基礎問題集
数学2 図形と式「線形計画法」の問題4 解説
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解説
方針・初手
方程式 $x^2+ax+b=0$ の実数解を $\alpha,\beta$ とおくと,
$$ a=-(\alpha+\beta),\qquad b=\alpha\beta $$
である。
条件「実数解をもち,すべての解の絶対値が $1$ 以下」は
$$ -1\le \alpha\le 1,\qquad -1\le \beta\le 1 $$
と同値である。したがって,$\alpha,\beta\in[-1,1]$ のもとで $a,b$ がどの範囲を動くかを調べればよい。
解法1
実数解を $\alpha,\beta$ とすると,
$$ x^2+ax+b=(x-\alpha)(x-\beta) $$
より
$$ a=-(\alpha+\beta),\qquad b=\alpha\beta $$
である。
ここで
$$ s=\alpha+\beta $$
とおくと,
$$ a=-s,\qquad b=\alpha\beta $$
となる。
まず,$\alpha,\beta\in[-1,1]$ だから
$$ -2\le s\le 2 $$
すなわち
$$ -2\le a\le 2 $$
である。
次に,和 $s$ を固定して積 $b=\alpha\beta$ の範囲を求める。
$\beta=s-\alpha$ であるから,
$$ b=\alpha(s-\alpha)=-\alpha^2+s\alpha $$
となる。これは $\alpha$ の2次関数であり,下に凸ではなく上に凸であるから,最大値は頂点でとる。
頂点は $\alpha=\dfrac{s}{2}$ であり,このとき $\beta=\dfrac{s}{2}$ である。$-2\le s\le 2$ なので $\dfrac{s}{2}\in[-1,1]$ であり,実際に許される。よって
$$ b_{\max}=\left(\frac{s}{2}\right)^2=\frac{s^2}{4}=\frac{a^2}{4} $$
である。
一方,最小値は区間の端でとる。
**(i)**
$0\le s\le 2$ のとき
$\alpha,\beta\in[-1,1]$ かつ $\alpha+\beta=s$ より,一方が $1$ になるときに積が最小となる。したがって
$$ b_{\min}=1\cdot (s-1)=s-1 $$
である。
$a=-s$ を代入すると,この範囲では $a\in[-2,0]$ であり,
$$ b_{\min}=s-1=-a-1 $$
となる。
**(ii)**
$-2\le s\le 0$ のとき
同様に,一方が $-1$ になるときに積が最小となるから
$$ b_{\min}=(-1)\cdot (s+1)=-s-1 $$
である。
このとき $a=-s\in[0,2]$ であるから,
$$ b_{\min}=a-1 $$
となる。
以上をまとめると,求める領域は
$$ -2\le a\le 2,\qquad |a|-1\le b\le \frac{a^2}{4} $$
で表される。
したがって,$ab$ 平面では
$$ b=\frac{a^2}{4} $$
と
$$ b=|a|-1 $$
にはさまれた閉領域である。
次に,$a+2b$ の最大値・最小値を求める。
領域は閉じており,$a+2b$ は1次式であるから,最大値・最小値は境界でとる。
上側境界 $b=\dfrac{a^2}{4}$ 上
$$ a+2b=a+2\cdot \frac{a^2}{4}=a+\frac{a^2}{2} $$
である。これは上に凸の2次関数であり,$-2\le a\le 2$ で
$$ \min =-\frac12 \quad (a=-1),\qquad \max =4 \quad (a=2) $$
となる。
下側境界 $b=|a|-1$ 上
**(iii)**
$0\le a\le 2$ のとき
$$ a+2b=a+2(a-1)=3a-2 $$
より,
$$ \min=-2 \quad (a=0),\qquad \max=4 \quad (a=2) $$
である。
**(iv)**
$-2\le a\le 0$ のとき
$$ a+2b=a+2(-a-1)=-a-2 $$
より,
$$ \min=-2 \quad (a=0),\qquad \max=0 \quad (a=-2) $$
である。
以上より,全体で
$$ \max(a+2b)=4,\qquad \min(a+2b)=-2 $$
となる。
解説
解の条件が「実数解をもち,しかも各解が $[-1,1]$ に入る」という形なので,係数 $a,b$ を直接いじるよりも,解を $\alpha,\beta$ とおいて
$$ a=-(\alpha+\beta),\qquad b=\alpha\beta $$
と見るのが自然である。
この問題の本質は,$\alpha,\beta\in[-1,1]$ のとき,和と積がどの範囲を動くかを正確に押さえることにある。上側の境界 $b=\dfrac{a^2}{4}$ は重解 $\alpha=\beta$ の場合,下側の境界 $b=|a|-1$ は一方の解が $\pm1$ になる場合に対応している。
答え
**(1)**
条件を満たす点 $(a,b)$ 全体は
$$ -2\le a\le 2,\qquad |a|-1\le b\le \frac{a^2}{4} $$
で表される領域である。すなわち,$ab$ 平面において
$$ b=\frac{a^2}{4} $$
と
$$ b=|a|-1 $$
にはさまれた閉領域である。
**(2)**
$$ \max(a+2b)=4,\qquad \min(a+2b)=-2 $$
である。