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数学3 微分法「微分の基本」の問題46 解説
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解説
方針・初手
まず $|x|$ を外して、$x>0$ と $x<0$ で $f(x)$ を場合分けする。
すると $x=0$ での微分可能性は差商の左右極限の一致で判定できる。そこでまず $a$ を決定し、その後に各区間で $f'(x)$ を求めて $x=0$ まわりの連続性・微分可能性を調べる。
解法1
$x>0$ では $|x|=x$、$x<0$ では $|x|=-x$ であるから、
$$ f(x)= \begin{cases} x(e^{2x}+a) & (x>0),\\ -x(e^{2x}+a) & (x<0),\\ 0 & (x=0) \end{cases} $$
である。
**(1)**
$a$ および $f'(0)$ を求める。
$x=0$ で微分可能であるから、差商
$$ \frac{f(x)-f(0)}{x} = \begin{cases} e^{2x}+a & (x>0),\\ -(e^{2x}+a) & (x<0) \end{cases} $$
の左右極限が一致しなければならない。
右極限は
$$ \begin{aligned} \lim_{x\to+0}\frac{f(x)-f(0)}{x} &= \lim_{x\to+0}(e^{2x}+a)=1+a \end{aligned} $$
左極限は
$$ \begin{aligned} \lim_{x\to-0}\frac{f(x)-f(0)}{x} &= \lim_{x\to-0}\bigl(-(e^{2x}+a)\bigr)=-(1+a) \end{aligned} $$
である。よって
$$ 1+a=-(1+a) $$
となり、
$$ a=-1 $$
を得る。
このとき左右極限はいずれも $0$ であるから、
$$ f'(0)=0 $$
である。
以下、$a=-1$ として進める。したがって
$$ f(x)=|x|(e^{2x}-1) $$
である。
(2) 導関数 $f'(x)$ は $x=0$ で連続であることを示す。
$x>0$ では
$$ f(x)=x(e^{2x}-1) $$
より、積の微分法から
$$ f'(x)=e^{2x}-1+2xe^{2x} \qquad (x>0) $$
である。
また $x<0$ では
$$ f(x)=-x(e^{2x}-1) $$
より、
$$ f'(x)=-(e^{2x}-1)-2xe^{2x} =1-e^{2x}-2xe^{2x} \qquad (x<0) $$
である。
したがって
$$ f'(x)= \begin{cases} e^{2x}-1+2xe^{2x} & (x>0),\\ 0 & (x=0),\\ 1-e^{2x}-2xe^{2x} & (x<0) \end{cases} $$
となる。
ここで、
$$ \begin{aligned} \lim_{x\to+0}f'(x) &= \lim_{x\to+0}\bigl(e^{2x}-1+2xe^{2x}\bigr)=0 \end{aligned} $$
また、
$$ \begin{aligned} \lim_{x\to-0}f'(x) &= \lim_{x\to-0}\bigl(1-e^{2x}-2xe^{2x}\bigr)=0 \end{aligned} $$
である。しかも $f'(0)=0$ であるから、
$$ \lim_{x\to0}f'(x)=f'(0) $$
が成り立つ。よって $f'(x)$ は $x=0$ で連続である。
(3) 右側極限 $\displaystyle \lim_{x\to+0}\frac{f'(x)}{x}$ を求め、さらに $f'(x)$ は $x=0$ で微分可能でないことを示す。
$x>0$ では
$$ \begin{aligned} \frac{f'(x)}{x} &= \frac{e^{2x}-1+2xe^{2x}}{x} \\ \frac{e^{2x}-1}{x}+2e^{2x} \end{aligned} $$
であるから、
$$ \begin{aligned} \lim_{x\to+0}\frac{f'(x)}{x} &= \lim_{x\to+0}\frac{e^{2x}-1}{x} + \lim_{x\to+0}2e^{2x} &= 2+2=4 \end{aligned} $$
となる。
一方、$x<0$ では
$$ \begin{aligned} \frac{f'(x)}{x} &= \frac{1-e^{2x}-2xe^{2x}}{x} \\ \frac{1-e^{2x}}{x}-2e^{2x} \end{aligned} $$
であるから、
$$ \begin{aligned} \lim_{x\to-0}\frac{f'(x)}{x} &= \lim_{x\to-0}\frac{1-e^{2x}}{x}
\\ \lim_{x\to-0}2e^{2x} \\ -2-2=-4 \end{aligned} $$
となる。
ここで $f'(0)=0$ なので、$f'(x)$ が $x=0$ で微分可能であるためには
$$ \begin{aligned} \lim_{x\to0}\frac{f'(x)-f'(0)}{x} &= \lim_{x\to0}\frac{f'(x)}{x} \end{aligned} $$
が存在しなければならない。しかし右極限は $4$、左極限は $-4$ で一致しない。したがってこの極限は存在せず、$f'(x)$ は $x=0$ で微分可能でない。
解説
この問題の本質は、$|x|$ を含む関数はまず $x>0,\ x<0$ で分けて考えることである。
特に $x=0$ での微分可能性は、差商の左右極限を直接比較するのが最短である。$a=-1$ が定まると $e^{2x}-1$ が現れ、これは $x=0$ で $2x$ に近いので、$f'(x)$ の連続性や $\dfrac{f'(x)}{x}$ の極限も自然に処理できる。
最後は $f'(0)=0$ を用いて、$\dfrac{f'(x)-f'(0)}{x}$ の左右極限が一致しないことを示せば、$f'$ の非微分可能性が確定する。
答え
**(1)**
$$ a=-1,\qquad f'(0)=0 $$
**(2)**
$f'(x)$ は $x=0$ で連続である。
**(3)**
$$ \lim_{x\to+0}\frac{f'(x)}{x}=4 $$
また、
$$ \lim_{x\to-0}\frac{f'(x)}{x}=-4 $$
であるから、$f'(x)$ は $x=0$ で微分可能でない。