基礎問題集
数学2 図形と式「線形計画法」の問題9 解説
数学2の図形と式「線形計画法」にある問題9の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
放物線 $y=-x^2+16$ の接線の傾きは、$x=a$ において $-2a$ である。したがって、点 $A(a,b)$ を通り傾きが $-2a$ の直線は、この放物線の接線と平行な直線になる。
まず (1) では領域 $D,E$ の形を正確に把握する。つぎに (2) では、直線と放物線の交点を求め、両者の差を積分して面積 $S(a,b)$ を出す。最後に (3) では、$E$ の中で $b$ の最小値を調べればよい。
解法1
(1) 領域 $D,E$ の図示
領域 $D$ は
$$ y<-x^2+16 $$
で表されるから、頂点が $(0,16)$ で、下に開く放物線 $y=-x^2+16$ の下側の部分である。境界の放物線そのものは含まない。
領域 $E$ は
$$ |x-1|+|y|\leqq 1 $$
で表される。これは中心が $(1,0)$ のひし形であり、頂点は
$$ (0,0),\ (1,1),\ (2,0),\ (1,-1) $$
である。
実際、
- $x\leqq 1$ では $|x-1|=1-x$ だから $|y|\leqq x$
- $x\geqq 1$ では $|x-1|=x-1$ だから $|y|\leqq 2-x$
となるので、辺は
$$ y=x \quad (0\leqq x\leqq 1),\qquad y=-x+2 \quad (1\leqq x\leqq 2), $$
およびその $x$ 軸対称の2本である。
なお、$E$ の各点は $0\leqq x\leqq 2,\ -1\leqq y\leqq 1$ を満たすが、この範囲では
$$ -y+x^2 \leqq 1+4=5<16 $$
より常に $y<-x^2+16$ であるから、$E\subset D$ である。
(2) 面積 $S(a,b)$ を求める
点 $A(a,b)$ を通り、傾きが $-2a$ の直線を $l$ とすると、
$$ l:\ y-b=-2a(x-a) $$
すなわち
$$ y=-2ax+a^2+b $$
である。
この直線と放物線 $y=-x^2+16$ との交点の $x$ 座標は
$$ -x^2+16=-2ax+a^2+b $$
を解いて求まる。整理すると
$$ x^2-2ax+a^2+b-16=0 $$
すなわち
$$ (x-a)^2=16-b $$
であるから、
$$ x=a\pm \sqrt{16-b} $$
となる。
ここで、$A(a,b)\in D$ だから
$$ b<-a^2+16\leqq 16 $$
より $16-b>0$ であり、確かに2点で交わる。
したがって、求める面積は
$$ S(a,b)=\int_{a-\sqrt{16-b}}^{a+\sqrt{16-b}} \left\{(-x^2+16)-(-2ax+a^2+b)\right\},dx $$
である。
被積分関数を整理すると
$$ (-x^2+16)-(-2ax+a^2+b) =16-b-(x-a)^2 $$
となる。ここで
$$ t=x-a,\qquad r=\sqrt{16-b} $$
とおくと、
$$ S(a,b)=\int_{-r}^{r}(r^2-t^2),dt $$
となるので、
$$ \begin{aligned} S(a,b) &=\left[r^2t-\frac{t^3}{3}\right]_{-r}^{r} \\ &=\left(r^3-\frac{r^3}{3}\right)-\left(-r^3+\frac{r^3}{3}\right) \\ &=\frac{4}{3}r^3 \\ &=\frac{4}{3}(16-b)^{3/2} \end{aligned} $$
よって
$$ S(a,b)=\frac{4}{3}(16-b)^{3/2} $$
である。
**(3)**
$S(a,b)$ の最大値
(2) より、$S(a,b)$ は $b$ のみで決まり、
$$ S(a,b)=\frac{4}{3}(16-b)^{3/2} $$
である。これは $b$ が小さいほど大きい。
したがって、領域 $E$ 内で $b$ が最小となる点を求めればよい。ひし形 $E$ の最下点は
$$ (1,-1) $$
であるから、$b_{\min}=-1$ である。
よって最大値は
$$ S_{\max}=\frac{4}{3}(16-(-1))^{3/2} =\frac{4}{3}\cdot 17^{3/2} =\frac{68\sqrt{17}}{3} $$
である。
解説
この問題の本質は、傾き $-2a$ という条件が「放物線 $y=-x^2+16$ の $x=a$ における接線と平行」であることを見抜く点にある。
そのため、直線と放物線の差が
$$ 16-b-(x-a)^2 $$
という形にまとまり、面積が $a$ に依存せず $b$ のみで決まる。ここまで見えると、(3) は領域 $E$ で $b$ を最小にする点を探すだけになる。
答え
**(1)**
$D$ は放物線 $y=-x^2+16$ の下側の領域であり、境界は含まない。
$E$ は頂点 $(0,0),(1,1),(2,0),(1,-1)$ をもつひし形であり、境界を含む。
**(2)**
$$ S(a,b)=\frac{4}{3}(16-b)^{3/2} $$
**(3)**
$$ \max S(a,b)=\frac{68\sqrt{17}}{3} $$
であり、そのとき $A=(1,-1)$ である。