基礎問題集
数学2 式と証明「多項式の割り算」の問題12 解説
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解説
方針・初手
$(x-1)(x+1)^2$ で割ったときの余りを $R(x)$ とおくと、$\deg R<3$ である。
また、$R(x)$ は $P$ と同じ余りを与えるので、
- $x-1$ で割ったときの余りが $5$
- $(x+1)^2$ で割ったときの余りが $x-8$
という条件をそのまま満たす。
そこで、まず $(x+1)^2$ で割ったときの条件から $R(x)$ の形をおき、次に $x=1$ を代入して定数を決める。
解法1
$(x-1)(x+1)^2$ で割ったときの余りを $R(x)$ とすると、$\deg R<3$ である。
$(x+1)^2$ で割ったときの余りが $x-8$ であるから、$R(x)$ は $x-8$ と $(x+1)^2$ を法として合同である。したがって、ある定数 $a$ を用いて
$$ R(x)=x-8+a(x+1)^2 $$
と書ける。
ここで、$x-1$ で割ったときの余りが $5$ なので
$$ R(1)=5 $$
である。よって
$$ 1-8+a(1+1)^2=5 $$
すなわち
$$ -7+4a=5 $$
より
$$ a=3 $$
となる。
したがって
$$ R(x)=x-8+3(x+1)^2 $$
であり、これを展開すると
$$ R(x)=x-8+3(x^2+2x+1)=3x^2+7x-5 $$
ゆえに、求める余りは
$$ 3x^2+7x-5 $$
である。
解法2
余りを
$$ R(x)=ax^2+bx+c $$
とおく。
$x-1$ で割ったときの余りが $5$ であるから
$$ R(1)=a+b+c=5 $$
である。
また、$(x+1)^2$ で割ったときの余りが $x-8$ であるから、
$$ R(x)-(x-8) $$
は $(x+1)^2$ で割り切れる。よって
$$ R(-1)=-9,\qquad R'(-1)=1 $$
が成り立つ。
まず
$$ R(-1)=a-b+c=-9 $$
また
$$ R'(x)=2ax+b $$
より
$$ R'(-1)=-2a+b=1 $$
を得る。
したがって
$$ \begin{cases} a+b+c=5\\ a-b+c=-9\\ -2a+b=1 \end{cases} $$
これを解くと、上2式の差から
$$ 2b=14 $$
よって
$$ b=7 $$
さらに
$$ -2a+7=1 $$
より
$$ a=3 $$
最後に
$$ 3+7+c=5 $$
より
$$ c=-5 $$
となる。したがって
$$ R(x)=3x^2+7x-5 $$
である。
解説
この問題の要点は、「求める余り」自体を未知の整式としておき、与えられた余りの条件をその整式に移すことである。
特に、$(x+1)^2$ で割った余りが分かっているときは、その差が $(x+1)^2$ の倍数になるという見方が有効である。解法1はその構造を直接使っており、最も自然で計算も短い。
一方、解法2のように $R(-1)$ と $R'(-1)$ を使う見方も、重解をもつ因数に対する典型的な処理として重要である。
答え
求める余りは
$$ 3x^2+7x-5 $$
である。