基礎問題集
数学2 式と証明「式の値」の問題24 解説
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解説
方針・初手
与式は
$$ \frac{a}{b}+\frac{a}{c}+\frac{b}{c}+\frac{b}{a}+\frac{c}{a}+\frac{c}{b} $$
と書き直せる。これは対称式であるから、分子をまとめて対称式の恒等式
$$ a^2b+a^2c+b^2c+b^2a+c^2a+c^2b=(a+b+c)(ab+bc+ca)-3abc $$
を用いるのが自然である。
解法1
求める値を $S$ とおくと、
$$ S=a\left(\frac{1}{b}+\frac{1}{c}\right)+b\left(\frac{1}{c}+\frac{1}{a}\right)+c\left(\frac{1}{a}+\frac{1}{b}\right) $$
であるから、
$$ S=\frac{a}{b}+\frac{a}{c}+\frac{b}{c}+\frac{b}{a}+\frac{c}{a}+\frac{c}{b} $$
となる。これを通分すると、
$$ S=\frac{a^2b+a^2c+b^2c+b^2a+c^2a+c^2b}{abc} $$
である。
ここで、
$$ a^2b+a^2c+b^2c+b^2a+c^2a+c^2b=(a+b+c)(ab+bc+ca)-3abc $$
が成り立つので、条件 $a+b+c=0$ より
$$ a^2b+a^2c+b^2c+b^2a+c^2a+c^2b=-3abc $$
となる。したがって、
$$ S=\frac{-3abc}{abc}=-3 $$
を得る。
解法2
条件 $a+b+c=0$ より
$$ a+b=-c,\quad b+c=-a,\quad c+a=-b $$
である。
したがって与式は
$$ a\left(\frac{1}{b}+\frac{1}{c}\right) =a\cdot \frac{b+c}{bc} =a\cdot \frac{-a}{bc} =-\frac{a^2}{bc} $$
同様に
$$ b\left(\frac{1}{c}+\frac{1}{a}\right)=-\frac{b^2}{ca},\qquad c\left(\frac{1}{a}+\frac{1}{b}\right)=-\frac{c^2}{ab} $$
であるから、求める値 $S$ は
$$ S=-\left(\frac{a^2}{bc}+\frac{b^2}{ca}+\frac{c^2}{ab}\right) =-\frac{a^3+b^3+c^3}{abc} $$
となる。
ここで $a+b+c=0$ であるから、恒等式
$$ a^3+b^3+c^3-3abc=(a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca) $$
より
$$ a^3+b^3+c^3=3abc $$
である。よって
$$ S=-\frac{3abc}{abc}=-3 $$
となる。
解説
この問題の要点は、与式をそのまま計算しようとせず、対称式として整理することである。
解法1は分子を一つにまとめて基本恒等式を使う方法であり、最も標準的である。解法2は $a+b+c=0$ から $b+c=-a$ などを直接使って各項を変形する方法で、三次式の恒等式につなげる見通しが立てやすい。
いずれの方法でも、条件 $abc\ne 0$ は分母が $0$ にならないことを保証するために必要である。
答え
求める値は
$$ -3 $$
である。