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数学3 微分法「微分の基本」の問題51 解説
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解説
方針・初手
微分可能性の定義は、差商
$$ \frac{f(a+h)-f(a)}{h} $$
の極限で述べるのが基本である。
(2) は
$$ f(a+h)-f(a)=h\cdot \frac{f(a+h)-f(a)}{h} $$
と書くのが初手であり、微分可能であることから右辺の極限を評価すれば連続性が従う。
(3) と (4) は、いずれも導関数の公式をそのまま使うのではなく、定義に戻って差商の極限を計算する。
解法1
**(1)**
関数 $f(x)$ が $x=a$ で微分可能であるとは、極限
$$ \lim_{h\to 0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h} $$
が存在することである。
この極限値を $f'(a)$ と書き、$x=a$ における $f(x)$ の導関数の値、すなわち微分係数という。
なお、同値な形として
$$ \lim_{x\to a}\frac{f(x)-f(a)}{x-a} $$
が存在することとして定義してもよい。
**(2)**
$f(x)$ が $x=a$ で微分可能であるとする。このとき
$$ \lim_{h\to 0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h}=f'(a) $$
が存在する。
ここで
$$ \begin{aligned} f(a+h)-f(a) &= h\cdot \frac{f(a+h)-f(a)}{h} \end{aligned} $$
と書ける。
$h\to 0$ のとき、$h\to 0$ であり、また
$$ \frac{f(a+h)-f(a)}{h}\to f'(a) $$
であるから、
$$ f(a+h)-f(a)\to 0 $$
となる。
したがって
$$ f(a+h)\to f(a)\qquad (h\to 0) $$
である。これは
$$ \lim_{x\to a}f(x)=f(a) $$
を意味するから、$f(x)$ は $x=a$ で連続である。
よって、$f(x)$ が $x=a$ で微分可能ならば、$f(x)$ は $x=a$ で連続であることが示された。
**(3)**
$f(x)=x^n$ とする。ただし $n$ は自然数である。$x=a$ における微分係数を定義に従って求めると、
$$ f'(a)=\lim_{h\to 0}\frac{(a+h)^n-a^n}{h} $$
となる。
ここで二項定理より
$$ \begin{aligned} (a+h)^n &= a^n+na^{n-1}h+{}_{n}\mathrm{C}_{2}a^{n-2}h^2+\cdots+h^n \end{aligned} $$
であるから、
$$ \begin{aligned} \frac{(a+h)^n-a^n}{h} &= na^{n-1} +{}_{n}\mathrm{C}_{2}a^{n-2}h +\cdots +h^{n-1} \end{aligned} $$
となる。よって $h\to 0$ とすると、$h$ を含む項はすべて $0$ に収束するので、
$$ f'(a)=na^{n-1} $$
を得る。
$a$ は任意であるから、
$$ \frac{d}{dx}(x^n)=nx^{n-1} $$
である。
**(4)**
$f(x)=\sin x$ とする。$x=a$ における微分係数は
$$ f'(a)=\lim_{h\to 0}\frac{\sin(a+h)-\sin a}{h} $$
である。
加法定理
$$ \sin(a+h)=\sin a\cos h+\cos a\sin h $$
を用いると、
$$ \begin{aligned} \frac{\sin(a+h)-\sin a}{h} &= \sin a\cdot \frac{\cos h-1}{h} +\cos a\cdot \frac{\sin h}{h} \end{aligned} $$
となる。
問題文より
$$ \lim_{h\to 0}\frac{\sin h}{h}=1 $$
は証明なしに用いてよい。
したがって、あとは
$$ \lim_{h\to 0}\frac{\cos h-1}{h}=0 $$
を示せばよい。
恒等式
$$ 1-\cos h=2\sin^2\frac{h}{2} $$
より、
$$ \begin{aligned} \left|\frac{\cos h-1}{h}\right| &= \frac{2\sin^2(h/2)}{|h|} \\ \left|\sin\frac{h}{2}\right| \cdot \left|\frac{\sin(h/2)}{h/2}\right| \end{aligned} $$
となる。
ここで
$$ \lim_{h\to 0}\frac{\sin(h/2)}{h/2}=1 $$
であり、また
$$ \begin{aligned} \sin\frac{h}{2} &= \frac{h}{2}\cdot \frac{\sin(h/2)}{h/2}\to 0 \end{aligned} $$
であるから、
$$ \lim_{h\to 0}\frac{\cos h-1}{h}=0 $$
が従う。
よって
$$ \begin{aligned} f'(a) &= \sin a\cdot 0+\cos a\cdot 1 \\ \cos a \end{aligned} $$
である。
$a$ は任意であるから、
$$ \frac{d}{dx}(\sin x)=\cos x $$
となる。
解説
この問題の核は、導関数の公式を暗記した形で使うのではなく、すべて微分係数の定義
$$ \lim_{h\to 0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h} $$
から出発する点にある。
(2) では、微分可能なら連続であることを示す典型手法として、
$$ f(a+h)-f(a)=h\cdot \frac{f(a+h)-f(a)}{h} $$
と分解する見方が重要である。
(3) では二項定理、(4) では加法定理と基本極限
$$ \lim_{h\to 0}\frac{\sin h}{h}=1 $$
を組み合わせればよい。特に (4) では
$$ \frac{\cos h-1}{h}\to 0 $$
をきちんと補うことが要点である。
答え
**(1)**
$f(x)$ が $x=a$ で微分可能であるとは、
$$ \lim_{h\to 0}\frac{f(a+h)-f(a)}{h} $$
が存在することである。この極限値を $f'(a)$ と書く。
**(2)**
$f(x)$ が $x=a$ で微分可能ならば
$$ f(a+h)-f(a)=h\cdot \frac{f(a+h)-f(a)}{h} $$
より、
$$ f(a+h)-f(a)\to 0 \qquad (h\to 0) $$
となる。したがって
$$ \lim_{x\to a}f(x)=f(a) $$
であり、$f(x)$ は $x=a$ で連続である。
**(3)**
$$ \frac{d}{dx}(x^n)=nx^{n-1}\qquad (n\in \mathbb{N}) $$
**(4)**
$$ \frac{d}{dx}(\sin x)=\cos x $$