基礎問題集
数学2 式と証明「不等式の証明」の問題28 解説
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解説
方針・初手
与式は平方の形にまとめられる。まず非負であることを直接示し,そのあと平方和に対して Cauchy-Schwarz の不等式を用いて上から 1 で抑えるのが自然である。
解法1
与式を
$$ S=x^2+y^2-2x^2y^2+2xy\sqrt{1-x^2}\sqrt{1-y^2} $$
とおく。
まず,
$$ \begin{aligned} S &=x^2(1-y^2)+y^2(1-x^2)+2xy\sqrt{1-x^2}\sqrt{1-y^2} \\ &=\left(x\sqrt{1-y^2}+y\sqrt{1-x^2}\right)^2 \end{aligned} $$
であるから,
$$ S\geqq 0 $$
が従う。
次に,上からの評価を行う。Cauchy-Schwarz の不等式より,
$$ \left(x\sqrt{1-y^2}+y\sqrt{1-x^2}\right)^2 \leqq (x^2+y^2){(1-y^2)+(1-x^2)} $$
である。したがって,
$$ S\leqq (x^2+y^2)(2-x^2-y^2) $$
となる。
ここで
$$ t=x^2+y^2 $$
とおけば,条件 $|x|\leqq 1,\ |y|\leqq 1$ より $0\leqq t\leqq 2$ であるから,
$$ t(2-t)=1-(t-1)^2\leqq 1 $$
である。よって,
$$ S\leqq 1 $$
が分かる。
以上より,
$$ 0\leqq x^2+y^2-2x^2y^2+2xy\sqrt{1-x^2}\sqrt{1-y^2}\leqq 1 $$
が成り立つ。
解法2
三角関数で置き換える方法でも一気に処理できる。
$|x|\leqq 1,\ |y|\leqq 1$ であるから,
$$ x=\sin \alpha,\qquad y=\sin \beta $$
とおける。ただし $\alpha,\beta\in\left[-\frac{\pi}{2},\frac{\pi}{2}\right]$ とすれば,
$$ \sqrt{1-x^2}=\cos \alpha,\qquad \sqrt{1-y^2}=\cos \beta $$
である。
すると,
$$ \begin{aligned} S &=\sin^2\alpha+\sin^2\beta-2\sin^2\alpha\sin^2\beta +2\sin\alpha\sin\beta\cos\alpha\cos\beta \\ &=(\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta)^2 \\ &=\sin^2(\alpha+\beta) \end{aligned} $$
となる。
したがって,
$$ 0\leqq S=\sin^2(\alpha+\beta)\leqq 1 $$
である。
解説
この問題の本質は,与式を
$$ \left(x\sqrt{1-y^2}+y\sqrt{1-x^2}\right)^2 $$
と見抜くことである。これにより下限 $0$ は直ちに出る。
上限については,この平方の形にしたあとで Cauchy-Schwarz を使うと
$$ S\leqq (x^2+y^2)(2-x^2-y^2) $$
となり,最後は 1 変数 $t=x^2+y^2$ の二次式の最大値に帰着する。
別解として三角関数置換をすると,与式そのものが $\sin^2(\alpha+\beta)$ に一致するため,範囲が直ちに読める。構造を最もきれいに表す解法である。
答え
$$ x^2+y^2-2x^2y^2+2xy\sqrt{1-x^2}\sqrt{1-y^2} =\left(x\sqrt{1-y^2}+y\sqrt{1-x^2}\right)^2 $$
であり,さらに
$$ \left(x\sqrt{1-y^2}+y\sqrt{1-x^2}\right)^2 \leqq (x^2+y^2)(2-x^2-y^2)\leqq 1 $$
だから,
$$ 0\leqq x^2+y^2-2x^2y^2+2xy\sqrt{1-x^2}\sqrt{1-y^2}\leqq 1 $$
が成り立つ。