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数学2 式と証明「恒等式」の問題22 解説
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解説
方針・初手
$f(x)$ の根を複素数まで広げて考える。
$f(x)$ が $f(x^2)$ を割り切るなら、$f(x)$ の根 $\alpha$ に対して $f(\alpha^2)=0$ である。したがって、$f(x)$ の根は「2乗すると再び $f(x)$ の根になる」という性質をもつ。
2次式なので根は高々2個しかない。この制約のもとで、どのような根の組がありうるかを分類すればよい。
解法1
$f(x)$ の根を $\alpha,\beta$ とする。重解の場合も含めてよい。
$f(0)=1$ であるから、$0$ は根ではない。したがって
$$ \alpha\neq 0,\quad \beta\neq 0 $$
である。
また、$f(x)$ が $f(x^2)$ を割り切るので、$f(\alpha)=0$ ならば
$$ f(\alpha^2)=0 $$
であり、$\alpha^2$ も $f(x)$ の根である。同様に $\beta^2$ も $f(x)$ の根である。
よって、根の集合 $\{\alpha,\beta\}$ は「2乗」によって自分自身に移る。
ここで、根は高々2個しかないので、起こりうる場合を分類する。
(i) 固定される場合
ある根 $r$ が
$$ r^2=r $$
を満たすとする。$r\neq 0$ なので
$$ r=1 $$
である。
したがって、固定点は $1$ しかない。
(ii) 1回で固定点 $1$ に入る場合
ある根 $r$ について
$$ r^2=1 $$
ならば
$$ r=\pm 1 $$
である。
したがって、この型で現れうる根は $1,-1$ である。
(iii) 2周期をなす場合
異なる2つの根 $r,s$ が
$$ r^2=s,\quad s^2=r $$
を満たすとする。このとき
$$ r^4=r $$
であり、$r\neq 0$ だから
$$ r^3=1 $$
となる。よって $r$ は3乗して1になる数である。
$r=1$ なら $s=r^2=1$ となって異なる2根にならないので、$r$ は1以外の3乗根である。したがって
$$ r=\omega,\quad s=\omega^2 $$
ただし $\omega^3=1,\ \omega\neq 1$ である。
以上より、根の組は次の3通りしかない。
$$ \{1,1\},\quad \{1,-1\},\quad \{\omega,\omega^2\} $$
それぞれに対応する $f(x)$ を、$f(0)=1$ を用いて求める。
(1) 根が $\{1,1\}$ のとき
$$ f(x)=(x-1)^2=x^2-2x+1 $$
(2) 根が $\{1,-1\}$ のとき
$(x-1)(x+1)=x^2-1$ は定数項が $-1$ なので、$f(0)=1$ を満たすには $-1$ 倍して
$$ f(x)=1-x^2 $$
(3) 根が $\{\omega,\omega^2\}$ のとき
$$ f(x)=(x-\omega)(x-\omega^2)=x^2-(\omega+\omega^2)x+\omega^3 $$
ここで $\omega+\omega^2=-1,\ \omega^3=1$ より
$$ f(x)=x^2+x+1 $$
最後に確認する。
$$ (x^2-2x+1)\ \text{については}\ f(x^2)=x^4-2x^2+1=(x^2-1)^2=(x-1)^2(x+1)^2 $$
であり、$(x-1)^2$ で割り切れる。
$$ 1-x^2\ \text{については}\ f(x^2)=1-x^4=(1-x^2)(1+x^2) $$
であり、$1-x^2$ で割り切れる。
$$ x^2+x+1\ \text{については}\ f(x^2)=x^4+x^2+1=(x^2+x+1)(x^2-x+1) $$
であり、$x^2+x+1$ で割り切れる。
したがって、求めるものはこの3つである。
解法2
$f(0)=1$ より
$$ f(x)=ax^2+bx+1\quad (a\neq 0) $$
とおける。
$f(x)$ が $f(x^2)$ を割り切るので、ある2次式 $g(x)=Ax^2+Bx+C$ が存在して
$$ f(x^2)=f(x)g(x) $$
と書ける。
左辺は
$$ f(x^2)=ax^4+bx^2+1 $$
であるから、
$$ (ax^2+bx+1)(Ax^2+Bx+C)=ax^4+bx^2+1 $$
の係数比較を行う。
展開すると
$$ aA x^4+(aB+bA)x^3+(aC+bB+A)x^2+(bC+B)x+C $$
となるので、
$$ \begin{cases} aA=a\\ aB+bA=0\\ aC+bB+A=b\\ bC+B=0\\ C=1 \end{cases} $$
を得る。
まず $a\neq 0$ なので $A=1$、また $C=1$ である。
したがって
$$ aB+b=0,\qquad b+B=0 $$
より
$$ B=-\frac{b}{a},\qquad B=-b $$
であるから
$$ b(a-1)=0 $$
を得る。
**(i)**
$b=0$ のとき
$x^2$ の係数比較より
$$ a+1=0 $$
だから
$$ a=-1 $$
である。よって
$$ f(x)=1-x^2 $$
**(ii)**
$a=1$ のとき
$x^2$ の係数比較より
$$ a+bB+1=b $$
に $a=1,\ B=-b$ を代入して
$$ 1-b^2+1=b $$
すなわち
$$ b^2+b-2=0 $$
となる。よって
$$ b=1,\ -2 $$
であり、
$$ f(x)=x^2+x+1,\quad x^2-2x+1 $$
以上より、求める2次式は
$$ 1-x^2,\quad x^2+x+1,\quad x^2-2x+1 $$
である。
解説
この問題の本質は、「$f(x)$ の根 $\alpha$ があれば $\alpha^2$ も根になる」という閉じ方にある。
2次式なので根は2個までしかなく、2乗を繰り返してもその2個の中を動くしかない。この制約から、根は結局
$$ 1,\ -1,\ \omega,\ \omega^2 $$
のいずれかに限られる。
係数比較でも解けるが、根の動きに着目する方法の方が見通しがよい。特に $1-x^2$ を落としやすいので、重解 $(x-1)^2$ と $x^2+x+1$ だけで終わらないよう注意が必要である。
答え
$$ f(x)=1-x^2,\quad x^2+x+1,\quad x^2-2x+1 $$
である。