基礎問題集
数学3 微分法「グラフ・増減・極値」の問題8 解説
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解説
方針・初手
$|x|$ を含むので、まず $x<0$ と $x\geqq 0$ に分けて考える。
$$ y= \begin{cases} -x(x+2)^2e^{-x} & (x<0),\\ x(x+2)^2e^{-x} & (x\geqq 0) \end{cases} $$
として、それぞれで $y',y''$ を求めて増減と凹凸を調べる。特に $x=0$ では絶対値の影響で微分可能でない可能性があるので、左右から確認する。
解法1
まず $x\geqq 0$ のとき
$$ y=x(x+2)^2e^{-x} $$
であるから、
$$ y' =e^{-x}\left\{(x(x+2)^2)'-x(x+2)^2\right\} =e^{-x}\left\{(3x^2+8x+4)-(x^3+4x^2+4x)\right\} $$
$$ =-e^{-x}(x+1)(x-2)(x+2) $$
となる。
次に $x<0$ のとき
$$ y=-x(x+2)^2e^{-x} $$
であるから、
$$ y' =e^{-x}\left\{(-x(x+2)^2)'-(-x(x+2)^2)\right\} =e^{-x}(x+1)(x-2)(x+2) $$
となる。
また、$x=0$ における左右微分係数は
$$ y'*-(0)=(1)(-2)(2)=-4,\qquad y'*+(0)=-(1)(-2)(2)=4 $$
であり、$x=0$ では微分可能でない。
増減
**(i)**
$x<0$ のとき
$$ y'=e^{-x}(x+1)(x-2)(x+2) $$
であり、$e^{-x}>0$ だから符号は $(x+1)(x-2)(x+2)$ で決まる。したがって
- $(-\infty,-2)$ で $y'<0$
- $(-2,-1)$ で $y'>0$
- $(-1,0)$ で $y'<0$
である。
**(ii)**
$x>0$ のとき
$$ y'=-e^{-x}(x+1)(x-2)(x+2) $$
であり、$x+1>0,\ x+2>0$ だから符号は $-(x-2)$ で決まる。したがって
- $(0,2)$ で $y'>0$
- $(2,\infty)$ で $y'<0$
である。
以上より、増減は
- 減少:$(-\infty,-2),\ (-1,0),\ (2,\infty)$
- 増加:$(-2,-1),\ (0,2)$
となる。
極値
各点での値は
$$ y(-2)=0,\qquad y(-1)=e,\qquad y(0)=0,\qquad y(2)=\frac{32}{e^2} $$
である。
したがって
- $x=-2$ で極小値 $0$
- $x=-1$ で極大値 $e$
- $x=0$ で極小値 $0$
- $x=2$ で極大値 $\dfrac{32}{e^2}$
をとる。
次に凹凸を調べる。
2次導関数
$x>0$ では
$$ y'=-e^{-x}(x+1)(x-2)(x+2) $$
より
$$ y'' =e^{-x}x(x^2-2x-6) =e^{-x}x(x-1-\sqrt7)(x-1+\sqrt7) $$
となる。
また、$x<0$ では
$$ y'=e^{-x}(x+1)(x-2)(x+2) $$
より
$$ y'' =-e^{-x}x(x^2-2x-6) =-e^{-x}x(x-1-\sqrt7)(x-1+\sqrt7) $$
となる。
凹凸
**(i)**
$x<0$ のとき
$1-\sqrt7<0$ に注意すると、
- $(-\infty,,1-\sqrt7)$ で $y''>0$
- $(1-\sqrt7,,0)$ で $y''<0$
となる。
**(ii)**
$x>0$ のとき
$1+\sqrt7>0,\ 1-\sqrt7<0$ だから、
- $(0,,1+\sqrt7)$ で $y''<0$
- $(1+\sqrt7,,\infty)$ で $y''>0$
となる。
よって
- 下に凸:$(-\infty,,1-\sqrt7),\ (1+\sqrt7,,\infty)$
- 上に凸:$(1-\sqrt7,,0),\ (0,,1+\sqrt7)$
である。
$x=0$ の前後ではともに $y''<0$ であり、凹凸は変わらないので $x=0$ は変曲点ではない。
変曲点
$y''$ の符号が変わるのは $x=1-\sqrt7,\ 1+\sqrt7$ であるから、変曲点は
$$ \left(1-\sqrt7,\ (\sqrt7-1)(3-\sqrt7)^2e^{\sqrt7-1}\right), \qquad \left(1+\sqrt7,\ (1+\sqrt7)(3+\sqrt7)^2e^{-1-\sqrt7}\right) $$
である。
概形
さらに概形をつかむために、端での様子と $x$ 軸との交点を確認する。
$$ y=|x|(x+2)^2e^{-x}\geqq 0 $$
であり、$y=0$ となるのは
$$ x=-2,\ 0 $$
のときだけである。
また、
$$ \lim_{x\to\infty}|x|(x+2)^2e^{-x}=0, \qquad \lim_{x\to-\infty}|x|(x+2)^2e^{-x}=+\infty $$
である。
したがってグラフは、左方で $+\infty$ から減少して $(-2,0)$ で $x$ 軸に接し、その後 $(-1,e)$ まで上がってから再び下がり、$(0,0)$ で鋭い谷を作る。そこから増加して $\left(2,\dfrac{32}{e^2}\right)$ をとった後、減少しながら $x$ 軸に近づく。
解説
この問題の要点は、$|x|$ のために $x<0$ と $x\geqq 0$ で式が変わることである。したがって、$y',y''$ も区間ごとに別々に求める必要がある。
特に $x=0$ では左右微分係数が一致しないので微分可能ではないが、左で減少、右で増加しているため極小値 $0$ をとる。また、$x=0$ の前後ではどちらも上に凸なので、変曲点ではない。この点を落とすと凹凸の判定を誤る。
答え
**(1)**
増加区間は
$$ (-2,-1),\ (0,2) $$
減少区間は
$$ (-\infty,-2),\ (-1,0),\ (2,\infty) $$
極値は
$x=-2$ で極小値 $0$
$x=-1$ で極大値 $e$
$x=0$ で極小値 $0$
$x=2$ で極大値 $\dfrac{32}{e^2}$
である。
**(2)**
下に凸:$(-\infty,,1-\sqrt7),\ (1+\sqrt7,,\infty)$
上に凸:$(1-\sqrt7,,0),\ (0,,1+\sqrt7)$
変曲点は
$$ \left(1-\sqrt7,\ (\sqrt7-1)(3-\sqrt7)^2e^{\sqrt7-1}\right), \qquad \left(1+\sqrt7,\ (1+\sqrt7)(3+\sqrt7)^2e^{-1-\sqrt7}\right) $$
である。$x=0$ は変曲点ではない。グラフは $(-2,0)$ と $(0,0)$ で $x$ 軸に接し、$(-1,e)$ と $\left(2,\dfrac{32}{e^2}\right)$ に極大点をもつ。