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数学3 微分法「微分の基本」の問題24 解説
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解説
方針・初手
与えられた微分方程式
$$ f''(x)=-2f'(x)-2f(x) $$
は、そのままでは扱いにくいので、$F(x)=e^x f(x)$ とおいて形を整える。
すると $f(x)=e^{-x}F(x)$ と書けるから、$f',f''$ を $F$ で表して代入すれば、より基本的な微分方程式に帰着できる。
その後、$F''(x)=-F(x)$ を満たす関数について
$$ {F'(x)}^2+{F(x)}^2 $$
の微分を調べれば、定数になることが分かる。これにより $F$ が有界であることが分かり、$f(x)=e^{-x}F(x)$ の極限が求まる。
解法1
**(1)**
$F(x)=e^x f(x)$ とおくと、
$$ f(x)=e^{-x}F(x) $$
であるから、
$$ f'(x)=e^{-x}{F'(x)-F(x)} $$
さらにもう一度微分して、
$$ f''(x)=e^{-x}{F''(x)-2F'(x)+F(x)} $$
となる。
これを与えられた関係式
$$ f''(x)=-2f'(x)-2f(x) $$
に代入すると、
$$ e^{-x}{F''(x)-2F'(x)+F(x)} =-2e^{-x}{F'(x)-F(x)}-2e^{-x}F(x) $$
両辺を $e^{-x}$ で割ると、
$$ F''(x)-2F'(x)+F(x)=-2F'(x)+2F(x)-2F(x)=-2F'(x) $$
したがって、
$$ F''(x)+F(x)=0 $$
すなわち
$$ F''(x)=-F(x) $$
が成り立つ。
**(2)**
いま $F''(x)=-F(x)$ を満たすとする。
関数
$$ G(x)={F'(x)}^2+{F(x)}^2 $$
を考えると、
$$ G'(x)=2F'(x)F''(x)+2F(x)F'(x) $$
であるから、$F''(x)=-F(x)$ を用いて
$$ G'(x)=2F'(x)(-F(x))+2F(x)F'(x)=0 $$
となる。
よって $G(x)$ は定数であり、
$$ {F'(x)}^2+{F(x)}^2=\text{定数} $$
が示された。
ここで、その定数を $C$ とおくと、
$$ {F(x)}^2\le C $$
より
$$ |F(x)|\le \sqrt{C} $$
となる。したがって $F(x)$ は有界である。
一方、
$$ f(x)=e^{-x}F(x) $$
であるから、
$$ |f(x)|=e^{-x}|F(x)|\le \sqrt{C}e^{-x} $$
を得る。$x\to\infty$ のとき $e^{-x}\to 0$ であるので、はさみうちの原理により
$$ \lim_{x\to\infty}f(x)=0 $$
となる。
解説
この問題の要点は、$f$ にかかっている一次の微分項を $F(x)=e^x f(x)$ という置き換えで消し、$F''=-F$ という標準形に持ち込むことである。
また、$F''=-F$ に対しては、${F'(x)}^2+{F(x)}^2$ を微分すると $0$ になる。これは三角関数の満たす関係に対応する典型的な保存量であり、この量が一定であることから $F$ の有界性が分かる。極限計算では、この有界性と $e^{-x}\to 0$ を組み合わせるのが本質である。
答え
**(1)**
$F(x)=e^x f(x)$ とおくと、
$$ F''(x)=-F(x) $$
が成り立つ。
**(2)**
$F''(x)=-F(x)$ を満たす関数 $F(x)$ について、
$$ {F'(x)}^2+{F(x)}^2 $$
は定数である。
したがって $F(x)$ は有界であり、
$$ f(x)=e^{-x}F(x) $$
より
$$ \lim_{x\to\infty}f(x)=0 $$
である。