基礎問題集
数学3 微分法「グラフ・増減・極値」の問題3 解説
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解説
方針・初手
接線の方程式を立てて、その接線が $x$ 軸と交わる点の $x$ 座標を求めれば $f(t)$ が定まる。 その後、$\dfrac{f(t)}{t}$ を整理して極限と増減を調べる。増減は微分して符号を判定する。
解法1
曲線 $y=1-\cos x$ の導関数は
$$ y'=\sin x $$
である。したがって、点 $(t,1-\cos t)$ における接線の方程式は
$$ y-(1-\cos t)=\sin t,(x-t) $$
である。
この接線が $x$ 軸と交わる点では $y=0$ だから、
$$ -(1-\cos t)=\sin t,(x-t) $$
となる。よって、その交点の $x$ 座標 $f(t)$ は
$$ f(t)=t-\frac{1-\cos t}{\sin t} $$
である。
さらに半角公式を用いると、
$$ \frac{1-\cos t}{\sin t} =\frac{2\sin^2 \frac{t}{2}}{2\sin \frac{t}{2}\cos \frac{t}{2}} =\tan \frac{t}{2} $$
であるから、
$$ f(t)=t-\tan \frac{t}{2} $$
を得る。これで (1) は求まった。
次に (2) を求める。
$$ \frac{f(t)}{t} =1-\frac{\tan \frac{t}{2}}{t} $$
である。ここで $u=\dfrac{t}{2}$ とおくと
$$ \frac{\tan \frac{t}{2}}{t} =\frac{1}{2}\cdot \frac{\tan u}{u} $$
となるので、$\displaystyle \lim_{u\to 0}\frac{\tan u}{u}=1$ より
$$ \lim_{t\to 0}\frac{f(t)}{t} =1-\frac{1}{2} =\frac{1}{2} $$
である。
最後に (3) を調べる。 $g(t)=\dfrac{f(t)}{t}$ とおくと
$$ g(t)=1-\frac{\tan \frac{t}{2}}{t} $$
であるから、
$$ g'(t) =-\frac{\frac{1}{2}t\sec^2\frac{t}{2}-\tan\frac{t}{2}}{t^2} $$
となる。分子を整理すると、
$$ \frac{1}{2}t\sec^2\frac{t}{2}-\tan\frac{t}{2} =\frac{t-2\sin\frac{t}{2}\cos\frac{t}{2}}{2\cos^2\frac{t}{2}} =\frac{t-\sin t}{2\cos^2\frac{t}{2}} $$
であるから、
$$ g'(t) =-\frac{t-\sin t}{2t^2\cos^2\frac{t}{2}} $$
を得る。
ここで、$-\pi<t<\pi,\ t\neq 0$ では
$$ 2t^2\cos^2\frac{t}{2}>0 $$
である。したがって、$g'(t)$ の符号は $-(t-\sin t)$ の符号で決まる。
そこで
$$ h(t)=t-\sin t $$
とおくと、
$$ h'(t)=1-\cos t $$
である。$-\pi<t<\pi$ において $h'(t)\geqq 0$ であり、しかも $h(0)=0$ だから、
- $-\pi<t<0$ では $h(t)<0$
- $0<t<\pi$ では $h(t)>0$
となる。
よって、
- $-\pi<t<0$ では $g'(t)>0$
- $0<t<\pi$ では $g'(t)<0$
である。したがって、
$$ \frac{f(t)}{t} $$
は $(-\pi,0)$ で増加し、$(0,\pi)$ で減少する。
解説
この問題の要点は、まず接線の方程式を正確に立てることである。 $f(t)$ を
$$ f(t)=t-\frac{1-\cos t}{\sin t} $$
まで求めたあと、半角公式で
$$ f(t)=t-\tan\frac{t}{2} $$
と変形しておくと、その後の極限や微分計算がかなり見通しよくなる。
また、増減の判定では
$$ \left(\frac{f(t)}{t}\right)' =-\frac{t-\sin t}{2t^2\cos^2\frac{t}{2}} $$
まで整理するのが重要である。分母は常に正なので、結局 $t-\sin t$ の符号だけを見ればよい。ここで $t-\sin t$ の導関数が $1-\cos t$ になることに気づけば、符号判定は容易である。
答え
**(1)**
$$ f(t)=t-\frac{1-\cos t}{\sin t}=t-\tan\frac{t}{2} $$
**(2)**
$$ \lim_{t\to 0}\frac{f(t)}{t}=\frac{1}{2} $$
**(3)**
$$ \frac{f(t)}{t} $$
は
$-\pi<t<0$ で増加
$0<t<\pi$ で減少
である。