1=b_2=b_3=0,\quad b_4=1
$$
となる。ローレンツ曲線は
$$
(0,0),\ \left(\frac14,0\right),\ \left(\frac12,0\right),\ \left(\frac34,0\right),\ (1,1)
$$
を結ぶ折れ線である。
このときローレンツ曲線の下側の面積は最後の台形だけで
$$
\frac14\cdot \frac{0+1}{2}=\frac18
$$
したがって,直線 $y=x$ とローレンツ曲線で囲まれる面積は
$$
\frac12-\frac18=\frac38
$$
よってジニ係数は
$$
\frac{\frac38}{\frac12}=\frac34
$$
である。したがって
$$
\text{キ}=\frac34
$$
となる。
以上より,ジニ係数は不均等の度合いが小さいほど $0$ に近く,不均等の度合いが大きいほど $1$ に近い。別表より
$$
(\text{ク},\text{ケ})=(0,1)
$$
に対応するのは ③ である。
次に,ローレンツ曲線が
$$
y=\frac13x^3+\frac23x^2 \qquad (0\leqq x\leqq 1)
$$
であるとき,ジニ係数は
$$
\frac{\displaystyle \int_0^1\left(x-\left(\frac13x^3+\frac23x^2\right)\right),dx}{\frac12}
$$
で求まる。分子は
$$
\begin{aligned} \int_0^1\left(x-\frac13x^3-\frac23x^2\right),dx &= \left[\frac12x^2-\frac1{12}x^4-\frac29x^3\right]_0^1 \\ &= \frac12-\frac1{12}-\frac29 \\ &= \frac{18-3-8}{36} \\ &= \frac7{36} \end{aligned}
$$
であるから,
$$
\begin{aligned} \text{コ} &= \frac{\frac7{36}}{\frac12} \\ &= \frac7{18} \end{aligned}
$$
となる。
さらに,ローレンツ曲線が
$$
x^2+(y-1)^2=1 \qquad (0\leqq x\leqq 1,\ 0\leqq y\leqq 1)
$$
の表す曲線であるとき,この範囲では
$$
y=1-\sqrt{1-x^2}
$$
である。よってジニ係数は
$$
\frac{\displaystyle \int_0^1\left(x-\left(1-\sqrt{1-x^2}\right)\right),dx}{\frac12}
$$
となる。分子は
$$
\int_0^1 x,dx-\int_0^1 1,dx+\int_0^1 \sqrt{1-x^2},dx
$$
であり,
$$
\int_0^1 x,dx=\frac12,\qquad \int_0^1 1,dx=1,\qquad \int_0^1 \sqrt{1-x^2},dx=\frac{\pi}{4}
$$
だから,
$$
\frac12-1+\frac{\pi}{4}=\frac{\pi}{4}-\frac12
$$
となる。したがってジニ係数は
$$
\begin{aligned} \frac{\frac{\pi}{4}-\frac12}{\frac12} &= \frac{\pi}{2}-1 \end{aligned}
$$
である。よって
$$
\text{サ}=\frac12,\quad \text{シ}=1
$$
となる。
解説
この問題の要点は,ローレンツ曲線の意味を「累積人員率」と「累積分配金率」の対応として正確に捉えることである。
分配が完全に平等ならローレンツ曲線は直線 $y=x$ になり,ジニ係数は $0$ になる。逆に,不平等が極端になるほどローレンツ曲線は下側にふくらみ,$y=x$ との間の面積が大きくなるので,ジニ係数は $1$ に近づく。
また,折れ線で与えられるときは台形の面積,関数で与えられるときは積分で面積を求めれば一貫して処理できる。
答え
$$
\text{ア}=\frac{1}{16},\quad \text{イ}=\frac{1}{4},\quad \text{ウ}=\frac{9}{16},\quad \text{エ}=\frac{5}{32},\quad \text{オ}=\frac{5}{16}
$$
$$
\text{カ}=0,\quad \text{キ}=\frac{3}{4},\quad \text{ク・ケ}=③
$$
$$
\text{コ}=\frac{7}{18},\quad \text{サ}=\frac{1}{2},\quad \text{シ}=1
$$