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数学3 微分法「微分の基本」の問題48 解説
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解説
方針・初手
極限は $|x|<1$、$x=\pm 1$、$|x|>1$ で挙動が変わる。したがって、まず $f(x)$ を場合分けで具体的に求め、連続になる条件を $x=\pm 1$ で課す。
そのうえで、(1) の条件を満たしたあとの $f(x)$ は、区間 $|x|\le 1$ では下に凸の二次関数、$|x|>1$ では $a/x$ となるので、それぞれの範囲で最大値を比較すればよい。
解法1
各 $x$ に対して
$$ f(x)=\lim_{n\to\infty}\frac{ax^{2n-1}-x^2+bx+c}{x^{2n}+1} $$
を考える。
**(i)**
$|x|<1$ のとき
$$ x^{2n}\to 0,\qquad x^{2n-1}\to 0 $$
であるから、
$$ f(x)=-x^2+bx+c $$
となる。
**(ii)**
$x=1$ のとき
$$ f(1)=\lim_{n\to\infty}\frac{a-1+b+c}{2} =\frac{a+b+c-1}{2} $$
である。
**(iii)**
$x=-1$ のとき、$(-1)^{2n}=1,\ (-1)^{2n-1}=-1$ より
$$ f(-1)=\lim_{n\to\infty}\frac{-a-1-b+c}{2} =\frac{c-a-b-1}{2} $$
となる。
**(iv)**
$|x|>1$ のとき、分子分母を $x^{2n}$ で割ると
$$ f(x)=\lim_{n\to\infty} \frac{\dfrac{a}{x}-x^{2-2n}+bx^{1-2n}+cx^{-2n}}{1+x^{-2n}} =\frac{a}{x} $$
となる。
したがって、
$$ f(x)= \begin{cases} \dfrac{a}{x} & (|x|>1),\\[1mm] \dfrac{a+b+c-1}{2} & (x=1),\\[1mm] -x^2+bx+c & (|x|<1),\\[1mm] \dfrac{c-a-b-1}{2} & (x=-1) \end{cases} $$
である。
(1) 連続となる条件
不連続の可能性があるのは $x=\pm 1$ のみである。
$x=1$ で連続であるためには、左右極限が一致すればよい。左側では $-x^2+bx+c$、右側では $a/x$ なので、
$$ -1+b+c=a $$
を得る。
$x=-1$ で連続であるためには、
$$ -1-b+c=-a $$
を得る。
この 2 式を連立すると、
$$ \begin{aligned} b+c-1&=a,\\ c-b-1&=-a \end{aligned} $$
より、加えて
$$ 2c-2=0 $$
すなわち
$$ c=1 $$
さらにこれを戻して
$$ b=a $$
となる。
よって、連続となる条件は
$$ b=a,\qquad c=1 $$
である。
(2) 最大値とそのときの $x$
(1) の条件 $b=a,\ c=1$ を用いると、
$$ f(x)= \begin{cases} \dfrac{a}{x} & (|x|>1),\\[1mm] -x^2+ax+1 & (|x|\le 1) \end{cases} $$
となる。
まず、$|x|>1$ では
- $x>1$ のとき $f(x)=a/x\le a$
- $x<-1$ のとき $f(x)=a/x<0$
である。
次に、$|x|\le 1$ では
$$ f(x)=-x^2+ax+1 $$
であり、下に凸の二次関数だから頂点は
$$ x=\frac{a}{2} $$
である。
(i) $0<a\le 2$ のとき
頂点 $x=a/2$ は区間 $[-1,1]$ に含まれるので、$|x|\le 1$ での最大値は
$$ f\left(\frac{a}{2}\right) =-\left(\frac{a}{2}\right)^2+a\cdot \frac{a}{2}+1 =1+\frac{a^2}{4} $$
である。
一方、$|x|>1$ での最大値は高々 $a$ であるが、
$$ 1+\frac{a^2}{4}-a =\frac{(a-2)^2}{4}\ge 0 $$
より
$$ 1+\frac{a^2}{4}\ge a $$
である。したがって全体の最大値は
$$ 1+\frac{a^2}{4} $$
であり、そのとき
$$ x=\frac{a}{2} $$
である。
(ii) $a>2$ のとき
頂点 $x=a/2$ は $1$ より大きいので、区間 $[-1,1]$ では $-x^2+ax+1$ は単調増加であり、最大値は $x=1$ で
$$ f(1)=a $$
となる。
また、$x>1$ でも $a/x<a$、$x<-1$ では $f(x)<0$ だから、全体の最大値は
$$ a $$
であり、そのとき
$$ x=1 $$
である。
以上より、
$$ \max f(x)= \begin{cases} 1+\dfrac{a^2}{4} & (0<a\le 2),\\[2mm] a & (a>2) \end{cases} $$
であり、それを与える $x$ は
$$ x= \begin{cases} \dfrac{a}{2} & (0<a\le 2),\\[2mm] 1 & (a>2) \end{cases} $$
である。
(3) 最大値が $\dfrac{5}{4}$ となるときの $a,b,c$
(2) より場合分けする。
(i) $0<a\le 2$ のとき
$$ 1+\frac{a^2}{4}=\frac{5}{4} $$
より
$$ \frac{a^2}{4}=\frac{1}{4} $$
したがって
$$ a^2=1 $$
である。しかも $a>0$ だから
$$ a=1 $$
となる。
(ii) $a>2$ のとき
最大値は $a$ であるから
$$ a=\frac{5}{4} $$
となるが、これは $a>2$ に反する。よって不適。
したがって
$$ a=1 $$
であり、(1) の条件 $b=a,\ c=1$ から
$$ b=1,\qquad c=1 $$
となる。
解説
この問題の本質は、$x^{2n}$ の極限の挙動を $|x|<1$、$|x|=1$、$|x|>1$ で正しく分けることである。ここを曖昧にすると (1) の連続条件が出せない。
また、(2) では $|x|\le 1$ の二次関数と $|x|>1$ の $a/x$ を別々に見て比較するのが自然である。特に $x<-1$ では $a/x<0$ となるため、最大値の候補から外れやすい点に注意したい。
答え
**(1)**
$$ b=a,\qquad c=1 $$
**(2)**
$$ \max f(x)= \begin{cases} 1+\dfrac{a^2}{4} & (0<a\le 2),\\[2mm] a & (a>2) \end{cases} $$
そのときの $x$ は
$$ x= \begin{cases} \dfrac{a}{2} & (0<a\le 2),\\[2mm] 1 & (a>2) \end{cases} $$
**(3)**
$$ a=1,\qquad b=1,\qquad c=1 $$