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数学2 式と証明「二項定理」の問題20 解説
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解説
方針・初手
$1.001^{100}=\left(1+\dfrac{1}{1000}\right)^{100}$ であるから、二項定理で展開して値の範囲を評価する。
下からは展開の初めの数項を足して $1.105$ を超えることを示し、上からは残りの項を等比級数的におさえて $1.106$ 未満であることを示す。
解法1
二項定理より、
$$ \left(1+\frac{1}{1000}\right)^{100} = 1+{}_{100}\mathrm{C}_{1}\frac{1}{1000} +{}_{100}\mathrm{C}_{2}\frac{1}{1000^2} +{}_{100}\mathrm{C}_{3}\frac{1}{1000^3} +\sum_{k=4}^{100}{}_{100}\mathrm{C}_{k}\frac{1}{1000^k} $$
である。
まず、最初の4項を計算すると、
$$ \begin{aligned} 1+\frac{100}{1000}+\frac{{}_{100}\mathrm{C}_{2}}{1000^2}+\frac{{}_{100}\mathrm{C}_{3}}{1000^3} &=1+0.1+\frac{4950}{10^6}+\frac{161700}{10^9} \end{aligned} $$
$$ =1+0.1+0.00495+0.0001617 =1.1051117 $$
となる。したがって、
$$ 1.001^{100}>1.105 $$
である。
次に、上から評価する。$k\geqq 4$ に対して
$$ T_k={}_{100}\mathrm{C}_{k}\frac{1}{1000^k} $$
とおくと、
$$ \begin{aligned} \frac{T_{k+1}}{T_k} &= \frac{{}_{100}\mathrm{C}_{k+1}}{{}_{100}\mathrm{C}_{k}}\cdot \frac{1}{1000}\\ &= \frac{100-k}{k+1}\cdot \frac{1}{1000} \end{aligned} $$
である。ここで $k\geqq 4$ だから
$$ \frac{100-k}{k+1}\cdot \frac{1}{1000} \leqq \frac{96}{5}\cdot \frac{1}{1000} =0.0192 <0.02 $$
となる。よって、第4項以降は公比 $0.02$ 未満の等比級数でおさえられるから、
$$ \begin{aligned} \sum_{k=4}^{100}T_k &< T_4\left(1+0.02+0.02^2+\cdots\right) &=\frac{T_4}{1-0.02} \end{aligned} $$
である。
さらに、
$$ T_4={}_{100}\mathrm{C}_{4}\frac{1}{1000^4} =\frac{3921225}{10^{12}} =0.000003921225 $$
より、
$$ \sum_{k=4}^{100}T_k < \frac{0.000003921225}{0.98} <0.0000041 $$
を得る。
したがって、
$$ 1.001^{100} < 1+0.1+0.00495+0.0001617+0.0000041 =1.1051158 <1.106 $$
である。
以上より、
$$ 1.105<1.001^{100}<1.106 $$
すなわち、
$$ \frac{1105}{1000}\leqq 1.001^{100}<\frac{1106}{1000} $$
となる。
解説
この問題は、$1000\cdot 1.001^{100}$ の整数部分を求める問題である。
二項定理で展開すると、最初の数項だけでかなり精密に近似できる。実際、${}_{100}\mathrm{C}_{2}$ の項まででは $1.10495$ でまだ足りないが、${}_{100}\mathrm{C}_{3}$ の項を加えると $1.105$ を超えることが確定する。
一方、上からの評価では、第4項以降の比が十分小さいことを使うと、残り全体がごく小さいことが分かる。このように「必要なところまで厳密に計算し、残りをまとめて評価する」のが典型的な処理である。
答え
$$ n=1105 $$