基礎問題集
数学2 図形と式「円」の問題1 解説
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解説
方針・初手
半径 $1$ の円に内接する正 $10$ 角形を考える。
円周は、各弧の長さが対応する弦の長さより大きいことから、内接多角形の周長より大きい。したがって、正 $10$ 角形の周長を求めれば $\pi$ の下界が得られる。各辺の長さは中心角 $36^\circ$ の弦であるから、結局 $\sin 18^\circ$ を求めればよい。
解法1
半径 $1$ の円に内接する正 $10$ 角形を $A_1A_2\cdots A_{10}$ とする。
各辺 $A_kA_{k+1}$ は中心角 $36^\circ$ に対する弦であるから、その長さは
$$ A_kA_{k+1}=2\sin 18^\circ $$
である。
よって、正 $10$ 角形の周長は
$$ 10\cdot 2\sin 18^\circ=20\sin 18^\circ $$
となる。
一方、円周の長さは $2\pi$ であり、各弧は対応する弦より長いので、
$$ 2\pi > 20\sin 18^\circ $$
すなわち
$$ \pi > 10\sin 18^\circ $$
を得る。
そこで $x=\sin 18^\circ$ とおく。すると $\sin 54^\circ=\cos 36^\circ$ より、
$$ \sin 3\cdot 18^\circ=\cos 2\cdot 18^\circ $$
すなわち
$$ 3x-4x^3=1-2x^2 $$
である。整理すると
$$ 4x^3-2x^2-3x+1=0 $$
となる。これを因数分解すると
$$ (x-1)(4x^2+2x-1)=0 $$
である。
ここで $0<\sin 18^\circ<1$ であるから $x\neq 1$ であり、
$$ 4x^2+2x-1=0 $$
を満たす。したがって
$$ x=\frac{-2+\sqrt{4+16}}{8}=\frac{-1+\sqrt{5}}{4} $$
である。よって
$$ \sin 18^\circ=\frac{\sqrt{5}-1}{4} $$
となるから、
$$ \pi > 10\sin 18^\circ =10\cdot \frac{\sqrt{5}-1}{4} =\frac{5}{2}(\sqrt{5}-1) $$
を得る。
あとはこれが $3.05$ より大きいことを示せばよい。
$$ \left(\frac{111}{50}\right)^2=\frac{12321}{2500}=4.9284<5 $$
より、
$$ \sqrt{5}>\frac{111}{50}=2.22 $$
である。したがって
$$ \frac{5}{2}(\sqrt{5}-1)>\frac{5}{2}(2.22-1)=\frac{5}{2}\cdot 1.22=3.05 $$
となる。
以上より
$$ \pi > 3.05 $$
が示された。
解説
この問題の本質は、円周そのものを直接扱う代わりに、内接正多角形の周長で下から評価することである。正 $10$ 角形を選ぶと、1辺の長さが $2\sin 18^\circ$ と表せるため、$\sin 18^\circ$ の正確な値を求めれば十分になる。
また、$\sin 18^\circ$ は $\sin 54^\circ=\cos 36^\circ$ を使うと、高校数学の三角比の公式だけで導ける。円周率の評価を図形と三角比で結びつける典型的な問題である。
答え
半径 $1$ の円に内接する正 $10$ 角形の周長は $20\sin 18^\circ$ であるから、
$$ 2\pi>20\sin 18^\circ $$
すなわち
$$ \pi>10\sin 18^\circ $$
である。さらに
$$ \sin 18^\circ=\frac{\sqrt{5}-1}{4} $$
より
$$ \pi>\frac{5}{2}(\sqrt{5}-1) $$
となる。ここで $\sqrt{5}>2.22$ であるから
$$ \frac{5}{2}(\sqrt{5}-1)>3.05 $$
よって
$$ \pi>3.05 $$
である。