基礎問題集
数学2 図形と式「線形計画法」の問題11 解説
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解説
方針・初手
まず
$$ u=x-3,\quad v=y-3 $$
とおくと,領域 $D$ は
$$ |u|+|v|\leqq 2 $$
で表される。したがって,$D$ は中心が $(3,3)$,頂点が $(1,3),(3,1),(5,3),(3,5)$ のひし形である。
この図形の頂点を押さえておくと,**線形関数の最大値**,**距離の最大値**,**傾きの範囲**が処理しやすくなる。
解法1
(1) 領域 $D$ の図形
境界は
$$ |x-3|+|y-3|=2 $$
であり,場合分けすると4本の直線
$$ \begin{aligned} x+y&=4,\\ x-y&=2,\\ -x+y&=2,\\ x+y&=8 \end{aligned} $$
からなる。
したがって,領域 $D$ は頂点
$$ (1,3),\ (3,1),\ (5,3),\ (3,5) $$
をもつひし形である。
また,$x$ の範囲ごとに書けば
$$ \begin{cases} 1\leqq x\leqq 3 &\text{のとき } -x+4\leqq y\leqq x+2,\\ 3\leqq x\leqq 5 &\text{のとき } x-2\leqq y\leqq -x+8 \end{cases} $$
である。
**(2)**
$2x+y$ の最大値
$u=x-3,\ v=y-3$ とおくと
$$ 2x+y=2(u+3)+(v+3)=2u+v+9 $$
である。
ここで $|u|+|v|\leqq 2$ より
$$ 2u+v\leqq 2|u|+|v|\leqq 2(|u|+|v|)\leqq 4 $$
となるから,
$$ 2x+y\leqq 13 $$
である。
等号が成り立つには
$$ u=2,\quad v=0 $$
であればよい。したがって
$$ x=5,\quad y=3 $$
のとき最大となる。
よって最大値は
$$ 13 $$
である。
**(3)**
$x^2+y^2-4x-2y$ の最大値
平方完成すると
$$ x^2+y^2-4x-2y=(x-2)^2+(y-1)^2-5 $$
となる。
したがって,これは点 $(x,y)$ と点 $(2,1)$ との距離の2乗から $5$ を引いたものである。ゆえに,この式を最大にするには,点 $(2,1)$ から最も遠い $D$ 上の点を求めればよい。
$D$ はひし形であり,各辺上では $(x-2)^2+(y-1)^2$ は媒介変数について上に凸な2次関数になるので,最大値は頂点で調べれば十分である。
各頂点での値を調べると,
$$ \begin{aligned} (1,3)&:\ 1+9-4-6=0,\\ (3,1)&:\ 9+1-12-2=-4,\\ (5,3)&:\ 25+9-20-6=8,\\ (3,5)&:\ 9+25-12-10=12 \end{aligned} $$
となる。
よって最大値は
$$ 12 $$
であり,そのとき
$$ x=3,\quad y=5 $$
である。
**(4)**
$\dfrac{y-1}{x+2}$ の取り得る値の範囲
まず,領域 $D$ では $1\leqq x\leqq 5$ であるから
$$ x+2>0 $$
である。したがって分母は常に正である。
いま
$$ t=\frac{y-1}{x+2} $$
とおく。
まず,$D$ では $y\geqq 1$ であるから
$$ t\geqq 0 $$
である。実際,点 $(3,1)$ では
$$ t=\frac{1-1}{3+2}=0 $$
となるので,$0$ はとり得る。
次に上限を求める。$x+2>0$ なので,
$$ t\leqq \frac45 $$
は
$$ 5(y-1)\leqq 4(x+2) $$
すなわち
$$ 5y-4x\leqq 13 $$
と同値である。
ここで $5y-4x$ は $x,y$ の一次式であるから,ひし形 $D$ 上での最大値は頂点でとる。各頂点で調べると,
$$ \begin{aligned} (1,3)&:\ 15-4=11,\\ (3,1)&:\ 5-12=-7,\\ (5,3)&:\ 15-20=-5,\\ (3,5)&:\ 25-12=13 \end{aligned} $$
より,確かに
$$ 5y-4x\leqq 13 $$
である。よって
$$ t\leqq \frac45 $$
となる。しかも点 $(3,5)$ では
$$ t=\frac{5-1}{3+2}=\frac45 $$
となるので,$\dfrac45$ もとり得る。
さらに,線分 $x=3$ 上では $1\leqq y\leqq 5$ だから,
$$ t=\frac{y-1}{5} $$
は $0$ から $\dfrac45$ までのすべての値をとる。
したがって,求める範囲は
$$ 0\leqq \frac{y-1}{x+2}\leqq \frac45 $$
である。
解説
この問題の要点は,領域
$$ |x-3|+|y-3|\leqq 2 $$
を,中心 $(3,3)$ のひし形として正確に把握することである。
(2) は一次式の最大値なので,頂点で極値をとることを使ってもよいし,平行移動して
$$ |u|+|v|\leqq 2 $$
の形に直して評価してもよい。
(3) は平方完成して「ある点からの距離の2乗」に直すのが基本である。式変形だけでなく,図形的意味を読むことが重要である。
(4) は比の問題であるが,$\dfrac{y-1}{x+2}$ を「点 $(-2,1)$ と $(x,y)$ を結ぶ直線の傾き」と見ると見通しがよい。下限・上限を与える直線を押さえると,範囲が自然に決まる。
答え
**(1)**
領域 $D$ は頂点
$$ (1,3),\ (3,1),\ (5,3),\ (3,5) $$
をもつひし形である。
**(2)**
$2x+y$ の最大値は
$$ 13 $$
であり,そのとき
$$ (x,y)=(5,3) $$
である。
**(3)**
$x^2+y^2-4x-2y$ の最大値は
$$ 12 $$
であり,そのとき
$$ (x,y)=(3,5) $$
である。
**(4)**
$$ 0\leqq \frac{y-1}{x+2}\leqq \frac45 $$
である。