基礎問題集
数学2 式と証明「恒等式」の問題9 解説
数学2の式と証明「恒等式」にある問題9の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
一次式を
$$ A(x)=ax+b,\quad B(x)=cx+d,\quad C(x)=px+q $$
とおいて係数比較を行う。
すると、係数の間に成り立つ関係が $2$ 次元ベクトルに対するコーシー・シュワルツの不等式の等号成立条件になっていることが分かる。そこから $A(x),B(x)$ が共通の一次因子をもつことを示し、最後に $C(x)$ も同じ一次因子をもつことを示せばよい。
解法1
$$ A(x)=ax+b,\quad B(x)=cx+d,\quad C(x)=px+q $$
とおく。ただし、いずれも一次式であるから $a,c,p\neq 0$ である。
仮定より
$$ {A(x)}^2+{B(x)}^2={C(x)}^2 $$
が恒等的に成り立つので、展開して係数を比較すると
$$ (a^2+c^2)x^2+2(ab+cd)x+(b^2+d^2)=p^2x^2+2pqx+q^2 $$
である。したがって
$$ a^2+c^2=p^2,\qquad ab+cd=pq,\qquad b^2+d^2=q^2 $$
を得る。
ここで、前後の式を用いると
$$ (a^2+c^2)(b^2+d^2)=p^2q^2=(ab+cd)^2 $$
となる。
一方、コーシー・シュワルツの不等式より
$$ (ab+cd)^2\leq (a^2+c^2)(b^2+d^2) $$
であるから、上式では等号が成り立っている。よって、ベクトル $(a,c)$ と $(b,d)$ は比例する。すなわち、ある定数 $t$ が存在して
$$ b=ta,\qquad d=tc $$
となる。
したがって
$$ A(x)=ax+b=a(x+t),\qquad B(x)=cx+d=c(x+t) $$
であり、$A(x)$ と $B(x)$ はともに $x+t$ を因子にもつ。
このとき
$$ {A(x)}^2+{B(x)}^2 ={a(x+t)}^2+{c(x+t)}^2 =(a^2+c^2)(x+t)^2 $$
であるから、
$$ {C(x)}^2=(a^2+c^2)(x+t)^2 $$
となる。特に $x=-t$ を代入すると
$$ {C(-t)}^2=0 $$
より
$$ C(-t)=0 $$
である。$C(x)$ は一次式であるから、ある非零定数 $k$ を用いて
$$ C(x)=k(x+t) $$
と書ける。
よって
$$ A(x)=\frac{a}{k}C(x),\qquad B(x)=\frac{c}{k}C(x) $$
となる。したがって、$A(x),B(x)$ はともに $C(x)$ の定数倍であることが示された。
解説
係数比較によって得られる
$$ a^2+c^2=p^2,\qquad ab+cd=pq,\qquad b^2+d^2=q^2 $$
は、そのまま
$$ (ab+cd)^2=(a^2+c^2)(b^2+d^2) $$
を与える。これはコーシー・シュワルツの不等式の等号成立条件そのものであり、ここから $(a,c)$ と $(b,d)$ が比例すると分かるのが核心である。
つまり、$A(x),B(x)$ がまず同じ一次因子をもつことが分かる。その後、元の恒等式から $C(x)^2$ も同じ二乗因子をもつので、$C(x)$ 自身もその一次因子をもつことになり、結論に到達する。
答え
ある定数 $m,n$ が存在して
$$ A(x)=mC(x),\qquad B(x)=nC(x) $$
と表せる。すなわち、$A(x),B(x)$ はともに $C(x)$ の定数倍である。