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数学3 微分法「微分の基本」の問題55 解説

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数学3 微分法 微分の基本 問題55の問題画像
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解説

方針・初手

$x=0$ での微分可能性は、定義に従って差商

$$ \frac{g(h)-g(0)}{h} $$

の極限を調べれば判定できる。ここでは $|h|$ を含むため、$h \to 0^+$ と $h \to 0^-$ で差商の値がどう変わるかを見るのが最も直接的である。

解法1

$f(x)=|x|\sqrt{x^2+1}$ とする。まず

$$ g(0)=|0|\sqrt{0^2+1}=0 $$

である。

したがって、$x=0$ における微分係数は、存在すれば

$$ \begin{aligned} \lim_{h\to 0}\frac{g(h)-g(0)}{h} &= \lim_{h\to 0}\frac{|h|\sqrt{h^2+1}}{h} \end{aligned} $$

で与えられる。

ここで、(i) $h>0$ のときは $|h|=h$ であるから、

$$ \begin{aligned} \frac{|h|\sqrt{h^2+1}}{h} &= \sqrt{h^2+1} \end{aligned} $$

となる。よって

$$ \begin{aligned} \lim_{h\to 0^+}\frac{g(h)-g(0)}{h} &= \lim_{h\to 0^+}\sqrt{h^2+1} \\ 1 \end{aligned} $$

である。

次に、(ii) $h<0$ のときは $|h|=-h$ であるから、

$$ \begin{aligned} \frac{|h|\sqrt{h^2+1}}{h} &= -\sqrt{h^2+1} \end{aligned} $$

となる。したがって

$$ \begin{aligned} \lim_{h\to 0^-}\frac{g(h)-g(0)}{h} &= \lim_{h\to 0^-}\left(-\sqrt{h^2+1}\right) \\ -1 \end{aligned} $$

である。

右極限は $1$、左極限は $-1$ で一致しない。したがって

$$ \lim_{h\to 0}\frac{g(h)-g(0)}{h} $$

は存在しない。

よって、$g(x)$ は $x=0$ で微分可能でない。

解法2

絶対値を外して場合分けすると、

$$ g(x)= \begin{cases} x\sqrt{x^2+1} & (x\geqq 0) \\ -x\sqrt{x^2+1} & (x<0) \end{cases} $$

である。

したがって、$x>0$ では

$$ g'(x)=\sqrt{x^2+1}+x\cdot \frac{x}{\sqrt{x^2+1}} $$

となるので、

$$ \lim_{x\to 0^+}g'(x)=1 $$

である。

また、$x<0$ では

$$ g'(x)=-\sqrt{x^2+1}-x\cdot \frac{x}{\sqrt{x^2+1}} $$

となるから、

$$ \lim_{x\to 0^-}g'(x)=-1 $$

である。

$x=0$ で微分可能であるならば、左右から見た傾きは一致しなければならない。しかし実際には右側で $1$、左側で $-1$ となり一致しない。よって、$g(x)$ は $x=0$ で微分可能でない。

解説

この問題の本質は、$\sqrt{x^2+1}$ の部分ではなく $|x|$ の部分にある。$\sqrt{x^2+1}$ は $x=0$ の近くで常に正で滑らかであるため、微分可能性を壊しているのは $|x|$ の折れ曲がりである。

したがって、差商を左右から調べるか、絶対値を外して場合分けするのが自然な方針である。特に定義に従って右極限と左極限が一致しないことを示す方法が最も確実である。

答え

$x=0$ における差商は

$$ \begin{aligned} \frac{g(h)-g(0)}{h} &= \frac{|h|\sqrt{h^2+1}}{h} \end{aligned} $$

である。これについて

$$ \lim_{h\to 0^+}\frac{g(h)-g(0)}{h}=1,\qquad \lim_{h\to 0^-}\frac{g(h)-g(0)}{h}=-1 $$

となり、左右極限が一致しない。したがって $g(x)$ は $x=0$ で微分可能でない。

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