基礎問題集
数学2 図形と式「距離」の問題8 解説
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解説
方針・初手
線分 $OA$ 上の点を
$$ Q(t,3t)\qquad (0\le t\le 1) $$
とおくと,点 $P(a,b)$ と $Q$ の距離の二乗は
$$ PQ^2=(a-t)^2+(b-3t)^2 $$
である。したがって $d(P)$ は,この式を $0\le t\le 1$ の範囲で最小にしたときの平方根である。
最小値を与える $t$ が区間 $[0,1]$ の内側にあるか,左にはみ出すか,右にはみ出すかで,最近点がそれぞれ線分の内部,点 $O$,点 $A$ になる。
解法1
点 $P(a,b)$ に対して
$$ f(t)=(a-t)^2+(b-3t)^2 $$
とおくと,
$$ \begin{aligned} f(t) &=a^2-2at+t^2+b^2-6bt+9t^2 \\ &=10t^2-2(a+3b)t+a^2+b^2 \end{aligned} $$
である。これは $t$ の2次式であり,頂点は
$$ t=\frac{a+3b}{10} $$
にある。
したがって,$0\le t\le 1$ の範囲での最小値は次の3通りになる。
**(i)**
$a+3b\le 0$ のとき 頂点が区間の左にあるので,最小は $t=0$,すなわち $Q=O$ のときである。よって
$$ d(P)=\sqrt{a^2+b^2} $$
である。
**(ii)**
$0\le a+3b\le 10$ のとき 頂点が区間内にあるので,$t=\dfrac{a+3b}{10}$ のとき最小になる。よって
$$ \begin{aligned} d(P)^2 &=a^2+b^2-\frac{(a+3b)^2}{10} \\ &=\frac{10a^2+10b^2-(a+3b)^2}{10} \\ &=\frac{9a^2-6ab+b^2}{10} \\ &=\frac{(3a-b)^2}{10} \end{aligned} $$
より,
$$ d(P)=\frac{|3a-b|}{\sqrt{10}} $$
である。
**(iii)**
$a+3b\ge 10$ のとき 頂点が区間の右にあるので,最小は $t=1$,すなわち $Q=A(1,3)$ のときである。よって
$$ d(P)=\sqrt{(a-1)^2+(b-3)^2} $$
である。
以上より,$d(P)$ は
$$ d(P)= \begin{cases} \sqrt{a^2+b^2} & (a+3b\le 0),\\[1mm] \dfrac{|3a-b|}{\sqrt{10}} & (0\le a+3b\le 10),\\[2mm] \sqrt{(a-1)^2+(b-3)^2} & (a+3b\ge 10) \end{cases} $$
と表される。
以下,これを用いて各問を処理する。
**(1)**
$P=(5,2)$ のとき
$$ a+3b=5+3\cdot 2=11\ge 10 $$
であるから,最近点は $A$ であり,
$$ d(P)=\sqrt{(5-1)^2+(2-3)^2}=\sqrt{16+1}=\sqrt{17} $$
である。
(2) すでに求めた通り,
$$ d(P)= \begin{cases} \sqrt{a^2+b^2} & (a+3b\le 0),\\[1mm] \dfrac{|3a-b|}{\sqrt{10}} & (0\le a+3b\le 10),\\[2mm] \sqrt{(a-1)^2+(b-3)^2} & (a+3b\ge 10) \end{cases} $$
である。
**(3)**
$P$ は放物線 $y=x^2$ 上にあるから,$P=(x,x^2)$ とおく。
このとき $a=x,\ b=x^2$ であるから,場合分けの条件は $x+3x^2$ によって決まる。
まず,
**(i)**
$x+3x^2\le 0$ のとき
$$ d(P)=\sqrt{x^2+x^4} $$
である。ところが $x+3x^2\le 0$ なら $-\dfrac13\le x\le 0$ であり,
$$ x^2+x^4\le \frac19+\frac1{81}=\frac{10}{81}<10 $$
となるので,$d(P)=\sqrt{10}$ は成り立たない。
次に,
**(ii)**
$0\le x+3x^2\le 10$ のとき
$$ d(P)=\frac{|3x-x^2|}{\sqrt{10}} $$
であるから,
$$ \frac{|3x-x^2|}{\sqrt{10}}=\sqrt{10} $$
すなわち
$$ |3x-x^2|=10 $$
となる。これを解くと,
$$ x^2-3x-10=0 $$
より
$$ x=5,\ -2 $$
を得るが,$x=5$ では $x+3x^2=80>10$ で条件を満たさない。したがってこの場合の解は
$$ x=-2 $$
のみである。
最後に,
**(iii)**
$x+3x^2\ge 10$ のとき
$$ d(P)=\sqrt{(x-1)^2+(x^2-3)^2} $$
であるから,
$$ (x-1)^2+(x^2-3)^2=10 $$
を解けばよい。整理すると
$$ \begin{aligned} x^2-2x+1+x^4-6x^2+9&=10 \\ x^4-5x^2-2x&=0 \\ x(x^3-5x-2)&=0 \\ x(x+2)(x^2-2x-1)&=0 \end{aligned} $$
となるので,
$$ x=0,\ -2,\ 1+\sqrt{2},\ 1-\sqrt{2} $$
を得る。このうち $x+3x^2\ge 10$ を満たすのは
$$ x=-2,\ 1+\sqrt{2} $$
である。
以上より,求める $x$ 座標は
$$ x=-2,\ 1+\sqrt{2} $$
である。
解説
この問題の本質は,「点と線分の距離」は「点と直線の距離」とは限らず,垂線の足が線分の外に出るときは端点までの距離になる,という点にある。
線分 $OA$ 上の点を $Q(t,3t)$ とおいて距離の二乗を2次式にすれば,頂点の位置だけで最近点が $O$,線分内部,$A$ のどこにあるかが一度に判定できる。 (3) では,この場合分けをそのまま放物線 $y=x^2$ に代入して処理するのが自然である。
答え
**(1)**
$$ d(P)=\sqrt{17} $$
**(2)**
$$ d(P)= \begin{cases} \sqrt{a^2+b^2} & (a+3b\le 0),\\[1mm] \dfrac{|3a-b|}{\sqrt{10}} & (0\le a+3b\le 10),\\[2mm] \sqrt{(a-1)^2+(b-3)^2} & (a+3b\ge 10) \end{cases} $$
**(3)**
$$ x=-2,\ 1+\sqrt{2} $$