基礎問題集
数学2 式と証明「多項式の割り算」の問題20 解説
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解説
方針・初手
まず、与えられた整式
$$ x^3+3x^2-14x+6 $$
を
$$ x^2-2x $$
で割って、$X$ と $Y$ の関係を整理する。 すると $X$ を $Y$ と $a$ で表せるので、$X,Y$ がともに有理数であることと、$a$ が無理数であることを組み合わせれば、$Y$ がただちに決まる。最後に
$$ Y=a^2-2a $$
に代入して $a$ を求めればよい。
解法1
(1) まず、整式の割り算を行う。
$$ x^3+3x^2-14x+6 $$
を
$$ x^2-2x $$
で割ると、最初の項は $x$ である。
$$ x(x^2-2x)=x^3-2x^2 $$
したがって差をとると、
$$ (x^3+3x^2-14x+6)-(x^3-2x^2)=5x^2-14x+6 $$
次に、$5x^2$ を打ち消すために $+5$ をとる。
$$ 5(x^2-2x)=5x^2-10x $$
よって余りは
$$ (5x^2-14x+6)-(5x^2-10x)=-4x+6 $$
である。したがって、
$$ x^3+3x^2-14x+6=(x^2-2x)(x+5)+(-4x+6) $$
となる。
よって、商は $x+5$、余りは $-4x+6$ である。
(2) 上の式に $x=a$ を代入すると、
$$ X=(a^2-2a)(a+5)+(-4a+6) $$
すなわち
$$ X=Y(a+5)-4a+6 $$
である。これを整理すると、
$$ X-5Y-6=aY-4a=a(Y-4) $$
を得る。
ここで、$X,Y$ はともに有理数であるから、左辺 $X-5Y-6$ は有理数である。したがって右辺 $a(Y-4)$ も有理数である。
一方、$Y-4$ は有理数である。もし $Y-4\neq 0$ なら、$Y-4$ は 0 でない有理数なので、$a(Y-4)$ が有理数であることから $a$ も有理数になってしまう。これは $a$ が無理数であることに反する。
よって、
$$ Y-4=0 $$
すなわち
$$ Y=4 $$
である。
これを
$$ X=Y(a+5)-4a+6 $$
に代入すると、
$$ X=4(a+5)-4a+6=26 $$
となる。したがって、
$$ X=26,\quad Y=4 $$
である。
**(3)**
$Y=4$ より、
$$ a^2-2a=4 $$
すなわち
$$ a^2-2a-4=0 $$
である。これを解くと、
$$ a=\frac{2\pm\sqrt{4+16}}{2}=\frac{2\pm\sqrt{20}}{2}=1\pm\sqrt{5} $$
となる。
ここで、$\sqrt{5}$ は素数 $5$ の平方根であるから無理数である。また、$a$ は正の無理数であるから、
$$ a=1+\sqrt{5} $$
である。
解説
この問題の核心は、整式の割り算そのものよりも、割り算の結果を $x=a$ に代入して
$$ X-5Y-6=a(Y-4) $$
という形を作ることである。
左辺は $X,Y$ が有理数なので有理数であり、右辺は無理数 $a$ に有理数 $Y-4$ をかけた形である。ここで「0 でない有理数と無理数の積は無理数」という事実を使うと、右辺が有理数になるためには $Y-4=0$ しかない。この発想が決定的である。
答え
**(1)**
商は
$$ x+5 $$
余りは
$$ -4x+6 $$
である。
**(2)**
$$ X=26,\quad Y=4 $$
である。
**(3)**
$$ a=1+\sqrt{5} $$
である。