基礎問題集
数学2 積分法「定積分」の問題25 解説
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解説
方針・初手
絶対値の中身 $x^2-a^2$ の符号を調べるのが基本である。
$x\in[0,1]$ に対し、$x^2-a^2=0$ となるのは $x=|a|$ であるから、符号の変化が起こるかどうかは $|a|$ が区間 $[0,1]$ に入るかで決まる。
また、被積分関数は $a^2$ だけで決まるので
$$ I(-a)=I(a) $$
である。したがって、最小値を考えるときは $a\geqq 0$ に限ってよい。
解法1
**(1)**
$a\geqq 1$ のとき
$0\leqq x\leqq 1$ では $x^2\leqq 1\leqq a^2$ であるから、
$$ x^2-a^2\leqq 0 $$
となる。よって
$$ |x^2-a^2|=a^2-x^2 $$
であり、
$$ I(a)=\int_0^1 (a^2-x^2),dx = a^2-\frac13 $$
となる。
**(2)**
$0\leqq a\leqq 1$ のとき
このとき $x=a$ で符号が変わるので、積分を $x=a$ で分ける。
$0\leqq x\leqq a$ では $x^2-a^2\leqq 0$、$a\leqq x\leqq 1$ では $x^2-a^2\geqq 0$ であるから、
$$ I(a)=\int_0^a (a^2-x^2),dx+\int_a^1 (x^2-a^2),dx $$
である。これを計算すると、
$$ \begin{aligned} I(a) &=\left[a^2x-\frac{x^3}{3}\right]_0^a+\left[\frac{x^3}{3}-a^2x\right]_a^1 \\ &=\left(a^3-\frac{a^3}{3}\right)+\left(\frac13-a^2-\frac{a^3}{3}+a^3\right) \\ &=\frac13-a^2+\frac43a^3 \end{aligned} $$
となる。
**(3)**
$I(a)$ の最小値
先に述べたように $I(-a)=I(a)$ であるから、$a\geqq 0$ に限って考えれば十分である。
**(i)**
$0\leqq a\leqq 1$ のとき
(2) の結果より
$$ I(a)=\frac13-a^2+\frac43a^3 $$
である。これを変形すると、
$$ \begin{aligned} I(a)-\frac14 &=\frac13-a^2+\frac43a^3-\frac14 \\ &=\frac{16a^3-12a^2+1}{12} \\ &=\frac{(2a-1)^2(4a+1)}{12} \end{aligned} $$
となる。$0\leqq a\leqq 1$ では $4a+1>0$ であるから、
$$ I(a)\geqq \frac14 $$
であり、等号は $2a-1=0$、すなわち
$$ a=\frac12 $$
のときに成り立つ。
**(ii)**
$a\geqq 1$ のとき
(1) の結果より
$$ I(a)=a^2-\frac13\geqq 1-\frac13=\frac23 $$
である。したがって、この範囲では $\frac14$ より小さくならない。
以上より、実数全体での最小値は
$$ \frac14 $$
であり、これは $a=\pm \frac12$ のときにとる。
解説
この問題の本質は、絶対値をそのまま扱わず、まず $x^2-a^2$ の符号を区間 $[0,1]$ 上で判定することである。
場合分けの境目は $x=|a|$ が区間内に入るかどうかであり、ここを見抜ければ (1) と (2) は機械的に計算できる。
また (3) では、$a$ が実数全体を動くことを見落としやすいが、$I(-a)=I(a)$ であるため $a\geqq 0$ に絞れる。さらに、$0\leqq a\leqq 1$ で得られた式を平方の形を含む形に変形すると、微分を使わずに最小値まで処理できる。
答え
**(1)**
$a\geqq 1$ のとき
$$ I(a)=a^2-\frac13 $$
**(2)**
$0\leqq a\leqq 1$ のとき
$$ I(a)=\frac13-a^2+\frac43a^3 $$
**(3)**
$I(a)$ の最小値は
$$ \frac14 $$
であり、そのとき
$$ a=\pm \frac12 $$
である。