基礎問題集
数学2 指数対数「対数関数」の問題41 解説
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解説
方針・初手
底が $0<a<1$ であるから,対数関数 $\log_a t$ は単調減少である。したがって,不等式を解くには,まず定義域を確認したうえで対数をはずし,2次不等式に直すのが基本方針である。
そのあと,(1) は解の範囲を求め,(2) はその範囲に入る正の整数がちょうど1個になる条件を調べればよい。
解法1
不等式
$$ 2\log_a(x+a)>\log_a(2x+2) $$
を考える。
まず対数の定義域より
$$ x+a>0,\quad 2x+2>0 $$
でなければならない。
$0<a<1$ であるから $-a>-1$ であり,結局定義域は
$$ x>-a $$
である。
また,$x+a>0$ より
$$ 2\log_a(x+a)=\log_a (x+a)^2 $$
と書ける。したがって不等式は
$$ \log_a (x+a)^2>\log_a(2x+2) $$
となる。
ここで $\log_a t$ は単調減少なので,
$$ (x+a)^2<2x+2 $$
と同値である。これを整理すると
$$ x^2+2ax+a^2-2x-2<0 $$
すなわち
$$ x^2+2(a-1)x+(a^2-2)<0 $$
である。
この2次方程式の解は
$$ x=1-a\pm \sqrt{3-2a} $$
であるから,不等式の解は
$$ 1-a-\sqrt{3-2a}<x<1-a+\sqrt{3-2a} $$
となる。
ここで左端と定義域 $x>-a$ を比べると,
$$ 1-a-\sqrt{3-2a}<-a $$
である。実際,
$$ 1-a-\sqrt{3-2a}<-a \iff 1<\sqrt{3-2a} $$
であり,$0<a<1$ から $3-2a>1$ なので確かに成り立つ。
よって最終的に,不等式 $(A)$ を満たす $x$ の範囲は
$$ -a<x<1-a+\sqrt{3-2a} $$
である。
次に (2) を考える。
正の整数 $x$ は $x\geq 1$ であり,$-a<0$ だから定義域 $x>-a$ は自動的に満たす。したがって,正の整数解の個数は
$$ x<1-a+\sqrt{3-2a} $$
を満たす正の整数の個数に等しい。
正の整数解がただ1つ存在するための条件は,$x=1$ は入るが $x=2$ は入らないことであるから,
$$ 1<1-a+\sqrt{3-2a}\leq 2 $$
である。
まず左側の不等式は
$$ 1<1-a+\sqrt{3-2a} \iff a<\sqrt{3-2a} $$
である。両辺正なので2乗してよく,
$$ a^2<3-2a \iff a^2+2a-3<0 \iff (a+3)(a-1)<0 $$
となる。これは $0<a<1$ で常に成り立つ。
したがって必要なのは右側
$$ 1-a+\sqrt{3-2a}\leq 2 $$
のみである。これを変形すると
$$ \sqrt{3-2a}\leq 1+a $$
であり,両辺正なので2乗して
$$ 3-2a\leq (1+a)^2 $$
$$ 3-2a\leq 1+2a+a^2 $$
$$ a^2+4a-2\geq 0 $$
を得る。
この2次不等式の解は
$$ a\leq -2-\sqrt{6}\quad \text{または}\quad a\geq -2+\sqrt{6} $$
である。ここで $0<a<1$ なので,
$$ a\geq \sqrt{6}-2 $$
となる。
よって求める $a$ の範囲は
$$ \sqrt{6}-2\leq a<1 $$
である。
解説
この問題の核心は,底が $0<a<1$ のとき対数関数が単調減少になる点である。底が $1$ より大きい場合と不等号の向きが逆になるので,そこを取り違えると全体が崩れる。
また,(2) では (1) の結果をそのまま使い,「正の整数がちょうど1個」という条件を「$1$ は入るが $2$ は入らない」と言い換えるのが最短である。
答え
**(1)**
$$ -a<x<1-a+\sqrt{3-2a} $$
**(2)**
$$ \sqrt{6}-2\leq a<1 $$