基礎問題集
数学2 図形と式「領域」の問題13 解説
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解説
方針・初手
交点の $x$ 座標 $x_1,x_2$ は,放物線 $A,B$ の連立から得られる二次方程式の解である。したがって,$x_1+x_2,\ x_1x_2,\ x_1-x_2$ を $a,b$ で表せる。
そのうえで,
- (1) は $x_1-x_2=2$ をそのまま使う。
- (2) はその条件下で直線 $PQ$ の方程式を求め,媒介変数 $a$ を消去する。
- (3) は $|PQ|=2$ を $a,b$ に直し,中点の $y$ 座標を 1 変数関数にして最小値を求める。
解法1
放物線 $A:y=x^2$ と $B:y=-(x-a)^2+b$ の交点の $x$ 座標は
$$ x^2=-(x-a)^2+b $$
より
$$ x^2=-x^2+2ax-a^2+b $$
すなわち
$$ 2x^2-2ax+a^2-b=0 $$
の 2 解である。よって,解と係数の関係から
$$ x_1+x_2=a,\qquad x_1x_2=\frac{a^2-b}{2} $$
である。
したがって
$$ (x_1-x_2)^2=(x_1+x_2)^2-4x_1x_2 =a^2-2(a^2-b)=2b-a^2 $$
を得る。
(1) $x_1-x_2=2$ のとき
上式に代入すると
$$ 4=2b-a^2 $$
より
$$ b=\frac{a^2+4}{2}=\frac{a^2}{2}+2 $$
である。
(2) $x_1-x_2=2$ を満たしながら $a,b$ が変化するとき
(1) より
$$ b=\frac{a^2}{2}+2 $$
であるから,交点の $x$ 座標は
$$ x^2-ax+\frac{a^2-b}{2}=0 $$
すなわち
$$ x^2-ax+\left(\frac{a^2}{4}-1\right)=0 $$
の 2 解である。判別式は $4$ なので,
$$ x_1=\frac{a+2}{2}=\frac{a}{2}+1,\qquad x_2=\frac{a-2}{2}=\frac{a}{2}-1 $$
となる。
したがって
$$ y_1=x_1^2,\qquad y_2=x_2^2 $$
であり,直線 $PQ$ の傾きは
$$ \frac{y_1-y_2}{x_1-x_2} =\frac{x_1^2-x_2^2}{x_1-x_2} =x_1+x_2 =a $$
である。
また,直線 $PQ$ は放物線 $y=x^2$ 上の 2 点 $(x_1,x_1^2),\ (x_2,x_2^2)$ を結ぶ弦であるから,その方程式は
$$ y=(x_1+x_2)x-x_1x_2 $$
であり,
$$ y=ax-\left(\frac{a^2}{4}-1\right) =ax-\frac{a^2}{4}+1 $$
となる。
ここで,点 $(x,y)$ がこの直線群のどれか 1 本上にあるための条件は,ある実数 $a$ が存在して
$$ y=ax-\frac{a^2}{4}+1 $$
を満たすことである。これを $a$ について整理すると
$$ a^2-4xa+4(y-1)=0 $$
となる。実数解 $a$ が存在するための必要十分条件は判別式が $0$ 以上であることであるから,
$$ (-4x)^2-4\cdot 1\cdot 4(y-1)\geqq 0 $$
すなわち
$$ 16x^2-16(y-1)\geqq 0 $$
より
$$ y\leqq x^2+1 $$
である。
また,$y=x^2+1$ 上の点については $a=2x$ とすれば実際に対応する直線が存在するので,境界も含まれる。
したがって,直線 $PQ$ の通過する領域は
$$ y\leqq x^2+1 $$
である。図示すると,上に開く放物線 $y=x^2+1$ の内部およびその境界である。
(3) $|PQ|=2$ を満たしながら $a,b$ が変化するとき
まず,中点を $M$ とすると,その $y$ 座標は
$$ \frac{y_1+y_2}{2} =\frac{x_1^2+x_2^2}{2} $$
である。一方,
$$ b=a^2-2x_1x_2=(x_1+x_2)^2-2x_1x_2=x_1^2+x_2^2 $$
より
$$ Mのy座標=\frac{b}{2} $$
となる。
次に,$|PQ|=2$ を式に直す。$P,Q$ は放物線 $y=x^2$ 上にあるから,
$$ |PQ|^2=(x_1-x_2)^2+(y_1-y_2)^2 $$
であり,
$$ y_1-y_2=x_1^2-x_2^2=(x_1-x_2)(x_1+x_2) $$
だから
$$ |PQ|^2=(x_1-x_2)^2{1+(x_1+x_2)^2} $$
となる。ここで
$$ x_1+x_2=a,\qquad (x_1-x_2)^2=2b-a^2 $$
であるから,
$$ 4=(2b-a^2)(1+a^2) $$
を得る。よって
$$ 2b-a^2=\frac{4}{1+a^2} $$
すなわち
$$ b=\frac{1}{2}\left(a^2+\frac{4}{1+a^2}\right) $$
である。
したがって,中点の $y$ 座標を $Y$ とすると
$$ Y=\frac{b}{2} =\frac{a^2}{4}+\frac{1}{1+a^2} $$
となる。ここで $t=a^2\ (\geqq 0)$ とおくと
$$ Y=\frac{t}{4}+\frac{1}{1+t} $$
である。これを最小化する。
$$ \frac{dY}{dt}=\frac{1}{4}-\frac{1}{(1+t)^2} $$
より,
$$ \frac{dY}{dt}=0 \iff (1+t)^2=4 \iff t=1 $$
である。したがって最小値は
$$ Y=\frac{1}{4}+\frac{1}{2}=\frac{3}{4} $$
となる。
解説
この問題の中心は,交点の $x$ 座標 $x_1,x_2$ を二次方程式の解として扱うことである。すると
$$ x_1+x_2=a,\qquad (x_1-x_2)^2=2b-a^2 $$
が得られ,条件が非常に扱いやすくなる。
(2) では,直線群
$$ y=ax-\frac{a^2}{4}+1 $$
を得たあと,点 $(x,y)$ を固定して「その点を通る直線が存在する条件」を判別式で処理するのが典型である。領域問題で媒介変数を消去するときの基本手法である。
(3) では,中点の $y$ 座標が $\dfrac{b}{2}$ に一致することに気づけると整理が一気に進む。距離条件を $a,b$ に直して 1 変数関数の最小化に落とすのが自然である。
答え
**(1)**
$$ b=\frac{a^2}{2}+2 $$
**(2)**
直線 $PQ$ の通過する領域は
$$ y\leqq x^2+1 $$
である。
境界は放物線 $y=x^2+1$ であり,その下側の領域を含む。
**(3)**
線分 $PQ$ の中点の $y$ 座標の最小値は
$$ \frac{3}{4} $$
である。