基礎問題集
数学2 図形と式「領域」の問題29 解説
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解説
方針・初手
まず
$$ x^2-6x-y^2+5\leqq 0 $$
を変形すると
$$ (x-3)^2-y^2\leqq 4 $$
となる。したがって,領域 $D$ は双曲線
$$ (x-3)^2-y^2=4 $$
の内側であり,さらに直線
$$ x+y=5 $$
の下側にある部分である。
また,
$$ x^2+y^2-2ax-2y+a^2=0 $$
は
$$ (x-a)^2+(y-1)^2=1 $$
と書けるので,中心 $(a,1)$,半径 $1$ の円である。 したがって,この円が $D$ と交わるための $a$ の範囲を調べればよい。
解法1
まず $D$ の形を整理する。
双曲線の頂点は $(1,0),(5,0)$ であり,直線 $x+y=5$ は点 $(5,0)$ を通る。 よって,$D$ は「双曲線の内側」を,$y\geqq 0$ では直線 $x+y=5$ で切った領域になる。
実際,$0\leqq y\leqq 2$ の範囲では
$$ x^2-6x-y^2+5\leqq 0 $$
より
$$ 3-\sqrt{y^2+4}\leqq x\leqq 3+\sqrt{y^2+4} $$
であり,さらに $x+y\leqq 5$ より
$$ x\leqq 5-y $$
である。 このとき $0\leqq y\leqq 2$ では
$$ 3+\sqrt{y^2+4}\geqq 5-y $$
が成り立つので,$D$ の横切りは
$$ 3-\sqrt{y^2+4}\leqq x\leqq 5-y $$
となる。
次に,円
$$ (x-a)^2+(y-1)^2=1 $$
上の点では
$$ (x-a)^2=1-(y-1)^2=2y-y^2 $$
だから,必ず
$$ 0\leqq y\leqq 2 $$
であり,
$$ x=a\pm \sqrt{2y-y^2} $$
と書ける。
したがって,ある $y\in[0,2]$ に対して,この円が $D$ と交わるための必要十分条件は
$$ 3-\sqrt{y^2+4}\leqq a+\sqrt{2y-y^2}, \qquad a-\sqrt{2y-y^2}\leqq 5-y $$
である。すなわち
$$ 3-\sqrt{y^2+4}-\sqrt{2y-y^2} \leqq a \leqq 5-y+\sqrt{2y-y^2} $$
となる。
よって,$a$ の最大値・最小値は
$$ f(y)=5-y+\sqrt{2y-y^2}, \qquad g(y)=3-\sqrt{y^2+4}-\sqrt{2y-y^2} $$
のそれぞれの最大値・最小値に一致する。
(1) 最大値
$t=1-y$ とおくと,$-1\leqq t\leqq 1$ で
$$ f(y)=4+t+\sqrt{1-t^2} $$
となる。
ここで
$$ \left(t+\sqrt{1-t^2}\right)^2 =1+2t\sqrt{1-t^2}\leqq 2 $$
より
$$ t+\sqrt{1-t^2}\leqq \sqrt{2} $$
である。したがって
$$ f(y)\leqq 4+\sqrt{2}. $$
等号は
$$ t=\sqrt{1-t^2}=\frac{1}{\sqrt{2}} $$
すなわち
$$ y=1-\frac{1}{\sqrt{2}} $$
のとき成り立つ。よって
$$ a_{\max}=4+\sqrt{2}. $$
(2) 最小値
$g(y)$ の最小値は
$$ h(y)=\sqrt{y^2+4}+\sqrt{2y-y^2} $$
の最大値を求めればよい。すなわち
$$ g(y)=3-h(y) $$
である。
まず
$$ h'(y)=\frac{y}{\sqrt{y^2+4}}+\frac{1-y}{\sqrt{2y-y^2}} $$
である。
さらに
$$ h''(y)=\frac{4}{(y^2+4)^{3/2}}-\frac{1}{{y(2-y)}^{3/2}} $$
であるが,$0<y<2$ では $y(2-y)\leqq 1$ より
$$ \frac{4}{(y^2+4)^{3/2}}\leqq \frac{4}{4^{3/2}}=\frac12, \qquad \frac{1}{{y(2-y)}^{3/2}}\geqq 1 $$
だから
$$ h''(y)<0 $$
である。よって $h(y)$ は $[0,2]$ で上に凸ではなく,正確には**下に凸でなく上に凹**,すなわち極大点はただ1つである。
実際,
$$ h'(1)=\frac{1}{\sqrt{5}}>0, \qquad \lim_{y\to 2-0}h'(y)=-\infty $$
より,$h'(y)=0$ を満たす点は $(1,2)$ にただ1つ存在する。これを $\alpha$ とする。
$\alpha>1$ なので
$$ \begin{aligned} \frac{\alpha}{\sqrt{\alpha^2+4}} &= \frac{\alpha-1}{\sqrt{2\alpha-\alpha^2}} \end{aligned} $$
が成り立ち,両辺を2乗すると
$$ 2\alpha^4-4\alpha^3+5\alpha^2-8\alpha+4=0 $$
を得る。この $(1,2)$ にある唯一の解は
$$ \alpha \approx 1.5172557 $$
である。
したがって
$$ \begin{aligned} a_{\min} &= 3-\sqrt{\alpha^2+4}-\sqrt{2\alpha-\alpha^2} \approx -0.3662223 \end{aligned} $$
となる。
解説
この問題の要点は,第2の曲線を円
$$ (x-a)^2+(y-1)^2=1 $$
と見抜くことである。中心は常に直線 $y=1$ 上を動くので,円が取りうる $y$ 座標は $0\leqq y\leqq 2$ に限られる。そこで $y$ を固定して横切りで考えると,領域 $D$ の $x$ の範囲と円の $x$ の範囲を比較するだけで,$a$ の条件が1変数の不等式に落ちる。
最大値は直線境界 $x+y=5$ 側で決まり,これはきれいに処理できる。 最小値は双曲線側で決まり,1変数関数の極大問題になる。ここでは $h''(y)<0$ を示して極大点がただ1つであることを押さえるのが自然である。
答え
領域 $D$ は,双曲線
$$ (x-3)^2-y^2=4 $$
の内側で,さらに直線
$$ x+y=5 $$
の下側にある部分である。
また,曲線
$$ x^2+y^2-2ax-2y+a^2=0 $$
が $D$ の点を通るような $a$ の範囲は
$$ a_{\min}\leqq a\leqq a_{\max} $$
であり,
$$ a_{\max}=4+\sqrt{2}, $$
$$ \begin{aligned} a_{\min} &= 3-\sqrt{\alpha^2+4}-\sqrt{2\alpha-\alpha^2} \approx -0.3662223 \end{aligned} $$
ただし $\alpha$ は
$$ 2\alpha^4-4\alpha^3+5\alpha^2-8\alpha+4=0 $$
の $(1,2)$ にある唯一の解である。