基礎問題集
数学2 積分法「定積分」の問題32 解説
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解説
方針・初手
求める値は
$$ \int_0^1 f(x),dx=\int_0^1\left(\int_0^1 |x^2-t^2|,dt\right)dx $$
である。
ここで $0\le x\le 1,\ 0\le t\le 1$ なので、$|x^2-t^2|$ の符号は $x=t$ を境に変わる。したがって、まず $f(x)$ を $t=x$ で場合分けして求め、そのあと $x$ で積分するのが自然である。
解法1
$0\le x\le 1$ に対して、$0\le t\le x$ では $x^2\ge t^2$、$x\le t\le 1$ では $x^2\le t^2$ である。よって
$$ f(x)=\int_0^x (x^2-t^2),dt+\int_x^1 (t^2-x^2),dt $$
となる。
まず第1項は
$$ \int_0^x (x^2-t^2),dt =x^2\cdot x-\frac{x^3}{3} =\frac{2}{3}x^3 $$
である。
次に第2項は
$$ \int_x^1 (t^2-x^2),dt =\int_x^1 t^2,dt-\int_x^1 x^2,dt =\frac{1-x^3}{3}-x^2(1-x) $$
である。これを整理すると
$$ \int_x^1 (t^2-x^2),dt =\frac{1}{3}-x^2+\frac{2}{3}x^3 $$
となる。
したがって
$$ f(x)=\frac{2}{3}x^3+\left(\frac{1}{3}-x^2+\frac{2}{3}x^3\right) =\frac{1}{3}-x^2+\frac{4}{3}x^3 $$
である。
よって
$$ \int_0^1 f(x),dx =\int_0^1 \left(\frac{1}{3}-x^2+\frac{4}{3}x^3\right)dx $$
$$ =\frac{1}{3}-\frac{1}{3}+\frac{4}{3}\cdot\frac{1}{4} =\frac{1}{3} $$
となる。
解法2
重積分としてまとめて考える。
$$ \int_0^1 f(x),dx =\int_0^1\int_0^1 |x^2-t^2|,dt,dx $$
と書ける。
正方形領域 $0\le x\le 1,\ 0\le t\le 1$ を、直線 $t=x$ で2つの三角形に分ける。$|x^2-t^2|$ は $x$ と $t$ を入れ替えても値が変わらないので、上下2つの三角形での積分値は等しい。したがって
$$ \int_0^1\int_0^1 |x^2-t^2|,dt,dx =2\int_0^1\int_0^x (x^2-t^2),dt,dx $$
となる。
内側を計算すると
$$ \int_0^x (x^2-t^2),dt =\frac{2}{3}x^3 $$
だから
$$ 2\int_0^1\int_0^x (x^2-t^2),dt,dx =2\int_0^1 \frac{2}{3}x^3,dx =\frac{4}{3}\cdot\frac{1}{4} =\frac{1}{3} $$
となる。
解説
この問題の要点は、絶対値の中身 $x^2-t^2$ の符号がどこで変わるかを正確に見ることである。$x,t\ge 0$ なので、$x^2-t^2$ の符号は $x-t$ の符号と一致し、境界は $t=x$ になる。
解法1は定義に忠実で、$f(x)$ を具体式にしてから積分する方法である。解法2は対称性を使う方法で、重積分としてみると計算がかなり簡潔になる。絶対値を含む2変数の積分では、領域を符号で分割して対称性を使う発想が有効である。
答え
$$ \int_0^1 f(x),dx=\frac{1}{3} $$