基礎問題集
数学3 微分法「グラフ・増減・極値」の問題6 解説
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解説
方針・初手
$f(x)$ は
$$ f(x)=\frac{\sin x}{1+\sin x}=1-\frac{1}{1+\sin x} $$
と変形すると扱いやすい。増減は $f'(x)$ の符号、凹凸は $f''(x)$ の符号で調べる。端点 $x=-\dfrac{\pi}{2},\ \dfrac{3\pi}{2}$ は定義域に含まれないので、そこでの挙動は一方極限で確認する。
解法1
(1) 増減と極値
まず微分すると、
$$ f'(x)=\frac{\cos x(1+\sin x)-\sin x\cos x}{(1+\sin x)^2} =\frac{\cos x}{(1+\sin x)^2} $$
となる。
定義域 $-\dfrac{\pi}{2}<x<\dfrac{3\pi}{2}$ では $\sin x>-1$ であるから、
$$ (1+\sin x)^2>0 $$
であり、$f'(x)$ の符号は $\cos x$ の符号で決まる。
したがって、
- $-\dfrac{\pi}{2}<x<\dfrac{\pi}{2}$ では $\cos x>0$ より $f'(x)>0$
- $\dfrac{\pi}{2}<x<\dfrac{3\pi}{2}$ では $\cos x<0$ より $f'(x)<0$
である。
ゆえに $f(x)$ は
- $-\dfrac{\pi}{2}<x<\dfrac{\pi}{2}$ で増加
- $\dfrac{\pi}{2}<x<\dfrac{3\pi}{2}$ で減少
する。
また、$x=\dfrac{\pi}{2}$ で $f'(x)$ は正から負に変わるから、ここで極大値をとる。その値は
$$ f\left(\frac{\pi}{2}\right)=\frac{1}{1+1}=\frac{1}{2} $$
である。
したがって、極値は
- $x=\dfrac{\pi}{2}$ で極大値 $\dfrac{1}{2}$
のみであり、極小値は存在しない。
(2) 凹凸
さらに 2 回微分する。
$$ f'(x)=\frac{\cos x}{(1+\sin x)^2} $$
より、
$$ f''(x) =\frac{-\sin x(1+\sin x)^2-\cos x\cdot 2(1+\sin x)\cos x}{(1+\sin x)^4} $$
整理すると、
$$ f''(x) =\frac{-\sin x(1+\sin x)-2\cos^2 x}{(1+\sin x)^3} $$
であり、$\cos^2 x=1-\sin^2 x$ を用いると、
$$ \begin{aligned} -\sin x(1+\sin x)-2\cos^2 x &=-\sin x-\sin^2 x-2(1-\sin^2 x) \\ &=\sin^2 x-\sin x-2 \\ &=(\sin x-2)(\sin x+1) \end{aligned} $$
となる。したがって、
$$ f''(x)=\frac{(\sin x-2)(\sin x+1)}{(1+\sin x)^3} =\frac{\sin x-2}{(1+\sin x)^2} $$
を得る。
ここで $-1<\sin x\le 1$ であるから、
$$ \sin x-2<0 $$
かつ
$$ (1+\sin x)^2>0 $$
である。よって定義域全体で
$$ f''(x)<0 $$
となる。
したがって、曲線 $y=f(x)$ は
- $-\dfrac{\pi}{2}<x<\dfrac{3\pi}{2}$ の全体で上に凸
であり、変曲点は存在しない。
(3) 極限
$x\to -\dfrac{\pi}{2}+0$ のとき $\sin x\to -1+0$ であるから、
$$ 1+\sin x\to +0,\qquad \sin x\to -1 $$
となる。よって
$$ \lim_{x\to -\frac{\pi}{2}+0}f(x) =\lim_{x\to -\frac{\pi}{2}+0}\frac{\sin x}{1+\sin x} =-\infty $$
である。
同様に、$x\to \dfrac{3\pi}{2}-0$ のときも $\sin x\to -1+0$ であるから、
$$ \lim_{x\to \frac{3\pi}{2}-0}f(x) =\lim_{x\to \frac{3\pi}{2}-0}\frac{\sin x}{1+\sin x} =-\infty $$
である。
(4) 概形
概形を描くための要点を整理する。
- $x=-\dfrac{\pi}{2},\ \dfrac{3\pi}{2}$ に近づくと $f(x)\to -\infty$
- $-\dfrac{\pi}{2}<x<\dfrac{\pi}{2}$ で単調増加
- $\dfrac{\pi}{2}<x<\dfrac{3\pi}{2}$ で単調減少
- $x=\dfrac{\pi}{2}$ で極大値 $\dfrac{1}{2}$
- 定義域全体で上に凸
- $f(0)=0,\ f(\pi)=0$ より、曲線は $(0,0),\ (\pi,0)$ を通る
したがって、左端付近で $-\infty$ から出発し、上に凸のまま増加して $\left(\dfrac{\pi}{2},\dfrac{1}{2}\right)$ で最大となり、その後は上に凸のまま減少して $(\pi,0)$ を通り、右端付近で再び $-\infty$ に下がる形になる。
解説
この問題では、分母に $1+\sin x$ があるので、まず $1+\sin x>0$ が定義域内で常に成り立つことを押さえるのが重要である。これにより、$f'(x)$ や $f''(x)$ の符号判定がかなり簡単になる。
特に
$$ f'(x)=\frac{\cos x}{(1+\sin x)^2} $$
となるので、増減は実質的に $\cos x$ の符号を見るだけで済む。また、
$$ f''(x)=\frac{\sin x-2}{(1+\sin x)^2} $$
まで整理できれば、$\sin x-2<0$ は明らかであり、凹凸も一気に決まる。
端点では分母が $0$ に近づくため、グラフの概形では両端で $-\infty$ に落ちることを見落としてはならない。
答え
**(1)**
増加区間は $-\dfrac{\pi}{2}<x<\dfrac{\pi}{2}$
減少区間は $\dfrac{\pi}{2}<x<\dfrac{3\pi}{2}$
$x=\dfrac{\pi}{2}$ で極大値 $\dfrac{1}{2}$
極小値は存在しない
**(2)**
$-\dfrac{\pi}{2}<x<\dfrac{3\pi}{2}$ の全体で上に凸
変曲点は存在しない
**(3)**
$$ \lim_{x\to -\frac{\pi}{2}+0}f(x)=-\infty,\qquad \lim_{x\to \frac{3\pi}{2}-0}f(x)=-\infty $$
**(4)**
$(0,0),\ (\pi,0)$ を通る
$\left(\dfrac{\pi}{2},\dfrac{1}{2}\right)$ で最大
左右の端 $x=-\dfrac{\pi}{2},\ \dfrac{3\pi}{2}$ に近づくと $-\infty$
全体として上に凸のまま、左から増加して最大をとり、その後減少する曲線である