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数学2 式と証明「多項定理」の問題4 解説

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数学2式と証明多項定理問題4
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数学2 式と証明 多項定理 問題4の問題画像
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解説

方針・初手

(1) は多項定理の一般形である多項定理をそのまま用いればよい。

(2) は (1) の係数に注目する。$(x_1+x_2+\cdots+x_r)^p$ を展開すると、$x_1^p,\dots,x_r^p$ 以外の項は少なくとも2種類以上の文字を含む。その係数がすべて $p$ の倍数であることを示せばよい。

(3) は (2) に $x_1=\cdots=x_r=1$ を代入して得られる合同式を用いる。

解法1

(1) 係数の計算

$(x_1+x_2+\cdots+x_r)^p$ を展開して単項式 $x_1^{p_1}x_2^{p_2}\cdots x_r^{p_r}$ が現れるためには、$p$ 個の因子

$$ (x_1+x_2+\cdots+x_r)(x_1+x_2+\cdots+x_r)\cdots(x_1+x_2+\cdots+x_r) $$

のそれぞれから文字を1つずつ選び、そのうち $x_1$ を $p_1$ 回、$x_2$ を $p_2$ 回、$\cdots$、$x_r$ を $p_r$ 回選べばよい。

その選び方の総数が係数であるから、

$$ \frac{p!}{p_1!p_2!\cdots p_r!} $$

となる。

よって、求める係数は

$$ \frac{p!}{p_1!p_2!\cdots p_r!} $$

である。

(2) $(x_1+x_2+\cdots+x_r)^p-(x_1^p+x_2^p+\cdots+x_r^p)$ が $p$ で割り切れることの証明

(1) より、

$$ (x_1+x_2+\cdots+x_r)^p = \sum_{p_1+\cdots+p_r=p} \frac{p!}{p_1!p_2!\cdots p_r!} x_1^{p_1}x_2^{p_2}\cdots x_r^{p_r} $$

である。

このうち、$x_i^p$ に対応するのは

$$ (p_1,\dots,p_r)=(0,\dots,0,p,0,\dots,0) $$

の場合であり、その係数は

$$ \frac{p!}{p!}=1 $$

である。

したがって、

$$ (x_1+x_2+\cdots+x_r)^p-(x_1^p+x_2^p+\cdots+x_r^p) $$

は、$p_1+\cdots+p_r=p$ を満たし、かつ少なくとも2つの $p_i$ が正であるような項の和になる。

そこでそのような項の係数

$$ \frac{p!}{p_1!p_2!\cdots p_r!} $$

を考える。ここで $0\leqq p_i\leqq p$ であり、しかも少なくとも2つの $p_i$ が正であるから、どの $p_i$ も $p$ そのものにはならない。したがって、正の $p_i$ はすべて

$$ 1\leqq p_i\leqq p-1 $$

を満たす。

ゆえに分母 $p_1!p_2!\cdots p_r!$ は $p$ を因数にもたない。一方、分子 $p!$ は明らかに $p$ を因数にもつ。したがって、

$$ \frac{p!}{p_1!p_2!\cdots p_r!} $$

は $p$ の倍数である。

よって、差

$$ (x_1+x_2+\cdots+x_r)^p-(x_1^p+x_2^p+\cdots+x_r^p) $$

の各項の係数はすべて $p$ の倍数であるから、この式全体も $p$ で割り切れる。

(3) $p\nmid r$ のとき $r^{p-1}-1$ は $p$ で割り切れることの証明

(2) において

$$ x_1=x_2=\cdots=x_r=1 $$

とおく。すると

$$ (x_1+x_2+\cdots+x_r)^p=r^p, \qquad x_1^p+x_2^p+\cdots+x_r^p=r $$

であるから、

$$ r^p-r $$

は $p$ で割り切れる。

すなわち、

$$ r^p-r=r(r^{p-1}-1) $$

は $p$ で割り切れる。

ここで $p$ は素数であり、仮定より $p\nmid r$ である。したがって、素数の性質より

$$ p\mid (r^{p-1}-1) $$

である。

よって、$r^{p-1}-1$ は $p$ で割り切れる。

解説

この問題の中心は、多項定理の一般形である

$$ \frac{p!}{p_1!p_2!\cdots p_r!} $$

という係数である。

(2) では、$x_i^p$ に対応する項だけを取り除くと、残る項はすべて「複数の文字が混ざった項」になる。そのとき係数の分子には $p$ が含まれるが、分母には $p$ が含まれないことが決定的である。ここが見抜ければ一気に進む。

(3) は (2) の応用であり、すべての変数を $1$ にすることで

$$ r^p-r $$

という形を作るのが典型手法である。これによりフェルマーの小定理

$$ r^{p-1}\equiv 1 \pmod p $$

が得られる。

答え

**(1)**

$(x_1+x_2+\cdots+x_r)^p$ における $x_1^{p_1}x_2^{p_2}\cdots x_r^{p_r}$ の係数は

$$ \frac{p!}{p_1!p_2!\cdots p_r!} $$

である。

**(2)**

$$ (x_1+x_2+\cdots+x_r)^p-(x_1^p+x_2^p+\cdots+x_r^p) $$

は $p$ で割り切れる。

**(3)**

$p\nmid r$ のとき、

$$ r^{p-1}-1 $$

は $p$ で割り切れる。すなわち

$$ r^{p-1}\equiv 1 \pmod p $$

である。

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