基礎問題集
数学2 式と証明「不等式の証明」の問題33 解説
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解説
方針・初手
(1) は差の平方の和に直すのが基本である。
(2) は直接扱うよりも、(1) の結果を
- $a^2,\ b^2,\ c^2$
- $ab,\ bc,\ ca$
の2組に対して順に用いると自然に示せる。
解法1
**(1)**
左辺から右辺を引いて整理すると、
$$ 2{(a^2+b^2+c^2)-(ab+bc+ca)} =(a-b)^2+(b-c)^2+(c-a)^2 $$
である。
右辺は平方の和であるから $0$ 以上である。したがって
$$ a^2+b^2+c^2\ge ab+bc+ca $$
が成り立つ。
等号成立は
$$ (a-b)^2=(b-c)^2=(c-a)^2=0 $$
のとき、すなわち
$$ a=b=c $$
のときである。
**(2)**
まず、(1) を $a^2,\ b^2,\ c^2$ に適用すると、
$$ a^4+b^4+c^4\ge a^2b^2+b^2c^2+c^2a^2 $$
を得る。
次に、(1) を $ab,\ bc,\ ca$ に適用すると、
$$ a^2b^2+b^2c^2+c^2a^2\ge ab\cdot bc+bc\cdot ca+ca\cdot ab $$
となる。右辺を整理すると
$$ ab\cdot bc=a b^2 c,\qquad bc\cdot ca=a b c^2,\qquad ca\cdot ab=a^2 b c $$
であるから、
$$ ab\cdot bc+bc\cdot ca+ca\cdot ab =abc(a+b+c) $$
である。
以上より、
$$ a^4+b^4+c^4 \ge a^2b^2+b^2c^2+c^2a^2 \ge abc(a+b+c) $$
となり、
$$ a^4+b^4+c^4\ge abc(a+b+c) $$
が示された。
次に等号成立条件を調べる。
この不等式で等号が成り立つためには、上の2つの不等式がともに等号でなければならない。したがって
$$ a^2=b^2=c^2 $$
かつ
$$ ab=bc=ca $$
が必要である。
ここで、$a^2=b^2=c^2$ より $|a|=|b|=|c|$ である。
さらに $ab=bc$ より
$$ b(a-c)=0 $$
である。もし $b=0$ なら $a^2=b^2=c^2$ から $a=c=0$ となり、結局 $a=b=c=0$ である。
もし $b\neq 0$ なら $a=c$ である。同様にして $a=b,\ b=c$ も従うから、
$$ a=b=c $$
となる。
逆に $a=b=c$ なら明らかに等号は成り立つ。よって (2) の等号成立条件も
$$ a=b=c $$
である。
解説
この問題の要点は、(1) を単独の結果として終わらせず、(2) に再利用することである。
(1) は「3つの数に対する基本不等式」であり、これを $a^2,\ b^2,\ c^2$ に適用すると4次式の比較になり、さらに $ab,\ bc,\ ca$ に適用すると右辺の $abc(a+b+c)$ が現れる。したがって (2) は新しい技巧というより、(1) の反復利用で処理するのが本筋である。
また、等号条件は途中の各段階で等号が同時に成り立つことを確認する必要がある。そこを省くと不十分な答案になりやすい。
答え
**(1)**
$$ a^2+b^2+c^2\ge ab+bc+ca $$
等号成立は
$$ a=b=c $$
のときである。
**(2)**
$$ a^4+b^4+c^4\ge abc(a+b+c) $$
等号成立は
$$ a=b=c $$
のときである。