基礎問題集
数学2 積分法「定積分」の問題11 解説
数学2の積分法「定積分」にある問題11の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
絶対値の中身は
$$ x(x-a)=x^2-ax $$
であり、$0<a<1$ のもとで $x=0,\ a$ を境に符号が変わる。したがって、まず $x(x-a)$ の符号を区間ごとに調べ、$|x(x-a)|$ を場合分けして表すのが基本方針である。
そのうえで、積分は区間 $[0,a]$ と $[a,1]$ に分けて計算し、最後は $a$ の関数として最小値を調べる。
解法1
(1) グラフを調べる。
まず
$$ y=x(x-a)=x^2-ax $$
は上に開く放物線であり、$x=0,\ a$ で $x$ 軸と交わる。
また、$0<a<1$ より
- $0<x<a$ では $x>0,\ x-a<0$ なので $x(x-a)<0$
- $x>a$ では $x>0,\ x-a>0$ なので $x(x-a)>0$
となる。したがって、絶対値をつけた
$$ y=|x(x-a)| $$
は
$$ y= \begin{cases} ax-x^2 & (0\le x\le a) \\ x^2-ax & (a\le x\le 1) \end{cases} $$
である。
よって、$0\le x\le a$ では放物線 $y=x^2-ax$ の $x$ 軸より下の部分を上に折り返した形になり、$a\le x\le 1$ ではそのまま $y=x^2-ax$ となる。
特に、$0\le x\le a$ では頂点は $x=\dfrac a2$ にあり、そのとき
$$ y=\left|\frac a2\left(\frac a2-a\right)\right| =\frac{a^2}{4} $$
である。したがって、グラフは $(0,0)$ から出発し、$\left(\dfrac a2,\dfrac{a^2}{4}\right)$ を通って $(a,0)$ に戻り、その後は $(a,0)$ から右上がりに増加する上に開く放物線の一部である。
**(2)**
$f(a)$ を $a$ の式で表す。
(1) より
$$ f(a)=\int_0^1 |x(x-a)|,dx =\int_0^a (ax-x^2),dx+\int_a^1 (x^2-ax),dx $$
である。
第1項は
$$ \int_0^a (ax-x^2),dx =\left[\frac a2x^2-\frac13x^3\right]_0^a =\frac{a^3}{2}-\frac{a^3}{3} =\frac{a^3}{6} $$
第2項は
$$ \int_a^1 (x^2-ax),dx =\left[\frac13x^3-\frac a2x^2\right]_a^1 =\left(\frac13-\frac a2\right)-\left(\frac13a^3-\frac12a^3\right) =\frac13-\frac a2+\frac{a^3}{6} $$
である。
したがって
$$ f(a)=\frac{a^3}{6}+\left(\frac13-\frac a2+\frac{a^3}{6}\right) =\frac13-\frac a2+\frac{a^3}{3} $$
となる。
**(3)**
$f(a)$ の最小値を求める。
(2) より
$$ f(a)=\frac13-\frac a2+\frac{a^3}{3} \qquad (0<a<1) $$
であるから、微分すると
$$ f'(a)=-\frac12+a^2 $$
となる。
よって
$$ f'(a)=0 \iff a^2=\frac12 \iff a=\frac{1}{\sqrt2} $$
である。ただし $0<a<1$ より、適するのは $a=\dfrac1{\sqrt2}$ のみである。
さらに
$$ f''(a)=2a>0 \qquad (0<a<1) $$
だから、$a=\dfrac1{\sqrt2}$ で極小となり、しかもこの区間内で最小値を与える。
その値は
$$ f\left(\frac1{\sqrt2}\right) =\frac13-\frac{1}{2\sqrt2}+\frac{1}{3}\cdot\frac{1}{2\sqrt2} =\frac13-\frac{1}{3\sqrt2} =\frac{2-\sqrt2}{6} $$
である。
解説
この問題の要点は、絶対値を外すために $x(x-a)$ の符号を正確に見ることである。$0<a<1$ なので、積分区間 $[0,1]$ の中で符号が変わるのは $x=a$ の1か所だけであり、そこで区間を分ければよい。
また、積分後は3次式になるが、最小値は微分して調べれば素直に求まる。グラフを先に描いておくと、$[0,a]$ では折り返し、$[a,1]$ ではそのままという構造が見え、積分の分割が自然に理解できる。
答え
**(1)**
$$ y= \begin{cases} ax-x^2 & (0\le x\le a) \\ x^2-ax & (a\le x\le 1) \end{cases} $$
したがって、$(0,0)$ と $(a,0)$ を結び、$0\le x\le a$ では上にふくらみ、$a\le x\le 1$ では上に開く放物線の一部となる。
**(2)**
$$ f(a)=\frac13-\frac a2+\frac{a^3}{3} $$
**(3)**
$$ f(a)\text{ の最小値}=\frac{2-\sqrt2}{6} $$
そのとき
$$ a=\frac1{\sqrt2} $$
である。