基礎問題集
数学2 図形と式「線形計画法」の問題8 解説
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解説
方針・初手
与式
$$ x^2-2x+y^2 $$
は平方完成すると
$$ x^2-2x+y^2=(x-1)^2+y^2-1 $$
となる。したがって、これは点 $(x,y)$ と点 $(1,0)$ との距離の2乗から $1$ を引いたものである。
まず領域 $D$ の形を確認し、そのうえで点 $(1,0)$ から最も近い点と最も遠い点を調べればよい。
解法1
3本の境界線は
$$ x-2y+3=0,\qquad x+y-9=0,\qquad 2x-y=0 $$
である。
それぞれの交点を求める。
$x-2y+3=0$ と $2x-y=0$ の交点は、$y=2x$ を代入して
$$ x-4x+3=0 $$
より
$$ x=1,\quad y=2 $$
である。
$x+y-9=0$ と $2x-y=0$ の交点は、$y=2x$ を代入して
$$ x+2x-9=0 $$
より
$$ x=3,\quad y=6 $$
である。
$x-2y+3=0$ と $x+y-9=0$ の交点は、$y=9-x$ を代入して
$$ x-2(9-x)+3=0 $$
より
$$ 3x-15=0 $$
となるから
$$ x=5,\quad y=4 $$
である。
したがって、領域 $D$ は頂点
$$ (1,2),\ (3,6),\ (5,4) $$
をもつ三角形である。
次に
$$ f(x,y)=x^2-2x+y^2=(x-1)^2+y^2-1 $$
とおく。
最小値
$f(x,y)$ は点 $(1,0)$ からの距離の2乗から $1$ を引いたものであるから、最小値は点 $(1,0)$ に最も近い点でとる。
まず頂点での値を調べると、
$$ f(1,2)=1-2+4=3 $$
$$ f(3,6)=9-6+36=39 $$
$$ f(5,4)=25-10+16=31 $$
である。
さらに各辺上で本当にこれより小さくならないかを確認する。
(i) 辺 $y=2x\ (1\leqq x\leqq 3)$ 上では
$$ f(x,2x)=x^2-2x+4x^2=5x^2-2x $$
であり、
$$ \frac{d}{dx}(5x^2-2x)=10x-2>0\qquad (1\leqq x\leqq 3) $$
だから、この辺上では $x=1$ のとき最小である。よって最小値は $3$ である。
(ii) 辺 $y=\dfrac{x+3}{2}\ (1\leqq x\leqq 5)$ 上では
$$ f\left(x,\frac{x+3}{2}\right) =x^2-2x+\left(\frac{x+3}{2}\right)^2 =\frac54x^2-\frac12x+\frac94 $$
であり、
$$ \frac{d}{dx}\left(\frac54x^2-\frac12x+\frac94\right) =\frac52x-\frac12>0\qquad (1\leqq x\leqq 5) $$
だから、この辺上でも $x=1$ のとき最小であり、その値は $3$ である。
(iii) 辺 $y=9-x\ (3\leqq x\leqq 5)$ 上では
$$ f(x,9-x)=x^2-2x+(9-x)^2=2x^2-20x+81 $$
であり、
$$ \frac{d}{dx}(2x^2-20x+81)=4x-20\leqq 0\qquad (3\leqq x\leqq 5) $$
だから、この辺上での最小値は $x=5$ のとき $31$ である。
以上より、領域 $D$ 全体での最小値は
$$ 3 $$
であり、そのとき
$$ (x,y)=(1,2) $$
である。
最大値
各辺上の式を用いる。
(i) 辺 $y=2x\ (1\leqq x\leqq 3)$ 上では
$$ f(x,2x)=5x^2-2x $$
であり、これは単調増加だから最大は $x=3$ のときで
$$ f(3,6)=39 $$
である。
(ii) 辺 $y=\dfrac{x+3}{2}\ (1\leqq x\leqq 5)$ 上では
$$ f\left(x,\frac{x+3}{2}\right)=\frac54x^2-\frac12x+\frac94 $$
も単調増加だから最大は $x=5$ のときで
$$ f(5,4)=31 $$
である。
(iii) 辺 $y=9-x\ (3\leqq x\leqq 5)$ 上では
$$ f(x,9-x)=2x^2-20x+81 $$
であり、$3\leqq x\leqq 5$ では単調減少だから最大は $x=3$ のときで
$$ f(3,6)=39 $$
である。
したがって、領域 $D$ 全体での最大値は
$$ 39 $$
であり、そのとき
$$ (x,y)=(3,6) $$
である。
解説
平方完成して
$$ x^2-2x+y^2=(x-1)^2+y^2-1 $$
と見るのが本問の要点である。これにより、問題は「領域 $D$ 上で点 $(1,0)$ からの距離が最小・最大となる点を求める問題」に言い換えられる。
ただし、距離の見方だけで結論を急がず、三角形の各辺上で式を1変数にして単調性を確認すると、最大値・最小値を確実に判定できる。特に最小値は、垂線の足が辺の内部に落ちるとは限らないので、辺上での確認が重要である。
答え
最小値は
$$ 3 $$
であり、そのとき
$$ (x,y)=(1,2) $$
である。
最大値は
$$ 39 $$
であり、そのとき
$$ (x,y)=(3,6) $$
である。