基礎問題集
数学2 図形と式「領域」の問題8 解説
数学2の図形と式「領域」にある問題8の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
$\cos\theta$ の値だけが式に現れているので、$t=\cos\theta$ とおくと $-1\le t\le 1$ である。
すると直線の式は
$$ y=2tx+2t^2-2 $$
となる。したがって、$x$ を固定したときに点 $(x,y)$ がこの直線群のどれかに乗るための条件は、$-1\le t\le 1$ を動かしたときの
$$ y=2t^2+2xt-2 $$
の値の範囲を求めればよい。
解法1
$t=\cos\theta$ とおくと、求める直線群は
$$ y=2tx+2t^2-2 \qquad (-1\le t\le 1) $$
である。
ここで $x$ を固定し、
$$ f(t)=2t^2+2xt-2 $$
とおく。すると、求める範囲は各 $x$ に対して $y=f(t)$ の取りうる値の範囲である。
$f(t)$ は $t$ について上に凸の二次関数であるから、最大値は区間 $[-1,1]$ の端点でとる。
$$ f(1)=2x,\qquad f(-1)=-2x $$
よって最大値は
$$ \max f(t)=2|x| $$
である。
次に最小値を調べる。頂点は
$$ f'(t)=4t+2x=0 $$
より
$$ t=-\frac{x}{2} $$
である。
(i) $-2\le x\le 2$ のとき
このとき $-\dfrac{x}{2}\in[-1,1]$ であるから、最小値は頂点でとる。
$$ f\left(-\frac{x}{2}\right) =2\left(\frac{x^2}{4}\right)+2x\left(-\frac{x}{2}\right)-2 =-\frac{x^2}{2}-2 $$
したがって
$$ -\frac{x^2}{2}-2\le y\le 2|x| $$
である。
(ii) $x>2$ のとき
このとき頂点は区間の左外にあるので、$[-1,1]$ 上では単調増加であり、最小値は $t=-1$ のときである。
$$ f(-1)=-2x $$
よって
$$ -2x\le y\le 2x $$
である。
(iii) $x<-2$ のとき
このとき頂点は区間の右外にあるので、$[-1,1]$ 上では単調減少であり、最小値は $t=1$ のときである。
$$ f(1)=2x $$
よって
$$ 2x\le y\le -2x $$
である。
以上より、直線の通りうる範囲は
$$ \begin{cases} 2x\le y\le -2x & (x\le -2),\\[1mm] -\dfrac{x^2}{2}-2\le y\le 2|x| & (-2\le x\le 2),\\[1mm] -2x\le y\le 2x & (x\ge 2) \end{cases} $$
である。
下側の境界は
$$ y= \begin{cases} 2x & (x\le -2),\\[1mm] -\dfrac{x^2}{2}-2 & (-2\le x\le 2),\\[1mm] -2x & (x\ge 2) \end{cases} $$
であり、上側の境界は
$$ y=2|x| $$
である。
解法2
包絡線を用いて下側の境界を求めることもできる。
直線群を
$$ F(x,y,t)=y-2tx-2t^2+2=0 $$
とおく。包絡線は
$$ F=0,\qquad \frac{\partial F}{\partial t}=0 $$
を連立して求められる。
$$ \frac{\partial F}{\partial t}=-2x-4t=0 $$
より
$$ t=-\frac{x}{2} $$
である。これを $F=0$ に代入すると
$$ y=2\left(-\frac{x}{2}\right)x+2\left(\frac{x^2}{4}\right)-2 =-\frac{x^2}{2}-2 $$
を得る。ただし $-1\le t\le 1$ より
$$ -1\le -\frac{x}{2}\le 1 $$
すなわち
$$ -2\le x\le 2 $$
である。したがって、中央部分の下側境界は
$$ y=-\frac{x^2}{2}-2 \qquad (-2\le x\le 2) $$
である。
一方、$|x|>2$ ではこの包絡線に対応する $t$ が存在しないので、下側境界は端の直線 $t=\pm1$、すなわち
$$ y=2x,\qquad y=-2x $$
の該当部分になる。
また上側境界も端の直線 $t=\pm1$ から生じ、
$$ y=2|x| $$
となる。
よって解法1と同じ範囲を得る。
解説
この問題の要点は、「直線群の通過範囲」を各 $x$ における $y$ の最大値・最小値として捉えることである。
$t=\cos\theta$ と置けば、問題は $-1\le t\le 1$ の範囲で二次関数 $2t^2+2xt-2$ の値域を求める問題になる。上に凸であるため、最大値は端点、最小値は頂点または端点で決まる。
下側境界の中央部分が放物線になり、外側では直線になる点が見落としやすい。特に、包絡線 $y=-\dfrac{x^2}{2}-2$ は $|x|\le 2$ の範囲でしか有効でないことに注意が必要である。
図示すると、上側は $y=2|x|$ の $V$ 字型、下側は中央が放物線、左右が直線 $y=\pm2x$ でつながった対称な図形になる。
答え
直線
$$ y=2(\cos\theta)x+\cos2\theta-1 $$
の通りうる範囲は
$$ \begin{cases} 2x\le y\le -2x & (x\le -2),\\[1mm] -\dfrac{x^2}{2}-2\le y\le 2|x| & (-2\le x\le 2),\\[1mm] -2x\le y\le 2x & (x\ge 2) \end{cases} $$
である。
境界は上側が
$$ y=2|x| $$
下側が
$$ y= \begin{cases} 2x & (x\le -2),\\[1mm] -\dfrac{x^2}{2}-2 & (-2\le x\le 2),\\[1mm] -2x & (x\ge 2) \end{cases} $$
である。図は $y$ 軸対称で、上が $V$ 字、下が中央で放物線、左右で直線となる領域である。