基礎問題集
数学2 式と証明「多項式の割り算」の問題14 解説
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解説
方針・初手
まず、$1,2,\dots,2N$ を1回シャッフルしたとき、各数 $k$ がどの位置へ移るかを具体的に式で表す。
前半の $1,2,\dots,N$ は偶数番目に、後半の $N+1,N+2,\dots,2N$ は奇数番目に入るので、$f(k)$ は場合分けで簡単に書ける。そこから
$$ f(k)\equiv 2k \pmod{2N+1} $$
が従う。
この合同式を使うと、繰り返しシャッフルしたときの位置も
$$ f^{\circ m}(k)\equiv 2^m k \pmod{2N+1} $$
と表せるので、(1) も (3) もまとめて処理できる。
解法1
(1) 数列 ${1,2,3,4,5,6,7,8}$ を3回シャッフルしたとき
このとき $N=4$ であるから、$2N+1=9$ である。
1回シャッフルで数 $k$ の位置は $f(k)$ であり、後で示す (2) より
$$ f(k)\equiv 2k \pmod{9} $$
が成り立つ。したがって3回シャッフル後の位置は
$$ f^{\circ 3}(k)\equiv 2^3k=8k\equiv -k \pmod{9} $$
である。
ここで $f^{\circ 3}(k)$ は $1,2,\dots,8$ のいずれかであるから、
$$ f^{\circ 3}(k)=9-k $$
となる。
つまり数 $k$ は位置 $9-k$ に来るので、位置 $1,2,\dots,8$ に並ぶ数は順に
$$ 8,7,6,5,4,3,2,1 $$
である。
よって、求める数列は
$$ {8,7,6,5,4,3,2,1} $$
である。
**(2)**
$f(k)-2k$ は $2N+1$ で割り切れることの証明
数列 ${1,2,\dots,2N}$ を
$$ {1,2,\dots,N,\ N+1,N+2,\dots,2N} $$
と見れば、前半が $a_1,a_2,\dots,a_N$、後半が $b_1,b_2,\dots,b_N$ に対応する。したがって1回シャッフルすると
$$ {N+1,1,N+2,2,\dots,2N,N} $$
となる。
よって $1\le k\le N$ のとき、$k$ は偶数番目に入るから
$$ f(k)=2k $$
である。
また、$N+1\le k\le 2N$ のとき、$k=N+i$ とおけば $1\le i\le N$ であり、$k$ は $2i-1$ 番目に入るから
$$ f(k)=2i-1=2(k-N)-1=2k-(2N+1) $$
である。
したがって
$$ f(k)-2k= \begin{cases} 0 & (1\le k\le N),\\ -(2N+1) & (N+1\le k\le 2N). \end{cases} $$
よって、いずれの場合も $f(k)-2k$ は $2N+1$ で割り切れる。
すなわち
$$ f(k)\equiv 2k \pmod{2N+1} $$
が成り立つ。
**(3)**
$N=2^{n-1}$ のとき、$2n$ 回シャッフルすると元にもどることの証明
まず、1回シャッフルで
$$ f(k)\equiv 2k \pmod{2N+1} $$
であるから、$m$ 回シャッフル後の位置を $f^{\circ m}(k)$ と書けば、帰納法により
$$ f^{\circ m}(k)\equiv 2^m k \pmod{2N+1} $$
が成り立つ。
実際、$m=1$ では成立している。$m$ 回で成立するとすると、
$$ f^{\circ(m+1)}(k) =f\bigl(f^{\circ m}(k)\bigr) \equiv 2f^{\circ m}(k) \equiv 2\cdot 2^m k =2^{m+1}k \pmod{2N+1} $$
となるので、すべての $m$ で成り立つ。
ここで $N=2^{n-1}$ だから
$$ 2N+1=2^n+1 $$
である。
したがって、$2n$ 回シャッフル後には
$$ f^{\circ 2n}(k)\equiv 2^{2n}k \pmod{2^n+1} $$
となる。一方、
$$ 2^n\equiv -1 \pmod{2^n+1} $$
であるから、
$$ 2^{2n}=(2^n)^2\equiv (-1)^2=1 \pmod{2^n+1} $$
となる。よって
$$ f^{\circ 2n}(k)\equiv k \pmod{2^n+1} $$
である。
しかも $f^{\circ 2n}(k)$ も $k$ もともに $1,2,\dots,2N(=2^n)$ の範囲にある。$1$ 以上 $2^n$ 以下の整数で、法 $2^n+1$ で合同なものは一致するしかないから、
$$ f^{\circ 2n}(k)=k $$
である。
これはすべての $k=1,2,\dots,2N$ について成り立つので、$2n$ 回シャッフルすると数列全体が
$$ {1,2,3,\dots,2N} $$
にもどる。
解説
この問題の本質は、シャッフルを「並び替え」として見るだけでなく、**各数がどの位置へ移るかという写像 $f$** として捉えることにある。
1回のシャッフルで
$$ f(k)\equiv 2k \pmod{2N+1} $$
が得られると、繰り返しシャッフルは「$2$ を何回か掛けること」と同じ形になり、合同式の問題へ帰着する。
特に (3) では、$N=2^{n-1}$ とおくことで
$$ 2N+1=2^n+1 $$
となり、
$$ 2^n\equiv -1 \pmod{2^n+1} $$
がすぐ使える。この設定があるため、周期がきれいに求まるのである。
答え
**(1)**
$$ {8,7,6,5,4,3,2,1} $$
**(2)**
任意の $1\le k\le 2N$ に対して
$$ f(k)\equiv 2k \pmod{2N+1} $$
したがって
$$ f(k)-2k $$
は $2N+1$ で割り切れる。
**(3)**
$N=2^{n-1}$ のとき、$2n$ 回シャッフル後の位置は
$$ f^{\circ 2n}(k)\equiv 2^{2n}k \equiv k \pmod{2^n+1} $$
となるので、すべての $k$ について元の位置にもどる。よって数列 ${1,2,3,\dots,2N}$ は $2n$ 回シャッフルすると元にもどる。